建売とは「建てて売る(家)」を省略したもの。
きっと皆さんも同じ「完成して売られている家」という認識をお持ちだと思います。
ただ、そんな建売も完成前に購入する時は「建売ってこういうもの」と理解しておかないと思わぬ後悔につながることがあります。
今回は余計なトラブルを防ぐためにも建売とは何なのか? 掘り下げて考えていきましょう。
同じ新築でも建売と注文住宅は違う!?
建売も注文住宅も同じ「新築」です。
同じ新築でも、じつは建売と注文住宅では更地の段階から違いがあります。
購入時には「それぞれの違い」を理解しておくことがポイントになります。
建売とはプランが決まっている家!
建売でも建築前の状態であれば、注文住宅のように色々と融通を聞いて貰えると思い込んでいる方がみえます。
ですが、実際に建売を販売する際は「建築確認申請」を行う必要があります。
建築確認申請とは、家を建てる計画が法律等に適合しているかの確認を受けることです。
つまり、建売の場合は「現状が更地でもどのような家を建てるかは決まっている」ということです。
そのため注文住宅のように「ここを変えたい、あそこをこうしたい」という変更は残念ながら出来ません。
建売は何も選ぶことが出来ないのか?
「建築確認申請が通った後は何も変更出来ないのか?」というとそうでもありません。
建売でも資材の発注前であれば、キッチンやお風呂、外壁等の色を選べることがあります。
基礎工事の着工や完工前が選べるタイミングの目安になることが多いですが、この点は会社によって対応は違うので担当者に確認してください。
注文を付けすぎて家が買えなかったことも!?
完成前の建売(更地の状態)で、買主様から「フローリングの色は変更出来るか?」と質問され、売主様に確認したところ「問題ない」という返事を頂きました。
また、合わせて「キッチンやお風呂の色も選べる」ということでしたので、買主様は喜ぶだろうなと伝えたのですが…。
それから次々と「あそこを変更して欲しい?」と買主様が要望を言いはじめるようになりました。
そこまで細かい変更は無理だと何度伝えても「新築なんだから出来ると思うし、いいから売主に相談して下さい」と一向に譲る気がありません。
そこまで言うならと仕方が無いので売主様に伝えると「だったら注文住宅買って下さい」と販売拒否の返答を頂くことになりました。
立地が気に入っていた買主様は慌てて「条件付けずに買います」と言いましたが、もう売主様が首を縦に振ることはありませんでした。
建売とは何なのか?例えばスーツに置き換えてみると
家の購入は生涯でそう何度もあるものではありません。
そのため先のような思い込みで失敗しないためにも、建売とは何なのか?
私たちの生活に近いものに置き換えて理解を深めたいと思います。
店頭で売られているスーツに、デザインの変更を求める人はいない!?
例えば、デパートで販売されているスーツを購入するのに「このデザインが気に入らないので変更して貰えますか?」という人はいないと思います。
なぜ、そういった変更を求めないかというと「すでに出来上がっている」からです。
建売も同じで完成していれば「あれを変えて欲しい」というような要望は出ません。
しかし、更地や完成前の状態だと「まだ変更出来るのでは?」と思ってしまうのでしょう。
でも、店頭にスーツが並ぶ前だからといって「デザインを買えて貰えますか?」という注文をする人はやっぱりいません。
「プランが決まっている」ので容易に変更は出来ないと考えれば、店頭に並ぶスーツも建売も同じですよね。
既製品だからこそのメリットもある!?
「せっかくのマイホーム購入を店頭に並ぶ既製品のスーツと例えられるとちょっと…」と、思われる方もみえるかもしれません。
でも、既製品だからこそのメリットが私はあると思います。
まずは「購入が簡単」ということ。
打ち合わせの多い注文住宅では時間と労力が掛かりますが、まずはその点がかなり軽減されます。
また、最近は建売でも完成前に売れてしまうことが非常に多く、気に入った立地であれば買い逃すことを防ぐために完成前でも購入される方が増えている印象です。
しかし、やはり完成した状態を見て買えないと、どうしても不安が残ります。
ですが建売の場合、同じエリアで販売されている同じ会社の家を見れば、使用する建材や間取りも似ているので「かなり近いイメージ」をつかむことが出来ます。
オンリーワンの注文住宅では無理ですが、この点は建売だからこそですね。
建売は完成物件でも注意すべきことがある!?
建売は完成前から販売されていますが、当然売れなければ完成後も売れるまで販売され続けます。
完成後1ヶ月で売れることもあれば、1年近く売れないこともあり、またその間で内覧に訪れる方も少なくないでしょう。
では、月日が経過すれば汚れやキズが付くこともあると思いますが、そういった時の対応はどうなるのでしょうか?
建売とは現状有姿渡しが基本的な考え!?
まず、1年経過した建物を新築同様にして引き渡すというのは、常識的に考えても無理があります。
そのため建売では「現状有姿で引き渡す」のが基本的な考えです。
しかし、引渡し前にキズの有無などを確認して、誰が見ても分かるようなキズは引渡しまでに修復することが一般的です。
ただ、ここでも「新築だから線キズ1本あって良いはずがない」と思い込んでいるとトラブルになることもあります。
キャンセルは違約解除になるため違約金を支払うことになりますし、やはり今後のメンテナンスを受けるにしても気分の良いものではありません。
建売と売建とは何が違うのか?
せっかくなので建売と似たような言葉で「これって何ですか?」と質問されたことのあるものをご紹介します。
最近はあまり使われませんが、建売と似た「売建」という言葉があります。
建売が「建てて売る」の略でしたが、売建は「売って建てる」の略です。
今は「建築条件付き」という方が馴染みがあると思います。
建築条件付きでは、土地購入の条件として建築会社があらかじめ決められていますが「プランを選べる」ことが多いので、建売よりも選択の自由度は高くなります。
建売住宅と分譲住宅は一緒なの?
また「分譲住宅と建売住宅は一緒なの?」という質問も受けたことがあります。
分譲とは「分割譲渡」が省略された言葉で、土地や建物を分けて譲る(販売する)時に使われます。
そして、分譲住宅はいくつかの家を建てて販売される住宅を指すので、建売と言えばもちろん建売です。
言葉の意味としては2区画の建売でも分譲住宅ですが、ただ個人的には「ハウスメーカーが20棟や30棟建てられる大きな土地を仕入れて、道路などの整備も含めて販売している」のが分譲住宅というイメージを持っています。
おわりに
建売とは「建てて売る」が省略された言葉ですが、その特徴として
- 土地と建物がセットで販売される
- 更地でも建築計画はすでに決まっている
があります。
そのため更地や完成前の物件だと「まだ色々と変更出来るのでは?」と考える方もみえますが、建築計画の変更となると簡単なことではありません。
そうなると記事内でお伝えしたような「だったら売らない」という事態に発展することもあるので注意して下さいね。
以上「建売とは何なのか?きちんと理解しておかないと後悔することもある!」でした。
【 最後にPRです 】
個人でも掲載可能!空き家マッチングサイト
ここ数年「空き家問題」が取り沙汰され、管理の行き届いていない空き家については固定資産税が6倍になるという話も聞きます。
しかし、築年数の経過した空き家や地方にある空き地などは不動産屋も積極的に取り扱ってくれないので「仕方なく放置している」という方もみえると思います。
そんな空き家で頭を悩ましている方にお勧めなのが「空き家コネクト」です。
空き家コネクトは個人・法人問わず「空き家・空き店舗・空き地・山林など」の不動産情報を無料で掲載できるマッチングサービスになります。
「こんなボロボロの空き家は誰もいらない」と諦める前に無料掲載してみましょう!(イエエエイ!を見たと伝えて貰うとトップページにピックアップ物件として紹介して貰えますよ)
おすすめの記事 と スポンサーリンク