地名に「池や川などの水を表す言葉」が入っている土地は買わない方がいい。
こんな話を聞いたことはないでしょうか?
じつは地名には自然災害を示唆する漢字があり、例えば「池」「川」「沼」「沢」などの水を表す漢字は、
- 池や川を埋め立てた土地
- 水害の多い土地
ということが分かるように「あえて地名に水を表す漢字を入れた」と考えられます。
一般的に池を埋め立てたような場所は「地盤が安定するのに50年はかかる」ので買わない方がいい土地だと言われます。
今回はそんな「ちょっと注意したい買わない方がいい土地」についてお伝えしていきましょう。
買わない方がいいかも!購入する前に注意すべき土地は?
私たち不動産業者はとにかく売り地を出さないと話にならないのですが、それでも心の中で「この土地大丈夫かな?」と懸念することはあります。
例えば、私なんかだと「以下のような土地」は正直気になります。
資産価値が下がる土地を選んでしまった!?
いずれ売却も視野に考えているなら「立地」は土地選びで最大のポイントになります。
交通アクセスや商業施設などの住環境は要チェック!
ですが、今後もっとも注意しないといけないのは「立地適正化計画」と言われています。
立地適正化計画とは、コンパクトシティを目指して「生活に必要な機能を街の一部に集約させる計画」のことです。
上図で簡単に解説すると、家を建てることが出来る市街化区域の中でも
逆に言うと、居住誘導区域から外れた場所は「今後は開発が進まない」と考えられるので、土地の資産価値は上がらない(もしくは下がる)と考えられます。
ですから、これからの土地選びでは「必ず調べておきたい重要ポイント」なのです。
立地適正化計画はどこで調べることが出来るの?
立地適正化計画は各自治体で進められていますので、市役所などに問い合わせれば詳しく聞くことが出来ます。
ただし、まだ計画が進んでいない自治体もあるので注意が必要です。
その場合は「土地を購入した後に居住誘導区域から外れる」こともあるので先読みする必要があります。
基本的には今の交通インフラなど活かす方向で計画されるので、資産価値を重視した土地選びを考えるなら「交通の利便性が良い場所」がやはり固いです。
傾斜地の造成は「盛土」に注意!
一般住宅も平地ばかりではないので、傾斜地を造成することがあります。
上図の緑破線が元々の地形ですが、盛土の部分は高さが足りないので土を足し、切土は高さを合わせるのに土を削った形になります。
こういった場合、切土は元々の地盤を削るので強度に問題はありませんが、盛土は新しい土を足すので地盤の強度面では心配が残ります。
もちろん強度を増すために転圧をかけますが「それでも擁壁から1mくらいの場所は転圧不足になりがち」なので、住宅用地を購入する際には注意したいポイントです。
水を表す文字以外にも「気を付けたい漢字」があります!
冒頭で紹介した水を表す漢字以外にも「地名に含まれていたら気を付けたい漢字」はあります。
まず災害を懸念する漢字として代表的なのは以下の2つ。
- 龍(竜)…川の氾濫・水害
- 蛇…土砂崩れ・土石流
これは災害の状況を漢字に例えたと言われていますので、地域に山や川などがあれば「以前災害が起こった」可能性が高いです。
洪水や土砂崩れの危険度に関しては、市町村の「ハザードマップ」で確認できます。
また、国土交通省のハザードマップポータルサイトでも調べることが出来るので気になる土地はチェックしておきましょう!
地目で「池沼」は要注意!
地目とは「土地の現況や使用目的を表す名称」のことで、宅地や田・畑など全23種類に分けられています。
また、地目には
- 登記地目 … 登記上の地目
- 現況地目 … 現況の地目
があり、例えば登記上の地目は「畑」でも、現況は「宅地」というような場合もあります。
そして、この時に注意したい地目が「池沼」です。
登記地目が池沼でも地目変更して宅地とすれば「家を建てる事は可能」です。
しかし、先程の水を表す漢字同様
- 地盤が緩いのではないか?
- 水はけが悪いのではないか?
ということは心配です。
こういった軟弱地盤が懸念される土地の状況を調べるには、以下のサイトが便利です。
地盤の強度をチェックしたい時に便利なサイト
地盤について調べたい時は、こちらのサイトをまず見てみましょう。
どちらも地盤のことが分かる便利なサイトですが、どんな感じか「地盤サポートマップ」の画面を参考にキャプチャしました。
場所は「愛知県名古屋市」から名古屋駅周辺の地盤を調べてみました。
地耐力は「○の色」で判断できるのですが、パッとピンクだらけで名古屋駅周辺は地盤がそんなに強くないことが分かります。
さらに詳細をチェックすると、
参照元:地盤サポートマップ
地震時は「揺れやすく」液状化の可能性も「やや高い」となっています。
中部地方は「東海地震・南海トラフ大地震」がいつ来てもおかしくないと言われておりますが、これを見て正直「名古屋駅ヤバイじゃん」と思いました。
環境面から買わない方がいい土地もある!?
ここまで地盤を中心にお伝えしてきました。
しかし、他にも買わない方がいい土地として「目に見えない環境面の問題」もあります。
いくつか見ていきましょう!
綺麗な分譲地も「以前は何が建っていたのか?」は要チェック!
あまり縁の無い土地を買う場合は「以前に何が建っていたのか?」は、チェックしたポイントです。
例えば、綺麗に造成された分譲地も元は大きな工場が建っていたのであれば土壌汚染も心配です。
また、先ほどの「塚」が入る地名のように、もとは戦死者を埋めていたというのは気になる方も多いのではないでしょうか?
ハウスメーカーでは家を建てる前に地盤調査など行ってくれますが、基本的には「そこに家を建てて問題ないか?」のチェックです。
環境面のことは「聞かれなければ答えない」という会社も少なくないので、自分たちでも現在住んでいる方達に聞き込みするくらいの意気込みで臨んでも良いと思います。
景観が良かったのも3年!目の前にマンションが建設された!
これはよく聞く失敗談ですが「目の前が空き地で見晴らし最高だったのに、突然マンションが建って何も見えなくなった」というケース。
この対策としては、土地を購入する前に「用途地域」を確認しましょう。。
用途地域とは「建築できる建物の種類や制限のルール」のことです。
例えば、第1種(第2種)低層住居専用地域であれば高さの制限は10mもしくは12mと制限されます。
しかし、これが第1種(第2種)住居地域であれば「大型マンションやホテルも建設可能」となるので、大きな空き地や駐車場はまさにマンション建設では狙い目となります。
用途地域はかなり重要!
用途地域 | 快適度 | 特徴 |
第一種低層住居専用地域 | ☆☆☆☆☆ | 住環境に優れている |
第二種低層住居専用地域 | ☆☆☆☆☆ | ↓ |
田園住居地域 | ☆☆☆☆☆ | ↓(農業の利便を図りつつ、良好な低層住宅の環境を保護する地域) |
第一種中高層住居専用地域 | ☆☆☆☆ | ↓(マンションなどが建設可能になる) |
第二種中高層住居専用地域 | ☆☆☆☆ | ↓ |
第一種住居地域 | ☆☆☆☆ | ↓ |
第二種住居地域 | ☆☆☆ | ボーリング場やパチンコ店など大きめの商業施設が建設されることも |
準住居地域 | ☆☆☆ | ↓ |
近隣商業地域 | ☆☆ | ↓ |
商業地域 | ☆ | キャバレーなど夜のお店も建設可能に |
準工業地域 | ☆ | 環境の悪化が心配される工場が建つ可能性も |
工業地域 | ☆ | ↓ |
いろいろ種類があって難しく感じますが、とりあえず「第一種・第二種低層住居専用地域」以外はまわりに何が建つか調べましょう。
マンションや大型施設、会社や店舗などが建設されるかもしれません。
ここも市役所に行けば教えてくれますよ!
そういう経営方針が嫌で辞めましたが、法的に問題が無ければ販売に不利な情報は聞かれない限り言わない会社はあります。
ですから、土地(家)の購入は自分たちでも勉強することをお勧めします。
旗竿地は買わない方がいい土地なのか?
旗竿地は嫌という方が多いですが、個人的には買わない方がいい土地とまでは思いません。
というのはデメリットもありますがメリットもあるからです。
売却する時は相場の4割程度は安くなる!?
旗竿地は「2~3割相場よりも安く購入できる」と言われています。
しかし、売ると時は4割ほど安くなるとも言われています。
これを今も現役で不動産業界で働く営業マンとしての意見を言えば、やはり旗竿地の中古住宅は「売れにくい」ところがあります。
また、家を解体して土地だけで売るにしても「解体工事も割高」になります。
つまり、旗竿地は購入時は安く済みますが、
- 家を売却したい時
- 大型のリフォームや家を解体する時
は、後ほど大変になりやすいので注意が必要です。
また、私は建て売りでしたが土地のみを購入してハウスメーカーで家を建てる場合も注意が必要です。
注文住宅のハウスメーカーではプランが制限されることも!?
まず、ハウスメーカーで注文住宅を依頼すると好きなように家を建てれると思っている方も多いです。
でも、じつはハウスメーカーの注文住宅は完全な自由設計ではなく、プランや取り扱い建材から「選んでいく」という感じになります。
そのため土地の形状や建築方法によっては「家の内容が制限される」こともあります。
また、土地の購入費が安いといっても「電気や水道などのライフラインの引き込み」は数十万円単位で高くなります。
この点も旗竿地に家を建てる予定の方は注意したいところですね。
旗竿地は購入時は安いですが「売却時も安く」なります。
また工事全般(家を建てる、リフォーム、解体など)でも「費用が割高になる」可能性があります。
他にも防犯や日当たり、駐車スペースなど考えるポイントはあります。
こういったデメリットを踏まえて問題がなければ、旗竿地は買って良いと思います。
おわりに
今回は「買わない方がいい土地」についてお伝えしてきました。
内容をまとめると、
- 地域名に「水を表す感じ」また「龍・蛇」などは、地盤に不安が残る
- 地盤の強さはネットで調べることもできる!
- 環境面については業者に任せず「自分」でも調べる!
- 旗竿地はメリットもデメリットもある
ということがありました。
土地は造成して綺麗になっていればよく見えるものですが、大事なのは「目に見えない部分」なのかもしれません。
これから土地選びや家を購入する方は、過去や周りの環境をよく調べてみることをお勧めします。
以上「買わない方がいい土地!これから土地を探す人は注意した方がいいよ」でした。
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