最近はメールでも資料づくりでもソフトが勝手に漢字変換してくれるので、頭を使わなくても難しい漢字を使った体裁のいい文章が簡単に書けるようになりました。
おかげで若者の漢字離れも、少しは歯止めがかかったとも聞いたことがあります。
とはいえ小学生の頃は漢字が苦手だった人も多いと思います。
部首名や書き順など、結構面倒なことが多かったですよね。
そんな漢字のルールの中に音読み・訓読みというものもありました。
漢字の読み間違いは大人になると結構恥ずかしいものです。
では漢字の基本となる音読み・訓読みの見分け方について解説します。
音読み・訓読みの成り立ち
そもそもなぜ1つの漢字で音読みと訓読みがあるのでしょうか?
それは漢字の伝来に遡ります。
もともと日本人は文字を持たない民族でした。
そこに中国から漢字が入ってきて、諸説ありますが5~6世紀頃には文字として記す文化が根付いたようです。
ちなみに平仮名が出来たのはそのずっと後となる平安時代です。
音読みは中国から入ってきたままの音をもとにしています。
同じ漢字でも中国では時代により、呉音・漢音・唐音と読み方が変わるものもあり、日本に入ってきた時期でいずれかに収まったものもありますし、それぞれが生かされたものもあります。
例えば、「明」という字は、呉音では「ミョウ」、漢音では「メイ」、唐音では「ミン」です。
ただしそれらは日本人にとっては単なる音に過ぎず、コミュニケーションツールとしては不便な場合もありました。
そこで従来の日本語であった大和言葉(和語)をあてはめたものが訓読みとなります。
「明」でいうと「あか(るい)」と意味の通じる読みをあてはめたのですね。
音読み・訓読みの特徴
ではそれぞれの具体的な特徴は何でしょうか?
先ほど述べたように音読みは音であり、その音だけでは意味を成しません。
音読みは中国語をもとにしているので、中国語発音としての特徴があります。
まず文字にすると3文字以内です。
3文字の場合は2文字目が必ず「ゃ・ゅ・ょ」となります。
例えば、「着=チャク」、「中=チュウ」、「小=ショウ」など
2文字の場合、最後は必ず「い・う・つ・く・ち・き・ん」のいずれかになります。
例えば、「愛=アイ」、「優=ユウ」、「発=ハツ」など
なお「キャ」「シュ」などは音としては1つなのでこれに含まれません。
そして1文字は特に決まりがありません。
このルールからすると、
「順=じゅん」「本=ほん」は現代語としては意味が通じますが音読みとなります。
ちなみにそれぞれの訓読みは「順=したがう」「本=もと」です。
訓読みはそれ単体または送り仮名をつけて日本語として意味を成すものです。
ちなみに訓読みには外来語を漢字表記した際にも使われます。
例えば、「頁=ページ」、「煙草=たばこ」など
先ほど述べた音読みのルールに合っていても訓読みのものもあります。
音読み・訓読みの見分け方
残念ながら音読みと訓読みを見分ける絶対的な方法はありません。
最終的には漢字辞典を調べるしかないのです。
ただし以下の3つのポイントでおおよその見当は付きます。
意味が通じるか?
訓読みは意味のある大和言葉をあてはめた言葉なので、それ単体で意味が通じます。
ただし音読みでもいつからか現代では意味が通じるものとなった場合もありますので注意が必要です。
送り仮名がつくか?
「動く」「美しい」のように訓読みは送り仮名がついて意味を成す場合があります。
音読みに送り仮名は絶対に付きません。
音読みは3文字以下
「志(こころざし)」や「潔い(いさぎよい)」など4文字以上の読みをする漢字は少ないですが、これらはすべて訓読みとなります。
おわりに
結局のところ、完璧な見分け方は存在しないというお粗末な結果となりましたが、何となくの見分けはできそうな気がします。
単体でもややこしいのに熟語となると、音・訓の組み合わせ(重箱読み)や訓・音の組み合わせ(湯桶読み)があるのでさらに複雑ですが、これらを分析してみるのも面白いかもしれません。
以上、「音読み・訓読みの見分け方!」でした。
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