賃貸の営業をしていると10日に一人くらいは「離婚するから急いで部屋を借りないといけない」という方が来店されます。
男性と女性を見ていると、男性は「一人暮らし」で、女性は「母子家庭」という方が多いです。
それで私は賃貸の営業マンにも関わらず、つい母子家庭の方に「家を買うのも検討した方が良いよ」とアドバイスしてしまいます。
離婚してすぐに家を出なければいけないという事情があれば賃貸を借りざるを得ないでしょう。
でも、実際に賃貸物件を内見しに行く車内で家の購入について話をしていると「そんなの知らなかった」と驚かれる方も多いです。
知って選ばないのと知らないのでは意味は全然違いますよね。
母子家庭でも家を買うというよりも、母子家庭だからこそ家を買う。
というわけで、私がお勧めする理由についてお伝えしていきます。
母子家庭だからこそ家を買うべき!その理由とは?
私は賃貸と売買の両方とも営業経験がありますが、母子家庭だと家の購入を検討される人は少ないです。
「家を買って月々の支払いが増えても困るし…」と思っていらっしゃるのかもしれませんが、場合によっては賃貸で家賃を払うよりも生活が楽になるかもしれませんよ?
家賃を払うよりローンを払った方が安いかも!?
母子家庭になる方が賃貸で部屋探しを行う時の条件として「子供のために部屋数のある物件」を探されることが多いです。
部屋数のある物件となるとワンルームなどに比べて当然家賃は高めになります。
十分な収入があれば家賃が高くても問題ないかもしれませんが、母子家庭になると生活費も大変という方も少なくありません。
そうすると、出来るだけ家賃を抑えるために「築年数が古めの3DK」に落ち着くことが私のエリアでは多いです。
実際にどんな感じの部屋かというと、こんな感じです。
ちなみに家賃は52,000円で、管理費3,000円ですから、合計の支払いは55,000円です。
子供にも部屋を与えてあげることを考えると、これくらいが最低ラインの家賃になってきます。
では、次に「中古マンション」を買うことを検討してみましょう。
仮に物件価格を1000万円とします。
(この写真の物件で998万円です。リフォーム済み3LDK)
住宅ローンの金利を2.80%(頭金なし)で35年ローンで計算すると、月々の支払いは37,378円です。
これに管理費と修繕積立金を合わせて約2万円と考えても、1000万円の中古マンションだと58,000円程度で買えるのですね。
ちなみに金利は厳しめで計算しているので、条件が良ければもう少し月々の支払いも下がります。
賃貸も中古マンションもエリアによって金額は変わるかもしれませんが、ここでお伝えしたいのは「母子家庭=賃貸だけではない」ということです。
- 3DKの賃貸…家賃などで55000円
- 1000万円の中古マンション…住宅ローンなどで58000円
上記はあくまで一例ですが、中古マンションで住宅ローンを組んでも家賃を支払うのと変わらない場合も多々あります。
さらに、先の賃貸物件のような3DKで中古マンションを探せば数百万円で見つけることも出来ます。
その場合、逆に賃貸で家賃を払うよりも住宅ローンの方が月々の支払いが楽になることも十分に考えられます。
万が一のことを考えると「団体信用生命保険」の加入は安心
家を買う場合、ほとんどの住宅ローンでは「団体信用生命保険」の加入が必須条件となります。
団体信用生命保険とは、死亡や病気などで住宅ローンの支払いが出来なくなった場合にローンの残債を支払う保険です。
母子家庭だからこそ「自分の身に何かあったら…」という心配は付きまとうと思います。
賃貸であれば自分が働けなくなったりしたらどうやって家賃を支払うのか不安ですが、団体信用生命保険に加入しておけば、万が一自分の身に何かあっても「子供に家は残せる」というのは安心ですよね。
母子家庭でも住宅ローンは組めるのか?
なかには「母子家庭だし住宅ローンの審査に通らないんじゃないか?」という心配をされている方もみえます。
ですが、母子家庭だから「住宅ローンが組めない」とか「審査が厳しい」ということもなければ、逆に母子家庭だから特別な優遇があるわけでもありません。
ようするに住宅ローンについては、誰が借りるにしても
- 借りたい住宅ローンの金額に見合う収入があるか?
- 購入する物件に担保価値があるか?
という点がポイントとなります。
一体どれくらいのローンが組めるの?
住宅ローンは、借りれるだけ借りるのではなく返済可能な金額をベースに考えないといけませんが、それでも目安がないと何もわかりません。
そこで自分の住宅ローンの借り入れ可能金額をフラット35のローンシミュレーションで計算してみましょう。
ちなみに
- 年収が300万円
- 金利が1.8%
で計算したら、借り入れ可能な金額は概算で2300万円程度となりました。
ある程度しっかりした収入がある方なら中古マンションに限らずに「戸建て」を買っても良いでしょう。
ちなみに私の2件隣のお宅も母子家庭ですが、3500万円の戸建てを購入されていますよ。
母子家庭で「賃貸」をあえて選ぶ理由
ここまで母子家庭なら家を買うことを勧めてきたわけですが、あえて「賃貸」の方が良いという場合もあります。
そんな理由について一緒に見ていきましょう。
子供の学区内を変えたくない
母子家庭の方が賃貸を探す時も「子供の学区」を気にされることは多いです。
出来れば子供の学区を変えたくないというのが最優先になる気持ちもわかります。
ただ、この「学区しばり」は賃貸でも分譲でも物件数がかなり減るので、もはや選択の余地がなくなってきます。
「あるところに住むしかない」
そういった状況に陥るので、出来ればお子さんともよく相談したいところですね。
ズバリ「再婚」を考えているなら身軽な賃貸も可!
また、再婚を考えているなら賃貸の方が身軽というのはあります。
接客している時に「ずっと住むかどうかも分からない」と言われると、「じゃあ賃貸の方が良いですね」と私も言わざるをえません(笑)
実際中古マンションを買って再度「売却する」というのは簡単ではありません。
やはり築年数が経過すれば売るのも難しくなりますし、価格も下げざるを得ないなど条件面でも厳しくなりがちです。
立地が良ければ賃貸という手もあると思いますが、どちらにしても「長く住まないかもしれない」というのであれば賃貸で様子をみるのはアリでしょう。
おわりに
いかがでしたか?
今回のまとめとしては、以下のような点がポイントになってきます。
- 家賃は必ずしも住宅ローンよりも安くはない
- 片親だからこそ団体信用生命保険は安心につながる
- 母子家庭だからといって住宅ローンに有利も不利もない
賃貸の営業をしていても「この人だったら家を買った方がいいんじゃないかな?」ということもあります。
もちろん賃貸か家を買うのかはご本人に決めて頂くことですが、ただ「知っている」のと「知らない」のでは大きな差だと思うので、今回の話が参考になれば幸いです。
以上「母子家庭だけど家を買う?むしろ買っておくべきじゃないの」でした。
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