「なぜ新築一戸建ての仲介手数料を無料にするのか?」
他の仲介手数料を無料にする業者のサイトを見ると、
- 広告費などのコストを削減
- 高額なFC店に加盟しない
という企業努力を行うことで、仲介手数料を無料にすることに成功したと書かれています。
そうなんだと思いますが「わざわざ自社の利益を減らす理由」としてはピンと来ないかも知れません。
そこで今回は「なぜは仲介手数料を無料にするのか?」を語りたいと思います。
売主から直接購入すれば仲介手数料は必要ない!?
そもそも、不動産取引は仲介業者を介さず契約することも可能です。
そのため売主から直接購入すれば仲介手数料は掛かりません。
しかし、建売の新築一戸建てを購入する多くの方は「売主と仲介業者の違い」も分かっていないように感じます。
その状態で諸費用明細に仲介手数料を入れて「指摘されないから請求するのは違うんじゃないか?」と思うのです。
仲介業者の役割とは?
仲介業者の役割を簡潔にお伝えすると次の2つになります。
- 不動産取引のトラブルを防ぐこと
- 思惑の異なる売主と買主の調整役
不動産売買は高額な取引になることも多く、一般の方であれば「初めての経験」ということも少なくありません。
さらに物件を売りたい人(売主)と物件を購入したい人(買主)の思惑はそれぞれ異なります。
不動産取引の知識や経験も乏しく、思惑も相反する売主と買主の契約がスムーズに進むかというと難しいでしょう。
最悪はトラブルに発展して裁判沙汰になることも考えられます。
そういった不動産取引が安全かつスムーズに成立するように調整役として介入するのが仲介業者です。
新築一戸建ての売主は「業者」になる!?
しかし、建売の新築一戸建てや再生住宅であれば「売主は業者」です。
私たち仲介業者同様に宅建業の免許を持っている会社がほとんどで、不動産取引に関してもプロになります。
少なくても素人同士の契約だから起こるようなトラブルになることは考えにくいです。
手数料無料なら仲介業者から買った方が安心!
売主から直接購入すれば仲介手数料が掛からないなら「わざわざ仲介手数料無料の業者から購入する意味なくない?」と思っているかもしれません。
しかし、じつは大ありです。
なぜなら、売主と買主の思惑は相反するからです。
単純に初めてマイホームを購入する人が、今までに何棟も販売してきたプロと契約で渡り合えるでしょうか?
また、新築一戸建ての業者は「家を売る」ことが目的です。
そのため、住宅ローンも事前審査が通ればどこでも構わないので、どこの金融機関が良いとか悪いとかの提案は仲介業者ほど親身にはなってくれません。
というのも、仲介業者の目的は「契約を成立させること」です。
もう少し言えば、物件が成立することで仲介手数料が頂けるので物件はどこでも構まいません。
ですから、買主の希望に合う物件を提案しますし、契約に満足して貰えるように住宅ローンの提案も行うのです。
仲介手数料0円は小規模仲介業者の生き残り戦略!
次に仲介手数料無料業者が口を揃えて言う「広告費等のコスト削減」ですが、これは小規模の仲介業者にとっては本当に頭を抱える問題です。
ただ、新築一戸建てや再生住宅の購入を検討している方にとっては喜ばしいことだと思います。
ポータルサイトに依存している限り道がない!?
皆さんが家を買おうと思ったら、まず初めに何をするでしょうか?
たぶんスーモやホームズなどの不動産ポータルサイトを見て物件を探すと思います。
これは賃貸でも売買でも同じですが、不動産業界の集客は「圧倒的にスーモが強力」です。
しかし、いざスーモで集客しようとしても「同じ物件を複数の仲介業者が掲載する」ため上位枠の奪い合いになります。
また、上位枠に表示させようとすると「別途でオプション費用が掛かる」ので、集客のためのコストはどんどん上がります。
実際にスーモを利用して集客に成功している大手企業は、月に百万円単位で広告費をつぎ込んでいます。
そうなってくると予算を出せない小規模な仲介業者は太刀打ちが出来ません。
不動産仲介業は仕入れの要らない儲かるビジネス?
少し話が変わりますが「不動産仲介業は儲かる!」なんて話を聞いたことはないでしょうか?
不動産仲介業は仕入れの要らないローリスクなビジネスだし「ウチもやってみようかな?」という企業が後を絶ちません。
そのため都市部ではコンビニよりも仲介業者の件数の方が多いのです。
つまり、現在の不動産仲介業の実態は、
- 売りたい業者は多い
- 紹介できる物件数は限られている
- 広告先は限定される
ため、1つの物件を複数の業者が紹介しています。
しかし、それでも「センチュリー21」や「ハウスドゥ!」などのFC加盟店は増えていますから、私たち小規模仲介業者は益々スーモなどのポータルサイトで戦うのは厳しくなります。
そのため私たちはポータルサイトからの集客を離れ、仲介手数料が無料になるという「お客様のメリットを前面に出して」集客を行っているのです。
大手で買う安心か?実益を取るか?
スーモで広告掲載している会社は「テレビCMなども行う大手(もしくはFC加盟店)」が多いです。
そういった名前の聞いたことがある会社は「安心感がある」と思いますが、莫大な広告コストを掛けているため仲介手数料を無料には出来ません。
実際に大手で仲介手数料の割引を行うには、稟議にかけたりと大変なケースもあります。
例えば、住宅展示場にある大手ハウスメーカーは地元の工務店よりも高いと言われます。
それでもハウスメーカーで家を建てる方が多いのは、やはり安心だからだと思います。
新築一戸建てや再生住宅の購入では「仲介業者も選べる」ので、購入者にとっては良いことではないでしょうか?
【閑話】仲介手数料は高いのか?
よく不動産の仲介手数料は高いと言われます。
400万円以上の物件であれば「(物件価格の3%+6万円)×消費税」です。
これを売主と買主それぞれが支払うので、3,000万円の物件で両手取引(売主と買主の両方から手数料を貰う)だと手数料は200万円を超えます。
やはり仲介手数料は高いのでしょうか?
内容によっては3%の手数料は割に合わない!?
あくまで個人的な意見で言えば、建売の新築一戸建てや再生住宅の場合は「仲介手数料は高い」と言われても仕方がないと思います。
購入したい方はスーモなどで物件を決めて問い合わせしてくれますし、重要事項説明に必要な物件調査も「売主が業者」ですから楽です。
しかし、購入でも「〇〇のエリアで土地を探している」というような物件が限定されていない場合は、何度も土地を探して物件を紹介する必要があるので、時間も手間はかなり掛かります。
また、売却物件の仲介では
- 諸条件の整理
- 物件調査
- 価格査定
- 集客活動
- 条件交渉
- 重要事項説明
- 売買契約
- 決済
- 引き渡し
と、やることも多く、また調査にミスがあれば責任も負います。
そのため、場合によっては「今の仲介手数料の上限では割に合わない」と正直なところ思います。
これから仲介手数料の料率はどうなっていく?
そもそも仲介手数料は1947年までは自由に決めて良いものでした。
しかし、暴利を貪る業者が多かったため社会問題となり、紆余曲折を経て1970年に今の体制になりました。
そして、仲介手数料が定められてからは両手取引を狙った「物件の囲い込み」が問題となります。
とにかく利益追求に貪欲な業界で問題も後を絶たないわけですが、やはり50年前に定められた仲介手数料は今の時代に合っていないのかもしれません。
まとめ
WEBで仲介手数料が無料になる理由ついて調べると「何だか怪しい…」という意見を目にします。
とくにヤフー知恵袋なんかを見ていると、不動産業界のことを知らない方が「思いつきでメチャクチャなこと書いてないか?」というものまで見られます。
私たち自身が新築一戸建ての仲介で手数料無料というサービス行っているので、なかなか肯定する内容は信じて貰えないかもしれません。
仲介手数料を支払っても大手が安心という意見も分からなくはありませんが、仲介手数料が無料になれば同じ不動産を安く買えることは間違いありません。
その内容がグレーだったり違法なのかどうかは「それこそWEBで調べれば分かる」ことです。
以上「新築一戸建ての仲介手数料!これからは無料が当たり前かもしれません」でした。
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