売れ残りの建売は値引きが期待できると言われています。
実際にどうかと言えば、答えはYESです。
とはいえ、お値打ちに購入出来るのは嬉しいですが「どうして売れ残ったのか?」その理由は気になるところ。
ただ、私の経験則から言うと建売の売れ残る理由が物件に問題があるケースはそう多くありません。
むしろ、売れ残りの理由によっては値引きが大きい分お買い得物件になります!
建売住宅が売れ残ってしまう理由とは?
一概に建売と言っても、ハウスメーカーが手掛ける大規模な分譲販売のものから、住宅街の空いた土地に2、3棟建てて販売するケースもあります。
また最近では建売でもデザイン性の高いものから、設備等はシンプルだけど価格はお値打ちな物件と色々です。
売り出し方は様々ですが、売れ残りの建売の特徴を見ていくと理由は次のようなものが多くなります。
建売が売れ残る理由!第1位は「販売価格が高い」
売れ残りの建売を見ていると、同じエリアで販売されている物件と比べて価格が高いものが多いです。
例えば、平均的に3,000万円台で販売されているエリアで、1つだけ4,000万円だと割高に見えてしまいます。
もちろん価格相応にグレードが良くても「相対的に販売価格が高い」と売れ残る理由になるようです。
実際に3,000万円台の物件は飛ぶように売れているのに、4,000万円台、5,000万円台の物件ばかり売れ残っているエリアはありますね。
エリアに物件が多すぎれば当然売れない!?
売り出しされている物件が多すぎても売れ残る理由になります。
分かりやすいのはハウスメーカーが大規模な分譲販売を行うケースです。
何十棟と一度に販売されるので、すべて売り切れるまでに2年3年と掛かることもあります。
逆に3棟や4棟といった販売棟数が多くない現場で、売り出し価格が同じエリアの物件に比べて高くないのであれば1年以上売れ残るケースは稀です。
そもそもエリアに需要が少ない!?
また物件数が少なくても、そもそもエリアの需要が少なければ売れ残ることはあります。
例えば、駅から遠くてスーパーやコンビニも徒歩圏にないような場所だと、購入者は限られるのでなかなか飛ぶようには売れません。
意外と多い!キャンセルになり再販売される物件
意外と多いのが一度売れたのにキャンセルされて再販されるケースです。
- 住宅ローンの審査が通らなかった
- 親の反対を受けた
など理由は様々ですが、1ヶ月くらいしてまた売りに出されていることはよくあります。
新築一戸建ての建売なら「売れ残り=悪い物件」では無い!?
売れ残りの建売を買おうか迷っている方に必ず質問されるのが「どうして売れ残っているのですか?」というものです。
何か欠点や問題点があるから売れ残ったことを心配されているのだと思います。
例えば、分譲区画の中で売れ残る理由として考えられそうなのは次のようなことでしょうか。
- 日当たりが悪い
- 旗竿地で駐車がしにくい
- 北側道路
また、立地的な問題で「他物件と比較」して売れ残る理由としては、
- 工場や幹線道路が近くて騒音が心配
- 高圧線が近い
- 墓地などの嫌悪施設が近い
なども考えられます。
例えば、5棟現場で明らかに日当たりの悪い物件があれば、他は3,000万円台なのに日当たりの悪い1棟だけ2,000万円台で販売してお値打ち感を演出します。
人によってはマイナス要素も「それで価格が下がるなら嬉しい!」という方もみえるので、日当たりの良い物件よりも早く売れてしまうことは多々あります。
つまり新築一戸建ての建売の場合、マイナス要素が理由で売れ残ることは少ないです。
ただ、安い物件には理由があるので、その点は購入する際に理由をよく考えましょう。
売れ残った建売は買うべき?買わないべき?
私の経験則から言うと、新築一戸建ての建売が売れ残る理由は
- 販売価格が高い
- エリアに物件が多すぎる
- エリアに需要が無い
- キャンセルで再販された
上記4つのどれかということがほとんどで、物件に問題があって売れ残っているケースはあまり見かけません。
その上で当初の売り出し価格から値下げを繰り返されて、立地に問題が無ければやはりお買い得な物件になります。
売れ残り物件は「買うべきか?買わないべきか?」と聞かれれば、私は買いだと思います。
とはいえ、出来れば「1年以内の物件」が良いでしょう。
1年を過ぎると新築ではなくなる!?
新築は完成してから人が住んだことが無くても、建物が完成日と検査済証に記載されている日から1年が経過すると新築ではなくなります。
少しでも印象を良くしたいので「未入居物件」と呼んだりしますが、扱いとしては中古住宅になります。
物件資料も新築ではなく中古住宅と記載しなければなりませんから、言葉から受ける印象は変わってくると思います。
また、新築時にはあったメリットがなくなってしまうのはマイナス要素になるでしょう。
新築じゃないと保証が適用されない!?
新築住宅は引き渡しから10年間、事業者は瑕疵保証責任を負います。
具体的に、建物の構造部分(基礎・柱・梁など)に問題があったり、雨漏れがあった場合は保険金で補修して貰えます。
しかし、完成日から1年が経過して中古住宅になると、売主は10年間の保証を付ける義務はありません。
売主が宅建業者であれば、瑕疵担保責任を負う期間は「宅建業法で義務づけられる2年」ということが一般的です。
新築じゃないと税金の軽減まで適用されない!?
また、税金面も中古住宅になると新築よりも少し損してしまいます。
所有権移転に必要な登録免許税は、新築だと「評価額×0.15%」ですが、中古住宅は「評価額×0.3%」になります。
また、固定資産税の軽減(1戸あたり120㎡までを限度に3年間固定資産税が1/2)も、中古住宅になると受けることが出来ません。
物件が傷んでいないかチェックもすべき!
新築と言えども完成してから1年経過すると、湿気などの影響で傷みが出ているかもしれません。
そのため内見時は隅々までチェックすべきですが、なかなか自分で良い悪いを判断するのは難しいと思います。
その場合は「ホームインスペクション」をお勧めします。
ホームインスペクションとは、建物診断の専門家に住宅のコンディションや欠陥の有無を検査してもらうものです。
費用は一度の診断で5万円くらい掛かりますが、安心して購入出来る判断材料になると思います。
売れ残り物件は大幅な値引きをしてくれるのか?
売れ残って最終1棟になった物件は値引きしてくれるのかというと「可能性は高い」です。
というのも、販売会社としては1棟あたりの利益で計算しているわけではなく、1つの現場で判断しています。
そういった思惑が販売会社側にあるなら、仲介会社が内見の連絡をした時点で「●●万円値引きOKなのでお願いします!」というように教えてくれたりします。
ただ、販売当初から値下げを繰り返してこれ以上下げられないこともあるので、この辺りは仲介業者の担当者に探って貰うのが一番です。
値引きを期待して売れ残りを待つのはアリ?
売れ残った建売は販売会社としても早く売り切りたいので、値引きは出来る限り対応してくれることが多いです。
ただ、欲しい物件があるのに売れ残るのを待つというのは、あまり得策とは言えません。
というのも、販売されている建売を全体的に見れば「1年以内にほとんど売れてしまう」からです。
とくに、飯田グループホールディングスやケイアイスターグループ等のパワービルダーは、早い段階で値下げを繰り返し売り切ってしまいます。
とにかく価格重視ということであれば…
「物件はどれでも良いから、予算に合う物件を買いたい!」
ということであれば、どの現場でも必ず最期に売れる物件はあるので「最終1棟を狙う」のも手だと思います。
しかし、必ずしも最終一棟が最安値というわけではありません。
現場によっては明らかに他に比べて見劣りする棟が出来てしまう場合、1つだけ価格を下げて販売することは多々あります。
販売側としても「売れ残ってしまうと売りにくい」から、先に売り切ってしまえるような値付けにするわけですね。
ただ、やっぱり最終一棟はお値打ち感があるので、物件に気になるマイナス要素が無いのであればお勧めです。
おわりに
市場に出ている建売もパワービルダーが手掛けるものから、ハウスメーカーが販売する少し高いものまで色々あります。
その上で売れ残っている建売を見ると「販売価格が高い」ものが多く、実際にパワービルダーの建売で1年過ぎて売れ残っているのは販売総数から考えればかなり少ないです。
また、売り出し価格から値下げも繰り返し行われていることも考えれば、価格面に関しても申し分ないはずです。
私だったら売れ残りの建売は逆に狙い目だと思います。
ただ、1年以上売れ残ると新築ではなく中古住宅になり「保証や減税が変わる」というのは要注意ですね。
以上「建売の売れ残りは買っても良い?理由がコレならむしろ買いでしょう!」でした。
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