先日、家の壁にヤモリが引っ付いていて、子供がトカゲだと騒いでいました。
なかなかヤモリは見かけないのですが、よくみるとふっくらして可愛いですよね。
そんな「ヤモリ」と似ているとされるのが、やはり「イモリ」ではないでしょうか。
「イモリ」と「ヤモリ」は、名前が一字違いで、さらに見た目がよく似ているることから、違いがよくわからないという方は、大勢いらっしゃると思います。
というわけで、今回は「イモリ」と「ヤモリ」の違いと、ウチの子供も間違えた「トカゲ」についても解説したいと思います。
イモリとは?
イモリは、カエルと同じ両生類で水辺に生息しています。
イモリとは漢字で書くと「井守」です。
これは「井戸を守る」(井戸にいる害虫を食べる)のが由来です。
日本ではアカハライモリが代表的で、お腹が赤いのが特徴です。
意外かもしれませんが、イモリはフグのような毒を持っています。
ヤモリとは?
ヤモリは、ヘビと同じ爬虫類で、陸上に生息しています。
ヤモリとは漢字で書くと「家守」です。
これは「家を守る」(壁にいる蛾や蚊を食べる)のが由来です。
ちなみに夜行性です。
トカゲとは?
トカゲは爬虫類で、陸上で生活しています。
また「ヤモリ」と「トカゲ」は、見た目が似ていますが、
- ヤモリは、爬虫類・有鱗(ゆうりん)目・ヤモリ科
- トカゲは、爬虫類・有鱗(ゆうりん)目・トカゲ科
なので、じつは「犬と猫」くらい違います。
この点については、生物の分類で後述します。
「イモリ」と「ヤモリ」と「トカゲ」の違いとは?
「イモリ」も「ヤモリ」も「トカゲ」の違いをまとめると
- イモリ…両生類、水辺に生息、見た目はふっくらしている
- ヤモリ…爬虫類、陸上で生息、見た目はふっくらしている
- トカゲ…爬虫類、陸上で生息、見た目はスマート
です。
絵で見比べてみたり、生息場所を考えると、結構違いは分かりやすいかもしれません。
ですが、もっと違いを理解するためには「生物の分類」を考えると良いでしょう。
生物の分類とは?
生物の分類階級は、上位から並べると、「界」「門」「綱」「目」「科」「属」「種」に分かれます。
この観点で見ていくと、「イモリ」と「ヤモリ」と「トカゲ」が、どれくらい違うのか面白いと思います。
「界」(kingdom)
「動物界」「植物界」「菌界」「原生生物界」「原核生物(モネラ)界」を「五界説」と言います。
「門」(phylum)
「門」は約70種類に分けられ「脊椎動物門」「ミドリムシ植物門」などに分けられます。
「網」(class)
「網」は、昆虫網、両生綱、鳥網などに分けられます。「哺乳類」のように「類」で呼ばれることが多いですが、学問的に言うなら「哺乳網」が正しいです。
「目」(order)
「目」は、有袋目、食肉目、霊長目などがあります。ここでも「霊長類」というように「類」で呼べれる場合があります。
「科」(family)
「科」は、例えば食肉目では、イヌ科、クマ科、ネコ科などに分けられます。この時点でようやく犬と猫が分かれてきますので、ずいぶん生物の分類分けの元をたどると深いですよね。
「属」(genus)
「属」は、ネコ科で言うと、ジャングルキャット、マヌルネコ、スナネコなどに分かれます。イヌ科だと、タイリクオオカミ、コヨーテ、キンイロジャッカルなどに分かれます。
「種」(species)
「種」で、ようやく「ヒト」です。アゲハチョウであれば「アゲハチョウ」になります。
「イモリ」と「ヤモリ」と「トカゲ」の違い
そうかんがえると、「イモリ」と「ヤモリ」「トカゲ」の違いは、「人と昆虫」くらい違うわけですね。
また「ヤモリ」と「トカゲ」でも、「犬と猫」くらい違うのです。
「イモリ」と「ヤモリ」と「トカゲ」だったら、日本人とアメリカ人くらいの違いのように感じますが、思いのほか大きく違うのがよくわかりますよね。
最後に
「イモリ」と「ヤモリ」ですが、字で見れば一字違いですが、生物学上では大きく違います。
私は、タレントの「井森(イモリ)」は「タモリの娘」だと10年くらい信じていたのですが、これも「イモリ」と「タモリ」という一字違いが原因だと思います。
イモリとタモリも大きく違うのに不思議ですよね。
というわけで、今回は「イモリ」と「ヤモリ」と「トカゲ」の違いについて解説していきました!
おすすめの記事 と スポンサーリンク