注文住宅の間取りで「吹き抜け」は人気があります。
2層吹き抜けの空間は開放的で明るく、心地が良いのは誰しもが思うところ。
しかし、そんな吹き抜けのある家に住んでいる方に話を聞くと「吹き抜けは冬が寒い」なんて話をよく聞きます。
あなたもそんな話を聞いたり体験したことはないでしょうか?
実際、吹き抜けのデメリットとして「暖房(冷房)の効率が悪い」というのはよく聞く話で、それを理由に吹き抜けを断念する方もみえます。
しかし、実際に私が接客をしていると「やっぱり吹き抜けは良いな」という皆さん声を揃えておっしゃいます。
まあ、見ちゃうとやっぱり素敵なんですよね(笑)
そうなってくると「吹き抜けは欲しい!でも寒くならない方法は無いの?」ということが気になります。
というわけで、今回は吹き抜けの住宅でも快適に過ごすための「吹き抜けの暖房対策」をご紹介したいと思います。
吹き抜けの暖房(冷房)効率について考える!
まず、吹き抜けは冬であれば暖房の暖気が吹き抜けの上部に抜けてしまい、夏の冷房も常に上方向に空気の流れができるので、冷暖房の効きは悪く感じてしまいます。
そのため一般的な対策としては「シーリングファン」で空気を循環させるのが効果的と言われています。
ただ、そんなことは吹き抜けの家に住んでいる方も皆さん行っているわけで、それでも冬が寒いわけですから「シーリングファンの取り付けだけでは不十分」ということが言えます。
そもそも、なぜ吹き抜けの家は冬に寒いのか?
じつは「吹き抜けを作るから寒い」というのは語弊があります。
ここ最大のポイントですが、暖かい空気は上がっていきますが「暖かいまま」であればシーリングファンで空気を下に送れば部屋全体の温度は上がるはずです。
しかし、そうならないということは「暖まった空気が冷えている」ということになります。
つまり、冬に寒いのは吹き抜けのせいではなく「気密性や断熱性が不十分」ということが原因なのです!
吹き抜けの家を建てるなら「暖房(冷房)効率を上げる」こと!
なぜ暖まった空気が冷えるのかというと一番わかりやすいのは「窓(サッシ)」でしょう。
冬に部屋の窓を見ると「結露」が出来ます。
これは外気で冷えた窓に部屋の暖かい空気が触れて結露を起こすわけですが、この時に「熱を奪う」んですね。
つまり、冬の外気に触れる「窓・壁」の断熱性を上げなければ、暖房をかけてもドンドン熱は奪われるということです。
そして、吹き抜けにするということは1階だけではなく「2階の窓と壁」からも部屋の温度(熱)を奪うので、当然吹き抜けの無い家よりも部屋の温度が下がるのは早くなります。
こういった気密性・断熱性の考え方や工夫は、本州よりも寒い北海道の方が進んでおり、実際に吹き抜けでも十分部屋が暖かい造りの家はあります。
一般的に言われる温かい空気が上に流れる「対流」も原因の一つではありますが、根本的な問題は「気密性・断熱性」にあるんですね。
少し話をまとめると「これから吹き抜けのある家を建てる」なら、シーリングファンや暖房器具で部屋を暖めることよりも、まずは断熱性能を考えることが大切ということです。
具体的には、
- ペアガラス(断熱ガラス)の採用
- 断熱サッシの採用(サッシからも熱は逃げる!)
- 断熱材を厚くする
- 内窓の取付け
などが一般的に考えられます。
ただ断熱対策は「地域の環境」も考慮すべきなので、まずは家を建てる業者さんに相談してくださいね。
すでに吹き抜けのある家にオススメの暖房対策!
吹き抜けの暖房(冷房)効率を上げるには「まずは高気密・高断熱にする」ことがお勧めです。
しかし、これらをリフォームで行うのは現実的に厳しいです。
「じゃあ、吹き抜けの暖房対策は家を建てる前じゃないと出来ないの?」というと、方法がゼロではありません。
というわけで、家を建てた後から行う吹き抜けの暖房対策としてオススメなのはこちらです!
定番は「床暖房」で足元から暖める!
吹き抜け空間の暖房対策の定番は「床暖房」です。
実際に床暖房の家にいると足の裏からポカポカして他の暖房が必要ないくらい暖まります。
ただ、床暖房は床に直接接する過ごし方をしないと温かさを味わえません。
西洋的なイス文化だとメリットが限られてしまいます。
「ウチは普段ソファの生活なんだけど効果的な対策ないの?」と言われると…
あるんです!
じつは私が一番お勧めしたいのは「床下吹き出しのエアコン」の設置です。
「床下吹き出しのエアコン」だとソファに座っていても暖かい!
最近はエアコンを床下に設ける方法もあります。
床下吹き出しエアコンは、その名の通り床下を暖めます。
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「床下暖めて効果があるの?」と思われるかもしれませんが、床下を暖めることで「輻射」という熱の伝わり方になります。
分かりやすいのは「昼間の日差しの強かった夏の夜!」
夜中まで蒸し暑くて寝苦しいですよね。
あれは、昼間に太陽で外壁や屋根が暖められて、夜になっても熱を発しているので部屋の中が暑くなるのです。(これを輻射熱や放射熱と言います)
つまり、冬の寒い時にエアコンで床下を暖めることで夏の外壁同様に「輻射熱の効果が得られる」ということなんです。
吹き抜け空間を設ける場合には一番おすすめです。
おわりに
いかがでしたか?
吹き抜けの住宅は開放的で人気ですが、冬は寒いと言われます。
でも、それは吹き抜けが問題というよりも「気密性や断熱性が不十分」ということが考えられます。
また、すでに吹き抜けの家に住んでいる方も「床下吹き出しエアコン」はお勧め!
床下全体を暖めるので「床暖房はリビングだけだからキッチンの床は冷たい」というようなこともなく、床全体を暖めてくれます。
最後に、建築のデザインは環境のことも合わせて考えることが大切です。
お客様の反応を見ていても「デザインを取るか?光熱費を取るか?」の二者択一のようになっているように思えます。
「デザインはいいんだけど寒いから」
「光熱費は安いけどつまらない」
ではなく「デザインと環境を合わせて考えること」が注文住宅で失敗しないために大事なことだと思います。
以上「吹き抜けの暖房効率が悪い原因は?暖まらないのにも理由がある!」でした。
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