不動産を購入するのに値引き交渉は当然するものなのしょうか?
家電や新車のように「値引きありき」という考えの人も多いですが、不動産は必ず値引きして貰えるわけではありません。
不動産で値引き交渉をするなら「知っておくべき事」がいくつかあります!
最近はWEBの情報を真に受けて「非常識な値引き交渉」をする方が増えてきた印象があります。
その結果、買うべき物件を買えずに後悔する方もみえるので、今回は適切な不動産の値引きについてお伝えしていきましょう。
値引き交渉をするなら知っておきたいこと!
不動産購入でも「どれくらい値引きして貰えるか?」を求める人はいますが、それは大きな間違いです。
不動産の場合は「値引き額が大きい」ことと「お値打ちな物件を購入出来た」はイコールではありません。
また、値引きの際に注意したい点も見ていきましょう。
不動産の上手な買い物は「相場」よりも安いかどうか?
不動産は、家電や新車のようにメーカーが価格を決定しているわけではなく「相場」が存在します。
ですから、いくら値引きが大きくても相場よりも高いのであれば得したことにはなりません。
また、相場よりもお値打ちだったり、立地条件などの良い物件は「そもそも値引きはしない」です。
そういう物件は問い合わせも多く、誰かが満額で購入してくれます。
また、満額で購入しても相場から考えて適切であれば買うべき物件です。
支払い方法は万全か?
不動産の値引きをするなら「売主のメリット」があると交渉材料になります。
例えば、支払いが現金であれば売却がスムーズに運ぶので、売主にとってはメリットです。
また、住宅ローンを利用するなら「先に事前審査は完了させる」ようにしましょう。
事前審査が完了していない(=住宅ローンが利用できるか分からない)のに値引き交渉をしても、売主からすれば話をする段階ではありません。
最低でも事前審査は完了させるようにしましょう。
尚、フラット35(住宅金融支援機構)を使用する場合は、事前融資では不動産契約を行う事ができません。
フラット35の場合は、融資本申込の承認が必要になりますので注意しましょう。
不動産の値引きはタイムセールに似ている!?
不動産は基本的に値引きはありませんが、場合によっては値引き出来ます。
ちょっと変に聞こえるかもしれませんが、具体的にどういった状況であれば値引き可能なのかというと「売れ残っている」場合です。
例えば、スーパーのお惣菜コーナーで17時を過ぎると割引シールが貼られることがありますが、イメージとしてはそんな感じです。
不動産でも出たばかりの物件というのは基本的に値引きはありません。
とくに不動産の場合は、その物件が売れれば良いわけで、車や電化製品のように件数をたくさん売る必要もありません。
出たばかりの物件は問い合わせも多いですから、その中の1人が購入してくれればOKというのが販売サイドの本音です。
まず1つ抑えておきたいのは、出たばかりの物件だと値引きは期待できません。
値引きが出来る物件は、売りに出されてから時間が経過している物件です。
営業マンに嫌われて値引きできないことも!?
値引きができた人もいれば、中にはできなかった人もいると思います。
理由は様々あると思いますが、私が過去に経験したお客さんの中で「物件に色々文句を付けて値引きをしようとする人」が居ました。
私たち営業マンからすると、「言いたいことはわかるけど、そこまで文句言うなら買わなければいいのに」となります。
ひどい人だと、その文句を書面にして渡してきたりします。
営業マンも嫌な人に対して頑張ってあげたいとは思いません。
値引き交渉をするのは、営業マンですから手の平に転がして値引き交渉を頑張ってもらうようにしましょう。
不動産営業マンは2種類のタイプに分かれます!
私たち不動産営業マンには2種類のタイプに分かれます。
- 仲介手数料で利益を上げる
- 自社物件の販売で利益を上げる
まず、前者の基本的に仲介手数料で利益を上げる不動産営業マンというのは「お客様にとって敵ではなく味方」です。
というのは、買ってもらえなと仲介手数料が入ってこないのですから、はっきり言えば「売主に値引き交渉出来るものならやる(むしろ言われなくてもやる)」のです。
そして、後者の営業マンは仲介販売をメインにしている不動産屋と異なり「建築がメイン」の会社が多いです。
「建築会社が不動産業の許可を取っている」と思っていただければわかりやすいでしょう。
この場合も、売れ残れば値引き交渉は可能ですが、気を付けたいのは仲介業者よりも値引きは消極的という点です。
この2種類の不動産営業マンの値引きは「売主か仲介業者なのか」という点がポイントです。
仮に仲介業者が売主に100万円の値引き交渉して了解してもらったとしても、仲介業者は手数料が3万円ほど減るだけです。(だったら契約を決めたい)
しかし売主という立場の場合、100万円の値引きに応じるということは、100万円の利益を失うことになるので、出来れば「値引きしたくない」というのが本音です。
自分がどちらの不動産業者で家を購入するのか?
この点は見極めておきたいところですね。
値引き交渉がしやすい物件の探し方は?
もし出来るだけ値引きしてもらって安く費用を済ませたいと考えているなら、「ネットに掲載されている物件」を狙うのがおすすめです。
人気の物件というのは、わざわざ広告費を払って売らなくても、来店されたお客さんに勧めれば売れてしまいます。
ということは、ネットに掲載されている物件というのは、言葉は悪いですが「売れ残っている物件」が多いのです。
そのため価格を下げてでも売りたい売主さんも多いので、値引き交渉を受けてくれる可能性は高いです。
また、ネット掲載されている物件で、複数の会社が同じ物件を扱っていることがあります。
こういう場合は、各会社で差別化のためにキャンペーンを行っていたり、仲介手数料の割引を行っていたりするので、安易に決めずに、同じ物件でも色々な会社の内容を確認してみましょう。
不動産業界には暗黙のルールがある!?
また、注意点として同じ物件を複数の会社から問い合わせしないようにしましょう。
不動産業には暗黙のルールがあって、一番初めに売主さんに相談した会社で契約することになっています。
不動産会社の営業マンの中には「内緒にしておけばわかりません」という人もいるかもしれませんが、売主さんの方がルールを守ります。
もし仮にその契約が流れた場合、ルール違反をすれば信用を無くして他の会社が物件紹介してくれなくなる可能性があります。
暗黙のルールを破るメリットは売主さんにはないですからね。
ですから、もしネットに掲載されているような複数の会社で取り扱っている物件だったら、先に仲介手数料の割引やサービスが無いかチェックしておきましょう。
新築一戸建てはどこまで値引き出来るの?
ズバリ!不動産の値引きは「売主」によります。
値引き対応してくれやすいのは業者で、逆に個人だと値引きは売却の事情によります。
そのため、中古物件よりも新築の方が値引きしてくれる可能性が高いです。
新築の値引きはタイミング次第!
新築で住宅を販売するのは建築会社(業者)です。
そのため利益を計算して販売計画を立てるので、ある程度は値引き交渉のタイミングは読みやすいでしょう。
まず逆算して狙い目なのが「新築から10~11ヶ月目」は、大幅な値引きのチャンスです。
というのも、新築から1年を過ぎると扱いは中古物件になります。
今まで売れなかった新築が中古物件になれば更に売れにくくなるので、新築で売れるギリギリで売り切ってしまいたいのが業者としての本音でしょう。
また、分譲業者によっては、決算月である、3月や9月に大幅な値引きを行ってくれるところもあります。
「今月中に契約から引き渡しなら○○万円まで値下げできます!」みたいな感じですね。
建設前、建設中の値下げ交渉?
新築一戸建ての分譲業者は土地の仕入れから建物プランニング、売り出し価格の決定を行い販売を行っていきます。
仕入れの際は、当然周辺の売却事例などを参考に土地の買取を行うのですが、分譲業者としては売れるかどうかが不安なのです。
その為、建設前や、建設中であっても、端数程度であれば値引き交渉に乗ってくれる時があります。
「飯田グループホールディングス」の場合
新築一戸建ての販売棟数日本一が「飯田グループホールディングス」ですが、こちらは新築から3~4ヶ月を過ぎると値下げを始める印象があります。
実際に販売されるのは「建築前」からで、その間はオプション工事のプレゼントが値下げの代わりです。
オプション工事には、エアコンプレゼントや、網戸が無い物件には網戸プレゼントなど色々あります。
新築戸建ての値引きの体験談!?
新築戸建てといっても売主は、色々いるため、今回は大手建売メーカーを例にしていきます。
実際に私が経験した内容も列記していきますのでご参考にしてみてください。
端数なんて序の口?
不動産のチラシやネット広告などを見ると、1060万円!2,980万円!3,120万円!と十万円の単位に端数が付いていることがよくあると思います。
新築一戸建ても同じで、ほとんどの物件に端数が付いております。
新築一戸建てを購入する際、仲介業者が間に入るケースが多いのですが、まず端数を交渉してみましょうと仲介業者から言ってくることもあります。
不動産業界の慣行みたいなものなので、新築一戸建てに限らず、土地や中古マンション等ほとんどの場合で値引きができるでしょう。
値引き100万円は出来る?200万円は難しい!?
新築一戸建てはタイミングによって、値引き出来る金額が大きく変わるとお伝えしました。
新築から、期間が経てば経つほど、交渉の余地は大きくなります。
それ以外に、販売現場棟数や、仲介業者の営業力や、購入者の事情なども値引き額に大きく影響を与えることもあります。
この物件の場合、全部で10棟ある分譲現場で最後の1棟でした。
お客様には物件を気に入って頂いていた為、住宅ローンの申し込みを行いました。
結果は、満額回答では無く2「50万円ほど減額して下さい」でした。
そこで売主である建築業者へ事情を説明したところ、240万円の値引きを行ってくれる事となりました。
このケースは稀ではありますが、240万円の値引きを成功できた理由として、
- 10棟のうちの最後の1棟(既にそこの分譲現場では利益が確保できていた)こと
- お客様は物件を気に入っているが融資が減額になったことを正直に伝えたこと
- 仲介業者と建築業者との関係が良好だったこと
の3つが大きかったと思います。
但し、このケースは極めて稀なケースなので、実際は200万円前後の値引きは難しい場合が多いと認識しておいた方がいいです。
中古住宅の値引きは交渉は難しい!?
同じ不動産でも新築と中古物件では、値引き交渉は大きく変わります。
中古住宅では売主が「個人」であることが多く、それぞれ不動産を売却するは理由がありますが「そこまで売り急いでいない」ことが多いです。
逆に言うと、売主は少しでも高く売りたいという方がほとんど。
そういった方に売れ残った建売のように百万円単位の値引きをしても相手にされません。
この場合「相場」から売主がどのように売却価格を設定しているか「読む」必要があります。
但し、中古住宅でも「再生住宅」は値引き出来る!
ただ、中古住宅は全て値引き交渉が難しいというわけではありません。
中古住宅でも、業者が不動産を買い取り「リノベーションして販売する」いわゆる再生住宅だと値引き交渉も応じてくれます。
新築のように1年という期限はないですが、なかなか売れない物件は値下げしてでも売りたいのが業者側の本音。
不動産売買はセオリー通りにいかないことも!?
不動産の値引き交渉は、いろいろな要素で状況が変わります。
- 不動産販売が始まったタイミング
- 土地が人気な場所かどうか
- 売主の都合(早く現金化したいなど)
場合によっては、思ったよりも値引き交渉がスムーズにいくこともあるでしょうし、全然値引きに応じてくれなかったということもあるでしょう。
例えば、人気エリアで問い合わせが絶えないような物件などは値引きは難しいです。
このような物件であれば、わざわざ値引きをしなくても満額で成約までもっていけます。
そのため、あまりWEBに掲載されている体験談などを鵜呑みにしないことです。
「ネットにはこう書かれていた」などの話で値引き交渉しても絶対に上手くいきませんからやめてきましょう。
それよりも営業マンと仲良くなって情報をいろいろ教えてもらう。
これが最も不動産の値引き交渉をする上で有利に働きます。
まとめ
さいごに記事のおさらいをします。
- 不動産の値引きは「売主」によって戦略は変わる!
- 新築の場合は、売主が業者なので一般的な値引き交渉でもOK
- 中古物件で売主が個人の場合は、仲介業者の担当者と相談して決める!
- 不動産の値引きをするなら「相場」を理解しておくことは大前提
不動産の値引きをするなら、上記4つのポイントは必ず抑えておきましょう。
とくに相場も知らずに「何百万円も値引きして欲しい」という人が増えている気がしますが、相場よりも安ければ満額で購入してもお値打ちな物件です。
本当に得したいなら相場を調べることから始めましょう。
以上「不動産の値引きは新築がアツイ!値交渉するなら必ず抑えるべきことは?」でした。
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