ウッドショックとは「海外から輸入される木材価格の高騰」のことを指し、2021年3月くらいから始まりました。
原因は「アメリカや中国での住宅着工件数が増えたため」と言われていますが、日本に輸出するより手続きが簡単な国に流れているという話を聞きます。
とはいえ「ウッドショックが大変だ!」という声は聞きますが、具体的にどのような状態なのかピンと来ている方は少ないと思います。
というわけで、今回は現場でウッドショックの影響を肌で感じている方達から聞いた話をまとめてお伝えしていきます。
建売のウッドショックによる影響はどうなの?
ウッドショックから4ヶ月経過した今も建売は順調に建築・販売されています。
とくに昨年からのコロナの影響で土地の仕入れを控えていたところもあり、2021年いっぱいは仕入れを強化していく方針の会社が多いようです。
そんな中で今後建売はウッドショックの影響で値上がりしてくるのでしょうか?
飯田産業の担当者に話を聞いてみた!
参考元:株式会社飯田産業
株式会社 飯田産業は「日本で一番家を建てている飯田グループホールディングス」の中心企業になります。
木造の建売を販売している会社なので、個人的にウッドショックの影響を大きく受けると思っていたのですが、意外にも株式会社飯田産業の方と話をしたところ「ウッドショックによる影響はほとんど無い」そうです。
というのも、すでに数年前から「木材は国内仕入れに切り替えていた」とのこと。
販売価格についても、ウッドショックの影響による値上げは、仕入れ担当者曰く現時点ではなさそうとのことでした。
国産材のウッドフレンズはどうなの?
参考元:ウッドフレンズ
ウッドフレンズは、国産材にこだわり自社工場も持っている会社になります。
愛知県ではウッドフレンズの建売はよく見かけます。
国産材を扱うウッドフレンズならウッドショックの影響は無いのかと思いきや、営業担当者曰く多少はあるとのことでした。
ただ、話を聞いている感じだと「影響は少し」という印象です。
ケイアイスター不動産は2021年内の木材は確保済み!?
参考元:ケイアイスター不動産
またケイアイスター不動産は、2021年に建てる分の木材はすでに確保しているそうです。
ただ、ウッドショックが2022年も継続となると価格に影響は及ぼす可能性はあるかもしれません。
オープンハウスは0.8%の値上げ!?
参考元:オープンハウス
利便性の高い駅近くに3階建ての建売を販売して躍進しているオープンハウス。
こちらは0.8%の値上げ(4400万円の物件で36万円程)を行ったようです。
ちなみに上記のケーアイスター不動産と三栄建築設計とオープンハウスは「一般社団法人日本木造分譲住宅協会」を設立して、国産材を積極的に活用していく方針を打ち出しています。
ウッドショックの見通しが分からない中で、ライバル関係にある3社の動きは注目を集めています。
これから建売はウッドショックの影響で値上げするの?
他の建売業者にも話を聞きましたが、全体的に「静観」というスタンスの会社が多かったです。
というのも、今までにもウッドショックは起こっており、3ヶ月程度で終息しているからです。
ただ、今回は原因がコロナによる巣ごもり需要や輸送問題の兼ね合いもあり、ウッドショックがいつまで続くのか見通しが立っていません。
現状建売に関しては業界トップグループが大幅値上げをしないのであれば、他社も値上げに踏み切るのは難しいのではないでしょうか?(値上げしても限定的)
ウッドショックの影響を一番受けているのは?
個人的な見解だと、建売は木材の仕入れを大量に行う(木材の確保は出来ている)ことからウッドショックの影響が大きく出ているように感じません。
では、なぜこれだけウッドショックが騒がれているのか?
それは、ハウスメーカーや地場の工務店に影響が大きく出ているからです。
ハウスメーカーはすでに値上げを実施!
積水ハウスや大和ハウスはウッドショックによる値上げを6月に発表しました。
大和ハウスは一部の木造住宅で1%の値上げで、1棟あたり40~50万円程度の値上げになるようです。
また、一度上がった価格はウッドショックが終わったからといって「値上げ前の価格に戻るとも考えにくい」ので、ウッドショック中はもちろん終息後も価格の推移については注目したいところです。
中小の工務店は「かなり厳しく」このままでは廃業もあり得る!?
話を聞く限り「地場の中小の工務店はかなり厳しい」ようです。
とにかく木材が入ってこないので、お手上げという話もよく聞きます。
販売価格として坪単価3~5万円は値上げせざるを得ないようで、30坪の家だと100~150万円は従来より値段が上がっています。
お付き合いのある工務店の方に話しを聞くと、やはりお客様に説明しても100万円150万円は大きい金額なので簡単には納得頂けず本当に状況は厳しいとのことでした。
木材の卸業者は人員削減も!?
さらに、中小の建築会社よりもウッドショックの影響を受けているのは「木材の卸業者」とのこと。
とにかく商品となる木材が入ってこないため、なかにはすでに3割の人員削減に踏み切ったところもあるそうです。
リフォーム業者にも影響はあるのか?
ウッドショックの影響でホームセンターのDIYコーナーの木材も少ない状況ですが、リフォームやリノベーション業者はどうなのでしょうか?
お付き合いのある業者に話を聞いたところ「影響はゼロとは言えない」とのこと。
やはり、材料が入ってこないことで値上げや工期遅れという影響が出始めているそうです。
ただ、地場の工務店でも「今後新築が値上がりすれば再生住宅やリフォームに需要が集まる」と予想できるので、そちらに力を入れようかという話も聞こえてきます。
家を買うならウッドショックが終息後がベスト?
今のところ建売の販売価格は「据え置き」ですが、ハウスメーカーや工務店は「値上げ」という印象です。
だったら何もウッドショックの最中に家を買わなくても「2022年を待ってウッドショックが終息してからの方が得じゃないか?」というと、そうでもありません。
というのは、「住宅ローン減税やすまい給付金の期限」があるからです。
すまい給付金などの契約期限は2021年9月!?
消費税が8%から10%へ引き上げられた時の救済として、
- 住宅ローン減税が13年に延長
- すまい給付金
が発表されました。
その後、コロナの影響もあり
- 注文住宅…2021年9月末までの契約分まで延長
- 建売や増改築等…2021年11月末までの契約分まで延長
となりましたが、そちらの期限が迫っています。
現時点ではウッドショックやコロナによる延長は発表されておらず、そもそも消費税増税の救済措置と考えると「再延長」は難しいのではないかと思います。
おわりに
過去に起こったウッドショックは3ヶ月程度で終息していますが、今回はすでに3ヶ月を経過しており、未だに回復の兆しは見えていません。
今回、建売・ハウスメーカー・工務店・リフォームなど色々な業者の方に話を聞きましたが、どこも見通しとしては「年内の終息は難しい」という声が多かったです。
だからといって契約をウッドショックが落ち着いてからにすると、住宅ローン減税(11~13年分)とすまい給付金の期限に間に合いません。
この点は検討している会社と相談の上、早めに決断が必要になりますね。
以上「ウッドショックの見通し!今後は建売も値上げになってしまうのか?」でした。
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