今回は少し難しい?言葉のお話です。
日常生活において納得いかないことって多いですよね。
仕事でも家庭でも対人関係でも自然現象でも、「これっておかしくない?」「理解できない!」「もうどうしようもない!」なんて事柄がしばしば起きてしまいます。
そんなときによく使う言葉となる理不尽と不条理。
みなさん、ちゃんと使い分けてますか?
今回は「理不尽と不条理の違いと使い方」について調べてみました。
理不尽の意味を調べると…。
理不尽を辞書で調べてみると「道理をつくさないこと、道理に合わないこと」のようなことが出てきます。
何となくは分かるのですがイマイチ釈然としません。
というか、そもそも道理ってなんでしょう?
道理とは「物事の正しい筋道、人として行うべき正しい道」のことです。
つまり理不尽とは「人としての正しさをつくさないこと、物事の正しさに合っていない」ということになりますね。
また、もう少し細かく見ていくと、理不尽の理は【ことわり】と読み、秩序や道理のことです。
そして尽は【づくし】と読み、すべてを並べ上げるという意味です。
つまり、まとめると理不尽とは「秩序や道理に叶ったものを並べない=叶ってないものを並べ上げる」という解釈になります。
では不条理の意味は。
次に不条理ですが辞書的には「筋道が通らないこと、道理に合わないこと」という意味が出てくると思います。
あれ?ほぼ一緒じゃないですか?
少なくとも「道理に合わないこと」は共通してます。
”条理”は「ものごとの道理、筋道」と言う意味ですので、こちらも道理とほぼ同意味です。
さらに調べてみると”条”は本来は「枝や筋」を指しますが、それが転じて「ひとつずつ書き分けた文章 法律や規則」と言う意味となります。
2つの違いは?こんなときはどっち?
普段は何となく使い分けていたけれど、意味を調べれば調べるほど違いが分からなくなってきました。
そこでもう一度それぞれの漢字を見てみます。
理・不・尽
不・条・理
【理】と【不】の2つは共通ですが、あと1つが違います。
どうやらここにヒントがありそうです。
先ほど述べたように【尽】と【条】はこのような意味が含まれます。
- 尽・・・すべてを並べ上げる
- 条件・・・ひとつずつ書き分けた文章 法律や規則
それぞれが【不】によって否定されますので、理不尽は【理】を並べない、不条理は明確な【理】そのものが無いというニュアンスになります。
分かりやすくまとめると、こんな感じでしょうか?
- 理不尽・・・道理に合わないことを無理に通す。
- 不条理・・・道理そのものが無い。もしくは逸脱している。
そして正しさの概念は時と場合により変わりますから、
「そのやり方は違うでしょう、私としては納得いかない」が理不尽であり、「それに至る理論・理屈がない、もうどうしようもない」というのが不条理になります。
こう考える対象も変わってきて、人や身近な物事に対して使うのが理不尽、世の中や自然といった人間が法や規制でコントロール不能なものに対して使うのが不条理となります。
例えば、
- サービス残業を強要する会社は理不尽だ。
- 悪人がはびこる現代社会に不条理を感じる。
- 違反をして「みんなやってるから」は理不尽な言い訳だ。
- 自然災害で多くの人々が犠牲になるなんて不条理なことだ。
というような感じです。
最後に
小難しい内容になってしまいましたが、言葉の成り立ちをひとつひとつ追っていくのも面白いものです。
理不尽・不条理ともに怒りや憎しみ・哀れみをまとった言葉です。
日常でなるべく使うことがないようにしたいですね。
以上、「理不尽と不条理の違いは?こんなときはどっち?」でした。
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