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拉致と誘拐の違いは?様々な角度から解説!

新聞やテレビ、ネットを見ていても世の中にはたくさんの物騒な事件が起きています。

そんな中でも拉致や誘拐はいつどんなタイミングで身近に起きえるか分からないおぞましい事件です。

では、拉致と監禁ではどういった違いがあるのでしょう?

なんとなくの感覚的な印象から法律的な定義まで、様々な角度から調べてみました。

 

 

イメージとしての拉致と誘拐

拉致と聞いて思い浮かぶのが、某国工作員による拉致事件や某宗教団体が関与する失踪事件などです。

一方、誘拐となると身代金目的での幼児誘拐などが思い浮かびます。

どちらも連れ去られ、それまでの生活を剥奪されるということには変わりはないのですが、比べてみると、拉致は国際的や集団的な組織犯罪、思想犯罪な要素が感じられ、誘拐は単独または少人数による営利目的な犯罪のように思えます。

また連れ去る手法も、拉致は暴力や脅迫などを伴う強制的なもので、誘拐は甘い言葉や詐欺的な感じがします。

では辞典的な意味はどうなっているのでしょうか?

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国語辞典的な拉致と誘拐

辞典をいろいろ引いてみるとだいたいこんな意味が載っていました。

  • 拉致・・・無理矢理に連れて行くこと。
  • 誘拐・・・騙して人を連れ去ること。

二つの意味を比べてみると、連れ去る目的による区別はないようです。

個人的な恨みであろうが、政治的な理由であろうが、金銭目的であろうが、あるいはわいせつ目的であろうが、拉致は被害者の意思に反して強制的に連れ去ることであり、誘拐は嘘や誘惑を用いながらも自らついてくるように仕向ける行為ということになります。

こういうことからも拉致に比べ誘拐は分別の付きにくい子供が被害者となるケースが実際に多いです。

さらに拉致は強制を伴うので、その後は逃げ出さないための監禁が必須となります。

誘拐の場合は被害者が騙され続けている限り、強い拘束をされないまま過ごすこともあるそうです。

では法律的な用語ではそれぞれどういう解釈なのでしょう?

 

 

法律用語としての拉致と誘拐

実は刑法においては拉致という言葉は存在しません。

拉致は略取といわれ「暴行・脅迫が絡んでの強制的な連れ去り」という意味となります。

総称として略取・誘拐罪と言われますが、暴行・脅迫を伴った連れ去りか、騙したり誘惑による連れ去りかで略取と誘拐を区別しているようです。

そして刑法の場合、略取か誘拐よりも目的や対象によって処罰が分類されています。

  • 未成年者略取及び誘拐罪(刑法224条)…対象が未成年である場合
  • 営利目的等略取及び誘拐罪(刑法225条)…強制労働などの利益目的、わいせつや結婚も含まれる。
  • 身の代金目的略取及び誘拐罪(刑法225条の2)…上記の営利ではなく、単に身代金を要求した場合。
  • 所在国外目的略取及び誘拐罪(刑法226条)…国外に移送することを目的とした場合。
  • 被略取者等所在国外移送罪(刑法224条の3)…対象が国外に移送された場合。

対象が未成年の場合は、例え本人同意のもとの駆け落ちであっても罪に問われることがあるらしいです。

警視庁のまとめによると「第二次世界大戦以降に発生した身代金目的の誘拐事件で、身代金搾取に成功したものは1件もない」とのことです。

 

最後に

今回は拉致と誘拐の意味の違いを様々な角度から掘り下げてみました。

犯罪という重いテーマでしたがいかがでしたか?

おそらく皆さんのまわりには被害者となる方も、反対に加害者もいないとは思います。

よって刑法的な解釈は馴染みがないと思いますが、ニュースで見かける言葉としては国語辞典的な使われ方をしているようです。

このような意味の違いを知ることによって認識が深まり、犯罪そのものの減少につながればいいと思う今回のお話でした。

以上、「拉致と誘拐の違いは?様々な角度から解説!」でした。

 

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