こんにちは!
現役の自動車整備士まいこです!
突然ですが、あなたは車の冷却水は定期的に交換していますか?
ボンネットを空けるとリザーバータンクがあるので、日常でも点検が出来るところで、免許を取得するときの日常点検の項目にあったと思うので、なんとなくでもご存知の方が多いのではないでしょうか。
この冷却水ですが、無くなってしまうとエンジンを冷やすことが出来なくなり、きちんと規定容量が入っていないとオーバーヒートなどのトラブルの原因になります。
そこで冷却水を補充するのですが、よく見ると色が付いています。
写真の車はダイハツのムーヴですが「赤色」ですね。
この冷却水の色は「緑色」や「青色」もあり、中には「内容は一緒だから混ぜても問題ないよ」という方もいらっしゃいます。
ですが、それは大きな間違いです。
というわけで、今回は「車の冷却水について正しく解説」していきましょう。
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そもそも車の冷却水とは何なのか?
車の冷却水は「クーラント」と呼ばれる不凍液を混ぜた水のことを言います。
冷却水の目的は、エンジンの熱を冷やすことです。
しかし、冷却水も冬場に凍ってしまっては車の故障の原因になります。(随分前は本当にただの水でした。)
そこで開発されたのが「クーラント」で、機能として
- 不凍液
- 防腐剤
- 防錆剤
が、含まれており冬場や寒冷地でも冷却水が凍らないようにしてあるのと、ラジエーターなどの錆止めとしての役割もあるのです。
クーラントには3種類の「色」がある。
クーラントには「赤色」「緑色」「青色」の3色があります。
そして、この色ですが混ぜたとしても故障の原因にはならないので「大丈夫だって!」という方も多いのですが、基本的に混ぜるのはお勧めしません。
その理由について解説していきましょう。
クーラントの性能が違う!
まず、「赤」「緑」と「青」では、クーラントの性能が違います。
「赤」「緑」は、ロングライフクーラントと呼ばれ、おおよその交換時期の目安は2年です。
それに対して、「青」は、スーパーロングライフクーラントと呼ばれ新車から入っている場合10年以上持つものもあります。
またスーパーロングライフクーラントには「ピンク」もあります。
自分の車でクーラントの区別がつかない場合は、取扱説明書など確認してください。
または「エンジンサービス情報」などのステッカーに内容が書かれています。
ちなみにメーカーによって名前は様々で、
- トヨタ・日産など…純正スーパーLLC
- 三菱…ダイヤクイーン
- ホンダ…ウルトラeクーラント
と呼ばれています。
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スーパーLLCも混ぜると性能が落ちる!
そしてクーラントを混ぜてはいけない理由ですが、スーパーLLCは混ぜると性能が落ちていしまいます。
というのも、スーパーLLCだけではなく普通のロングライフクーラントもですが、希釈濃度が定められており、おおよそ30%~50%の濃度で使用するように作られており、濃度が薄ければ防錆添加剤の絶対量が不足します。
つまり、ラジエーターが錆びる恐れがあるということですね。
では濃くすれば良いのかというと、それもダメで凍結温度が高まります。
そのため、きちんと性能を発揮させるためには「一度冷却水を抜いて新しく入れなおす」必要があるのです。
ロングライフクーラントの交換目安
また、スーパーLLCでなく通常のロングライフクーラントの場合「赤」と「緑」を混ぜても故障の原因にはなりません。(推奨はしないですけども)
ですが、クーラントの交換時期は「色」でも確認します。
通常ロングライフクーラントの交換目安は2年ですが、色があまりにも濁っている(茶色のよう)場合も、交換の目安として判断します。
ようするに色でも劣化の判断を行うのに、赤と緑を混ぜると当然濁った色になりますから、そういう部分では混ぜない方が好ましいです。
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冷却水の交換方法
冷却水交換の前に注意ポイントですが「クーラントに含まれるエチレングリコールは環境負荷物質」なので、きちんと処理しなければいけません。
こちらはモラルの問題ですが、そのまま排水溝などに流してしまうと環境にかなりよくありません。
廃棄処理できないのであれば冷却水の交換は必ず店舗に依頼するようにしましょう。
冷却水を抜く
まずは古い冷却水を抜きますが、ラジエーターのドレンコックから抜きます。
ドレンコックはラジエーターの下部にあります。
またドレンコックを開いて、上部のラジエーターキャップを開けると空気が入り勢いよく水が抜けだします。
内部のすすぎを行う
水が抜けたらドレンコックを閉めて、水道水をラジエーターの注水口から満タンまで入れます。
その後エンジンを始動して、ヒーターを付け、ラジエーターの電動ファンが回るまでアイドリングします。
その後、再度ラジエーターのドレンコックを開いて水を排出します。
綺麗な水になるまで繰り返しすすぎます。
リザーバータンクの洗浄
冷却水の交換を行う際には、あわせてリザーバータンクも洗浄しましょう。
取りつけは基本的にフックで引っ掛けているだけなので簡単に外せますが、素材はポリ容器なので強引に引っ張ると割れたりするので、その点は気を付けて下さい。
取り外したら中の水を捨てて、綺麗にすすぎ洗いしましょう。
クーラントを入れる
すずぎが終わったらクーラントを入れます。
すでに適正に希釈されているものなら問題無くそのまま入れればいいですが、そうでない場合は30%~50%に希釈する必要があります。
その場合に希釈する入れ物がなければ1.5Lの空のペットボトルでもいいので、希釈したクーラントを作ってから入れるようにしましょう。
面倒くさがってクーラント原液をそのまま入れて適当に水を足すと、まずどれだけ入れたか分からなくなります。
きちんと希釈してから入れるようにしましょう。
エア抜きをする
クーラントを入れたらエア抜きをします。
エア抜きの方法は、ラジエーターキャップを外したままエンジンを始動させます。
暖まってくるとラジエーターの注水口がブクブクと泡立ち、エアが抜けると水位が下がります。
そしたら再度クーラントを継ぎ足しします。
その後、数分様子を見て水位が下がらないようであれば完了です。
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冷却水が漏れたらどうなる?
冷却水が漏れたらエンジンの冷却が出来ずにオーバーヒートを起こします。
オーバーヒートを起こした場合の症状をいくつか書いておきましょう。
- 水温計が異常な温度を示す
- エンジンの回転数が不安定になる
- アクセルを踏んでも加速しない
- 車の外に出ると「甘い」臭いがする
などの症状が出ます。
オーバーヒートを起こしたと思ったら、まずはボンネットを開けて「リザーバータンクの冷却水残量を確認」しましょう。
空になっていたらエンジンをすぐに止めてエンジンを冷やします。
この時にラジエーターキャップを外すと沸騰した水が噴き出してきますので注意して下さい。
近くに水道があるなら応急処置として水道水を入れておいてもいいでしょう。
冷却水にクーラントを入れないとどうなる?
先のように冷却水が漏れて空になってしまった場合も含めて、冷却水にクーラントを入れなかったどうなるかというと、一時的なことであれば何も問題ありません。
ただ、そのまま1年中ずっと水道水であった場合は、
- 冬に凍結の恐れがある
- 錆が発生する恐れがある
というようなトラブルに繋がります。
ラジエーターの修理は基本的に数万円単位と高額です。
そうならないために、冷却水には規定のクーラントを入れておきましょう。
冷却水のリザーバータンクが2つある?
「自分の車は冷却水のリザーバータンクが2つあるけど」という方もみえるかもしれません。
お車はトヨタ・プリウスなどのハイブリッド車ではありませんか?
その場合、エンジン冷却用とインバーター冷却用の2つのリザーバータンクが付いています。
(通常のエンジン冷却用のリザーバータンク)
(インバーター用の冷却水リザーバータンク)
上の写真はトヨタ・プリウスです。
基本的に、こちらはスーパーLLCですから自分でメンテナンスは必要ないですよ。
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まとめ
車の冷却水ですが、最近の普通車だと「スーパーLLC」が入っていることが多いので、
- 日常点検で行う交換は、ほとんど必要ない
- 色を混ぜる(継ぎ足し)は性能を落とす
ことに繋がります。
昔からの「赤」と「緑」のロングライフクーラントと同じ考えの方も結構いらっしゃいますが、この点は要注意ポイントです!
自分の車にどういったクーラントが入っているか確認してくださいね。





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