「賃貸の入居審査で落ちる割合はどれくらいなの?」
これから申込書を書くというタイミングで上の質問をされることが多いですが、いつも私は「目安としては10人に1人くらいですね」と答えています。(実際に店頭で接客してきた数字を元に考えていますから、結構正確な割合だと思います)
しかし、賃貸の入居審査は無作為に10人の中から1人が落とすというわけではありません。
入居審査に落ちる人には「落ちるべくして落ちる」という理由が存在します。
では、具体的にどういった人が入居審査に落ちる割合が高いのでしょうか?
理由が分かれば対策できることもありますから、賃貸の入居審査について詳しくみていきましょう!
賃貸の入居審査は、どこで何を審査されているのか?
まず入居審査はどこで行なわれているかというと、以下の3箇所になります。
- 仲介業者
- 家賃債務保証会社
- 貸主(物件オーナー)
最終的な決定権を持つのは貸主ですが、最近は家賃債務保証会社との保証契約が条件になっている物件が多いです。
また、仲介業者に審査の決定権はありませんが影響力はあるので、密かに注意しておかなければいけません。
仲介業者はココを見ている!?
仲介業者は部屋を紹介するのが仕事です。
しかし、紹介し入居者が後々トラブルを起こすと貸主の印象が悪くなり「部屋を仲介させて貰えなくなる」ことがあるため、仲介業者は来店者の「見た目や振る舞い」をよく見ています。
例えば以下のような方達は要チェックと判断され、場合によっては入店前から管理担当者に「あの人が自社物件だったらNGね」とダメ出しされることもあります。
- サイズの大きい外車や高級車に乗っている人
- 入れ墨やタトゥーのある人
- 態度が横柄な人
ただ、仲介業者は貸主と違って「入居希望者と直接会える」ので人柄が分かります。
仮にタトゥーがあっても、仲介業者の担当者が「感じの良い人でしたよ」と一言添えるだけで審査が有利に働くこともあります。
ですから、入居審査に落ちるんじゃないかと心配な方は「服装や話し方には気を付けて好印象を心掛ける」ことがポイントです。
賃貸仲介営業の裏話
ちなみに、トラブルを起こしそうな人が「物件指定」だとお断りすることもありますが、エリアで部屋を探しているなら大東建託など大手の賃貸物件を紹介します。
大手は客付け部門と管理部門が分かれているので「トラブルは起こった時に考えますからドンドン紹介して下さい!」という、仲介業者にとってはありがたいスタンス。
審査に関しても、次に解説する「家賃債務保証会社の審査が通ればOK」なので比較的緩めです。
家賃債務保証会社の審査のポイントは?
賃貸の保証契約は「連帯保証人型」と「家賃債務保証業者型」の2つがあります。
ですが、最近では家賃債務保証業者が提供する保証を利用するのが一般的です。
家賃債務保証会社の審査申込書には「氏名・住所・生年月日・連絡先・勤め先・勤続年数・年収など」の記入欄があり、審査申し込みと同時に「信用情報」がチェックされます。
家賃債務保証会社の審査内容は公開されていませんが、重視されるポイントは年収や信用情報などで「家賃が支払えるかどうか」です。
そのため、注意点として「年収があっても家賃と見合っていない場合は審査に通らない」可能性も出てきます。
家賃が手取り収入の1/3を越えると赤信号?
賃貸では家賃が手取り収入の1/3を越えると審査が厳しくなると言われます。
ただ、これも元となる手取り収入によって答えは変わります。
重要なのは「家賃を差し引いた手取り収入で生活出来るかどうか?」という点です。
そのため、この1/3ルールは低所得者ほど当てはまりやすくなります。
貸主の入居審査で注意すべきことは?
貸主である物件オーナーが最も重要視するのは「家賃の支払い能力」と思われがちですが、じつは入居希望者の収入よりも「人間性」を気にされます。
というのも、建物賃貸借契約では借主保護の観点から「トラブルを起こす入居者でも即刻退去させることは出来ない」のです。
また、トラブルを起こす入居者が原因で他の入居者が退去してしまっても困ります。
そのため、個人の物件オーナーさんだと年収や勤め先よりも「どんな人かを質問される」ことが多いです。
ちなみに、収入や勤め先など文句なしでも「貸主が怒って部屋を貸さなかった」というケースもありましたね。
しつこい値引き交渉で契約拒否に!?
これは実際にあった話ですが、先に別の店舗で部屋を見てきて希望物件も決まっているという方が来店されました。
「もう決まってるなら先の店で決めれば良いのに?」と思いつつ、とりあえず貸主に空室確認の連絡を入れると「あ~その人には貸さない!」と言うのです。
理由が分からないので貸主に話を聞くと「フリーレントを希望するのでつけて、その後に家賃も下げてというので下げた。そしたら次は敷金も下げろと言うので断った」とのこと。
たまにインターネットで「こんなに値切った」という話をみかけますが、それがどの物件でも通用するわけではありません。
また、要求の多い人は「入居後のクレームも多そう」なので、これは貸主NGも仕方がありませんでした。
入居審査に落ちる確率を少しでも上げるには?
ここまで入居審査に落ちる方の特徴もお伝えしてきましたが、基本的には
- 年収や勤め先など「家賃支払い能力」に関すること
- 服装や言葉遣いなど「トラブルを起こしそう」に見える
に分かれます。
前者に関しては「条件に合う物件を探す」ことになりますが、後者に関しては改善余地があります。
清潔感のある身だしなみを心がけて適切な言葉遣いをする。
これだけでも仲介業者から審査の後押しを得られる可能性が高まりますので意識しましょう。
住宅確保用配慮者に該当する場合
ちなみに賃貸の入居審査が通らない理由は教えて貰えないことがほとんどですが、住宅セーフティネット制度における「住宅確保用配慮者」に該当する場合も厳しくなります。
住宅確保用配慮者とは、住宅の確保に配慮が必要な
- 低額所得者(月収が15万8千円以下の世帯)
- 高齢者
- 障害者
- 被災者
- 子育て世帯(18歳未満の子供がいる世帯)
などに当てはまる方が該当します。
道徳的には住宅確保用配慮者の入居を拒むべきではないのでしょうが、貸主も生活が掛かっているので現実的にはシビアな面もあります。
そのため仲介業者で相手にされなくて困ることもあると思いますので「そういった時はどうすれば良いのか?」を、下の記事でお伝えしておきます。
まとめ
賃貸の入居審査に落ちる人には、以下の2つの特徴があります。
- 収入面や年齢などに問題がある(改善がむずかしい)
- 人間性に問題がある(改善しやすい)
冒頭で入居審査に落ちる割合は10人に1人とお伝えしましたが、上記に該当するのも「10人に1人くらいかな」とイメージは出来るのではないでしょうか?
また、入居審査も「改善しやすい問題とむずかしい問題がある」のは抑えておきたいポイントです。
審査自体は「貸主」と「家賃債務保証会社」が行ないますが、審査の権限自体はないものの入居希望者に直接会うことが出来る「仲介業者は影響力を持っている」ことも忘れないようにしましょう。
賃貸は貸し借りですから「俺は客だぞ」というノリはダメみたいですよ。
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