不動産に関わる問題はパッと思いつくだけでも色々あります。
「売買・相続・住宅ローンの滞納・隣地トラブル…」など色々ありますが、不動産屋に相談すれば全て解決できるというわけではありません。
実際には宅建業者も不動産取引において多くの専門家に協力を求めていきます。
では、不動産に関わる専門家にはどういったものがあるのでしょうか?
今回は不動産に関わる専門家についてお伝えしていきます。
不動産問題を解決する各専門家とは?
不動産に関する問題は、建築・法律・税金など多岐に渡ります。
まずは基本の不動産売買から解説していきましょう。
不動産売買なら「宅地建物取引業者」
一般的に不動産業者とは「免許を持って宅地建物取引業を営む者(宅地建物取引業者)」のこといいます。
不動産の売買や賃貸の相談は宅地建物取引業者にすることになりますが、円滑な不動産流通や購入者等の利益の保護のために「宅地建物取引士」が契約や重要事項説明などの事務を行います。
宅地建物取引業者は、
- 免許番号
- 免許有効期間
- 商号または名称
- 代表者氏名
- この事務所に置かれている専任の取引士の氏名
- 主たる事務所の所在地・電話番号
が、記載された「宅地建物取引業者票」を店内に掲示する必要があります。
登記関連なら「司法書士」
宅建業者にとっては、切っても切れない関係になる士業が「司法書士」です。
不動産取引では、売買当事者の確認、所有権移転登記等の手続きを行います。
司法書士は、不動産の所有権を売主から買主へ移す仕事を行います。
また、その際に銀行から融資を受けて購入する場合は、抵当権の設定登記なども行います。
不動産の価値が知りたいなら「不動産鑑定士」
不動産の経済価値に関する鑑定評価を専門に行うのが「不動産鑑定士」です。
私たちが関わるケースとしては、相続をした土地の評価を下げたい際など「節税対策が必要なとき」に利用します。
一般の方には、馴染みが無い士業になりますが、市町村・都道府県・国が所有している土地・建物の売却時にその売却金額などを算出する際、不動産鑑定士に依頼をします。
その他に、競売物件等の査定時も不動産鑑定士が行います。
土地の測量や新築時の登記は「土地家屋調査士」
不動産取引では、土地の測量・地目の変更・新築時の建物表示登記等を行うのが「土地家屋調査士」です。
もう少し分かりやすく言うと、家を新築したり、土地の売却をする際にお世話になります。
表示登記(表題登記)というのは、建物の大きさ・種類・築年数・構造などを登記することです。
また、土地家屋調査士というのは、その表示登記(表題登記)を新しく作成したり、変更する事が出来る士業になります。
実務上では、土地家屋調査士は「○○先生」と呼ばれたりしております。
行政機関への提出書類に関することは「行政書士」
行政書士とは、 行政手続きを専門とする法律の専門家です。
依頼人の代理として、官公庁(都道府県庁、市役所、警察署、消防署など)に提出する許認可申請の書類作成や手続きを行います。
不動産取引で関わる事として、「農地転用届出及び許可申請」や「宅地造成に関わる開発許可申請」などが挙げられます。
簡易なものであれば、市役所等の担当部署で相談すれば申請方法を教えてくれる場合があり、ご自身でも申請することができます。
ただ慣れない書類ばかりなので、時間が無い方は行政書士にお願いした方がいいでしょう。
火災保険や地震保険は「保険代理店」
不動産購入時や賃貸時に火災保険などに加入します。
不動産会社が代理店をしている場合もありますが、最近ではWEBから自分で申し込むことも可能です。
建築に関することなら「建築士」
建築物に関して、設計や工事管理などの業務を専門に行うのが「建築士(1級・2級・木造)」です。
不動産取引では建物の設計監理に属すること以外にも、フラット35の適合証明書や耐震基準適合証明書、建物状況調査などの作成を依頼することもあります。
建物解体の際は、「解体業者」
不動産取引では、建物付きで引き渡すケースと、建物を更地にしてから引き渡しをするケースがあります。
後者の場合、建物の解体が必要になり、解体業者へ依頼をしなければなりません。
最近の解体業者は、ほとんど海外の方が行っている事が多く、特にトルコの方が多いです。
ただ、なかには壊した家のガラを処理場に廃棄せず、山の中へ不法投棄する。などトラブル事例もちらほら耳にします。
外国人に限らず日本の方でも不法投棄をすることがありますので、業者選びは慎重に行ってください。
トラブル防止の為、どこの処理場に誰が捨てた等分かる書類(マニュフェスト伝票)がありますので業者に提出してもらうのも良いかもしれません。
訴訟問題に発展したら「弁護士」
ご存じの通り、訴訟などの紛争解決に努める法律の専門家は「弁護士」です。
不動産取引では、相続不動産の取り扱いや任意売却時などで代理人として関与することが多くなります。
弁護士は法律の専門家ですが、得意な分野がありますので、不動産に関わる事が得意な弁護士に相談することをお勧めします。
不動産業者が加盟している、宅地建物取引業協会に顧問弁護士なども居ますので紹介してもらうのも良いでしょう。
税金のことなら「税理士」
税務相談など税金に係る専門家が「税理士」です。
不動産取引では居住用不動産よりも、収益物件や相続税関連で不動産を扱う時に関わることが多くなります。
売却時には譲渡所得税を支払うのですが、特例を使うことによって、支払う税額を大幅に下げることが出来たりします。
ほとんどの場合、不動産業者が基本的な特例内容に関しては教えてくれると思いますが、税額の計算まで行ってくれませんので、ご自身で知識を身に着けておくと一層安心できますね。
ここまで売買や相続などで関わる専門家をお伝えしてきました。
ですが、他にも思ってもみなかったことで上記の専門家と関わることがあります。
成年後見人制度を利用することになったら
成年後見人制度とは、認知症などで財産の管理能力を喪失した人の「財産を保護するための制度」です。
そのため預貯金だけではなく、不動産の処分や管理などで関わってきます。
後見人に選ばれる専門家
後見人は必ずしも親族に限らず、家庭裁判所から「弁護士、司法書士、社会福祉士など」の専門家が選任されることもあります。
とくに後見人の財産の使い込みが一次問題になったこともあり、資産が多い場合は専門家が選任されることが多くなっています。
また、昨今では成年後見人制度を使用せずに、家族信託という制度を使用するケースも増えてきております。
この家族信託というのは、ご所有者様が委託者兼受益者として、また、ご所有者様の代理人(お子様等)が、受託者として不動産の管理・売却・運用を行う事ができる制度になります。
この制度により、ご所有者様が万一、認知症などを発症しても受託者であるお子様が代理人として不動産の売却等を行うことができます。
家族信託というのは、司法書士が不動産登記簿に登記を行います。まだ出来て間もない制度の為、不慣れな司法書士も居ますので、まずは不動産業者にご相談をしてみてください。
ちなみに、弁護士や司法書士が後見人になった場合は費用が発生します。
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まとめ
さいごに記事のおさらいをします。
- 不動産取引の専門家は多岐に渡る!
- 相続や成年後見人制度など、急に不動産に関わることもある
不動産取引は人生で何度も経験することではないので、問題が起こっても「誰に相談すれば良いのか分からない」ということも多いです。
そんな時は、とりあえず不動産業者に相談してみましょう。
不動産業者は「不動産取引の窓口的な存在」です。
そのため各士業との付き合いも多く、何かしらのアドバイスや専門家を紹介してくれるかもしれませんよ。
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