先日、賃貸で「子供も中学生になって部屋が必要だから広い部屋に引っ越したい」というお客様がみえました。
ただ、最近の賃貸は2LDKくらいのサイズが多く「3LDK以上」だと、分譲賃貸や借家も含めて正直それほど物件数はありません。
他の店舗でも同じように物件がないと言われたみたいで「建売でもいいから家が買えればな」とポロリとおっしゃっていました。
ちなみに、このお客様の希望エリアで新築建売を探すと「安くても2,000万円」はします。
このお客様は「年齢40歳 / 年収300万円台 / 現在の家賃63,000円」でして「年収300万円台で2,000万円の住宅ローンを組むのは怖い」ので、賃貸で部屋探しをしていこうと考えているだそうです。
そこで私が「中古住宅は検討していないんですか?」と聞くと、なんとなく中古住宅は嫌だとのこと。
「そ、そんなボンヤリした理由で中古住宅を選択肢から外すのは勿体なさすぎる!」
たしかに中古住宅にはデメリットもありますが、私はそれ以上にメリットは強力だと思っています。
というわけで、今回は「中古住宅のメリットについて」お伝えしていきましょう!
中古住宅の2つの大きなメリットとは?
新築と中古住宅を比較した際に、中古住宅には「2つのメリット」があります。それは、
- 新築よりも購入費用が抑えられる
- 新築では買えない立地(エリア)で購入できる
という2点です。
新築の家は買えなくても「中古住宅」であれば買える!
まず中古住宅は、購入費用以外にリノベーションやリフォームの費用も発生します。(リフォーム済みの物件もあります)
ですが、そういったリフォーム費用などを考えても、当然新築よりも購入コストは下がります。
仮にAさん「年齢40歳 / 年収300万円台 / 現在の家賃63,000円」が、新築建売で2,000万円の家を購入しようとするとしましょう。
2,000万円を35年(金利2.0%)で住宅ローンを組むと、月々の支払いは「66,000円程度」になります。
この時点で現在の家賃を上回っており、さらに税金(固定資産税など)も支払うことを考えると、やはり新築購入は厳しそうです。
しかし、中古住宅で1,000万円を20年(金利2.0%)で組むと「月々50000円程度」になります。
これに固定資産税(年間7万円程度)を考えても、住宅ローンの年数も短い上に現在の家賃よりも支払いは安く済みます。
他にも火災保険などの支払いもあるので油断は禁物ですが、Aさんのケースだと新築は無理でも中古住宅であれば「持ち家生活」が出来るわけです。
中古住宅なら人気のエリアで家を持てる!?
また、古い家というのは「立地が良くて広い」ことが多いので、これは中古住宅購入の大きなメリットになります。
というのも、お客様が家を買って後悔することで「立地(エリア)」が理由になることは結構あります。例えば、
- 通勤が不便すぎる
- 治安が思ったよりも悪かった
- 騒音がうるさい
- 風向きで臭いがする
など、購入する時は「予算の関係もあるし、住んでいれば慣れるでしょう」なんて思っていたけど、結局上記のような理由で売却する方も実際にみえます。
これらは「自分でどうにか出来る問題ではない」ので、心が折れてしまうのでしょうね。
でも、家が不便ということであれば「最悪リフォームすればよい」と思えるので我慢はしやすいです。
予算の関係で「立地を妥協して」新築を購入すると後悔して結局売却することになるかもしれないので、私は希望の立地(エリア)で中古住宅を購入するのは選択肢の1つとして考えておくべきだと考えます。
中古住宅なら「憧れのブランドの家」に住めるかも!?
さらに中古住宅であれば、新築建売を購入するくらいの予算で大手ハウスメーカーの注文住宅の家が買えることもあります。
実際に私の知人が中古住宅を購入したのですが、前の家主は弁護士で「かなり家にこだわりがあった」のだと思います。
天井も高くて部屋数も10部屋あり、見るから造りもしっかりしています。
「新築で買ったら1億近くするんじゃないの?」という家なのですが、これが私が新築建売を購入した費用とほぼ同額で買えたらしいのです。(私の家が3800万円で、知人は3500万円だったそうです)
学区が変わってくるので私が購入することはありませんが、それでも単純に家だけで見れば「中古住宅でも問題ないどころか、むしろ羨ましいよね!」というレベル。
ですから、家の購入を検討する際に「中古住宅のデメリット=古い・汚れている」というイメージで選択肢にすら入れないのは本当にもったいないと思います。
予算が厳しくて家を諦める前に「中古住宅」を検討しましょう!
というわけで、冒頭のお客様Aさんも「中古住宅もアリかもしれないね」という話になり、ウチの売買部門の営業担当を紹介しました。(私は今は賃貸部門なので)
「賃貸で部屋探し」をしている方の話を聞くと、今回のAさんのように「お金が無いから」と初めからマイホーム購入を諦めている方は結構みえます。
新築で住宅ローンを組もうとすると大変かもしれませんが、中古住宅だと1000万円以下で販売されている物件もあります。
リフォームは大変かも知れませんが、自分でDIYするというのも予算を抑える1つの手ですね。
中古住宅で後悔しないために!見えない所を要チェック
中古住宅を購入する上で「見えないところのチェック」は超重要です。
なぜなら中古住宅を購入した後に「瑕疵(欠陥など)」が見つかりトラブルに発展することが多いからです。
実際によくある失敗例としては、
- リフォームが綺麗だったので安心していたが、住んでみたら雨漏れが起こった
- 「白アリはいない」という話を鵜呑みにしていたら羽アリが大量に出てきた
など、屋根裏や基礎など「パッと見では確認できない箇所」の老朽化がひどいとこれから長く住む上でメンテナンスがかなり大変になります。
実際にこういった中古住宅購入後のトラブルが多いこともあって、2018年には宅建業法が改定されて「不動産業者はホームインスペクションの説明を行う」ことが義務化されました。
※ ホームインスペクションとは「専門家による住宅診断」のことです。
というと、そうでもないので注意してください。
ホームインスペクションの実施が義務化されたわけではない!?
この点を勘違いされている方もみえるのですが、ホームインスペクションは「実施が義務化されたわけではない」のです。
では一体何がどうなったのかというと、
- 不動産業者がホームインスペクションとは何か説明を行なう
- ホームインスペクションが実施済なら「その調査結果を報告」する
- 口頭では無く「書面で」売主と買主が建物の状況について確認する
という「説明や報告の義務」が加わったということ。
そのため「ホームインスペクションの説明は受けたけど費用が掛かるからやらない」ということで、売主と買主が合意すればホームインスペクションは無しでも構わないのです。
というと「その通り」だと思います。
そのため、現状としては「売主や不動産業者向けに住宅診断(ホームインスペクション)を提供する会社」が増えているのですが、それはそれで注意すべき点があります。
ホームインスペクションの「調査報告」は要確認すべき!
不動産会社としても「ホームインスペクション済みの中古住宅の方が売りやすい」ですから、それをセールスポイントにしている会社も多くあります。
ですが、買主は「しっかりした調査報告が知りたい」のに対して、売主や不動産業者は「ホームインスペクションの費用は安く済ませたいのが本音」でしょう。
そのため、売主や不動産業者が行うホームインスペクションは「調査内容が最小限のものに絞られて価格が安く抑えられたもの」であるケースもあります。
買主としては「ホームインスペクションが済んでいるから安心ですよ」という言葉を鵜呑みにせず、床下や屋根裏など見えない部分が調査されているかはしっかりと確認しましょう。
その上で簡易的な調査しか行われていないのであれば「自分で業者に依頼する」のも検討すべきです。
15万円くらいの費用は掛かりますが、あとで「シロアリ出てきて最悪!」とか思わなくて済むのであれば奮発しても良いのではないでしょうか。
ここがポイントです!
- ホームインスペクションは「簡易バージョン」もあるので調査報告は要確認すべし!
- 屋根裏や床下など「見えない部分」が調査されていないのであれば再度申し込むべき!
ホームインスペクションの調査報告を「売り」にしている不動産会社も最近は増えてきました。(大手含む)
ですが購入した中古住宅に長く住みたいなら、見えないところ(柱や基礎、雨漏れの有無)の状態確認が重要です。
実施されたホームインスペクションの内容にはきちんと目を通し、分からないことや納得できない状態で購入に踏み切ることが無いようにしましょう。
中古住宅のリフォームは「補助金」が出るケースもあるよ!
中古住宅を購入するなら「リフォームやリノベーションも一緒に考える」事が多いと思います。
補助制度を利用すれば「リフォームの予算を抑える事が出来る」ので、事前にチェックしておくことが大切です。
どうやってリフォームの補助金制度を調べれば良いの?
中古住宅を購入する不動産業者に確認すれば教えてくれるかもしれませんが、出来れば「自分でも調べる」のが間違いありません。
こういったリフォームの補助制度は「国・都道府県・市町村」で設けられているので、自分が中古住宅を購入する地区名を踏まえて「リフォーム・補助金・地区名」などで検索するとヒットすると思います。
そして何かしら該当しそうな内容があったら、実際に市役所や役場に問い合わせしましょう。
予算が組まれていたり、審査申し込みの期限が設けられていたり、併用できないケースもあるので実際に確認することは大切です。
リフォームを行うと「減税」になることも!?
またリフォームを行うと税金が安くなるケースもあります。
「耐震・バリアフリー・省エネ・長期優良住宅化・同居対応」で該当する規模のリフォームを行なうと以下の3つの減税が適用されます。
- 所得税の控除
- 固定資産税の減額
- 贈与税非課税の特例
注意したいのは「自己申告制」なので、確定申告をしなければいけません。
「会社で年末調整してるから」と何もしないと余分な税金を払うことになるというわけですね。
中古住宅を購入する際に限らずの話ですが、リフォームを行う機会があるのであれば「補助金や助成金、減税などでコストが下がるかもしれない」ということは忘れないようにしましょう!
ポイント!
- 中古住宅購入時のリフォームに適用される「補助制度」は要チェック!
- リフォームをすると減税になる事も!但し「自己申告制」なので注意して!
中古住宅購入の動機も色々ですが「出来るだけコストを下げたい」という気持ちは新築を購入する方よりも強いかもしれません。
そのため、意外と補助金制度など「不動産業者が教えてくれなかった」などでクレームになることもありますが、結果どうにもなりません。
損したくないなら「自分でも調べる」方が間違いありません。
おわりに
今回は「中古住宅の購入について」お伝えしてきました。
もちろん家の状況や立地によって一概に言えないこともありますが、一般的に
- 購入費用が安く抑えられる
- 良い立地(エリア)で購入できるかもしれない
というのは中古住宅購入のメリットとして考えられます。
また、中古住宅のデメリットとして「古い・ボロい」が挙げられますが、自治体によっては補助金が出たりするのでリフォームも行いやすいのではないでしょうか?
むしろ、新築では到底変えないエリアを広い土地で購入できるのであればメリットの方が遥かに上回っているとも思います。
そう考えるとマイホーム購入で中古住宅を検討する価値は十分ありそうです。
以上「中古住宅を購入して良かった!無理して新築にしなくて正解だった?」でした。
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