最近の賃貸物件は、連帯保証人の代わりに保証会社を付ける物件が多くなってきましたが、それでも連帯保証人必須の賃貸物件もたくさんあります。
お店にいらっしゃるお客様の要望で「連帯保証人無し」で物件を探して欲しいという場合もありますし、逆に初期費用を抑えたいから「保証会社無し」で探して欲しいという場合もあります。
(保証会社有りだと、保証料が発生するので初期費用や更新料が高くなる。)
業界の流れとしては「保証会社が必須」になってきていますから、今後もしかしたら連帯保証人有りで保証会社無しという物件は貴重になるかもしれません。
そんな賃貸の連帯保証人ですが、いざお願いする時は同居人や家族や友人に頼めるものなのでしょうか?
というわけで、今回は「賃貸の連帯保証人について」お伝えしていきます。
賃貸の連帯保証人になれる人は?
賃貸物件で部屋を借りる際に、万が一契約者(入居者)が家賃の支払いを滞らせたりした場合に、変わりに大家さんに支払いを保証する人が必要です。
それが連帯保証人となるのですが、お店にいらっしゃるカップルのお客様で「部屋を借りるのは私で、連帯保証人は彼氏でお願いします!」という方も1か月に1組くらいみえます。
パッと読むと彼氏が連帯保証人になってくれるので、何も問題が無いように見えますが、じつはこのケースでは連帯保証人はNGです。
一体、どういう点が問題なのか解説しましょう。
同居人は連帯保証人になれない!?
連帯保証人とは、契約者(入居者)が家賃を滞納したりした場合、入居者に変わって家賃を支払う責任を負います。
また、実際にはないですけど、契約者が支払える資力を持っているにもかかわらず家賃などの支払いを拒み、大家さんが家賃などを回収できない場合、大家さんは直接連帯保証人に請求することが出来ますし、また連帯保証人は請求を断れません。
ですから、仮に連帯保証人が同居人であった場合に、夜逃げなどされると、契約者にも連帯保証人にも連絡が取れなくなるので、同居人の連帯保証人が認められないのです。
また、同居人であれば家族でも連帯保証人にはなれません。
同居しない友人だったらどうなの?
では「同居しない友人だったらどうなの?」という疑問がわきますが、こちらは物件(管理会社)によります。
ただ、個人大家さんの場合で会社の上司や知人でもOK頂ける場合もありますが、友人でもOKという管理会社は少ないのが現状です。
また、彼氏や彼女だと連帯保証人は難しくても「婚約者」であればOKということもあります。
ただ、入居者が家賃を滞納した場合に、友人や知人だと
- 連絡が取りにくい(いつの間にか連絡先が変わっていることもある)
- 保証契約のことが理解出来ておらずトラブルになりやすい
などが、友人NGの理由に挙げられます。
連帯保証人は「定収入のある3親等以内の親族」が基本!
連帯保証人は法律で決まった定めがあるわけではいのですが、一般的に「定収入のある3親等以内の親族」となっています。
会社によっては、もっと厳しい条件のところもあるかもしれませんが、一般的には3親等以内で「定収入がある」のであれば問題ないのではないでしょうか。
大手の賃貸物件の場合は、結構上記内容でないと連帯保証人としてOKもらえないことが多いです。(むしろ現在は保証会社が主流なので、連帯保証人無しがほとんどです。)
賃貸の保証契約で役立つ親等図
賃貸の保証人の範囲
- 1親等…本人および配偶者の父母・子と配偶者
- 2親等…本人および配偶者の祖父母・兄弟と配偶者・孫と配偶者
- 3親等…本人および配偶者の曾祖父母・曾孫と配偶者・叔父叔母と配偶者・甥姪と配偶者
賃貸の保証人は借主に代わって支払いをすることが求められるため「支払い能力」が重視されます。
そのため、両親や祖父母でも高齢で収入が年金しかないような場合は、保証人として認めてもらえないケースもあります。
賃貸の「保証会社」とは一体何なの?
では、先程から出てくる「保証会社」ですが、こちらは一体何なのか解説していきます。
保証会社とは、契約者の保証を連帯保証人などに変わって請け負う会社になります。
連帯保証人を頼む人がいないという方もみえますし、最近は連帯保証人を親でも頼みにくいという方も多いので、本当にありがたい会社だと思います。
しかし、当然保証を依頼するにあたり費用は発生します。
費用は保証会社によって様々ですが、初期保証料として家賃の50%と契約更新時に10000円というように「初期費用」「契約更新時(1年や2年が多い)」に手数料を支払うことが多いです。
保証会社だと連帯保証人は要らない?
基本的に、保証会社では連帯保証人は必要ありません。
書類には自宅の住所など記載する欄があるかもしれませんが、それは「緊急連絡先」としてです。
もちろん緊急連絡先ですから、契約者が家賃を滞納した場合でも、自宅に請求が行くというようなことはありません。
但し、保証会社でも物件契約前に”審査”があり、その際に契約条件を提示される場合もあります。
「契約者の保証をするのが保証会社なのに、保証会社と契約するのに連帯保証人がいるって、どういうこと?」と思うかもしれません。
「じゃあ、わざわざ保証会社の手数料払いたくないから、連帯保証人で契約できないの?」と私なら考えてしまいます。
もし、大家さんが「連帯保証人が付くなら保証会社無しでもOK」と言えばよいのですが、実際は難しいのではないでしょうか。
多分、「保証会社は必須」というのが大家さんが物件を貸す条件にしていると思います。(でも聞くのはタダなので、ダメ元で聞いてみましょう!)
【注意】滞納した家賃は消えて無くなりません!
たまに家賃債務保証業者の役割について勘違いされる方がみえるので補足しておきますが、家賃債務保証会社は滞納した家賃を代わりに支払ってくれるわけではありません。
あくまで立て替えであって、立て替えられた滞納家賃は後ほど請求されます。
また、家賃債務保証会社が立て替えたとしても「借主が家賃を滞納していることには変わりがない」ので、履行遅滞として賃貸借契約を解除されることもあります。
保証料や保証更新料は「あくまで保証契約に対する手数料」ということですね。
連帯保証人が必要ない「比較的審査の緩い」大手賃貸の会社
連帯保証人が必要ない場合は、保証会社の審査になります。
賃貸物件の会社は大小様々ありますが、全国規模で展開している大手会社で「比較的審査が緩い」と私が思っているのは、「ダイワリビング」と「大東建託」です。
ダイワリビング
引用元:ダイワリビング
今、私が部屋を借りるならダイワリビングだと思います。
ダイワリビングは、連帯保証人不要なのと別途保証会社との契約も不要です。
たぶん自社(グループ企業)で保証会社があるのだと思いますが、保証会社との契約となっていないので保証会社手数料がないのは嬉しいですねよ。
また、審査も特別厳しいことはありません。結構おすすめです。
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大東建託
賃貸物件を借りるのに、一度は耳にしたことがある企業名だと思います。
大東建託は、保証会社必須の物件がほとんどです。
引用元:大東建託いい部屋ネット
契約時の保証料が12000円と契約更新時の保証料が無い代わりに、月額保証委託料(家賃の2~2.5%)が発生します。
初回の契約保証料が比較的安いです。
仮に家賃の50%が契約更新手数料とした場合、上記の内容だと保証料で25,000円ですから、大東建託結構安いですよね。
審査の方も特別厳しくないですし、担当者によりますが結構大家さんに相談してくれる人もいます。
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賃貸の連帯保証人に関する法改正がありました!
ちなみに、2020年4月からの民法改正から、借主の債務保証について極度額の設定が要件化されました。
具体的には、
- 対象は個人保証に限られる
- 極度額(連帯保証人が負う最大負担額)を明記する
- 極度額の定めがなければ保証契約は無効である
ということから、2020年4月以前に賃貸の連帯保証人になっている旧保証契約は無効となります。
つまり、2020年4月からは賃貸の連帯保証に関する負担額には「上限がある」ということになります。
さらに具体的な極度額の数字は決められていないことも問題で、参考数値としては判例にあった連帯保証人の負担額を計算すると「賃料13.2ヶ月分」が平均だそうです。
また、最大では賃料33ヶ月分で、機関保証では24ヶ月分の保証が多いとされています。
保証人が負担する債務の範囲は?
保証人が負担する保証債務の範囲には、
- 未払い賃料
- 借主が負担する原状回復費用
- 借主が賃貸借契約終了後に明渡しを遅延したことで生じた賃料相当の損害賠償債務
などに合わせて、それらに関する利息・違約金・損害賠償金などが含まれます。
賃貸の保証人を解約することは出来るのか?
後ほど保証人と連帯保証人の違いについて解説しますが、一般的に賃貸の保証人は連帯保証人になります。
連帯保証人を簡単に解説すると「債務者(借主)と同じ扱い」なのに、保証契約を解除する権利がありません。
そのため、借主の未払い賃料を延々請求されるような事態も考えられます。(というか、実際にあります)
しかも、借主が死亡して賃借権の相続があった場合でも保証契約は解除にならず、その相続人が家賃を滞納した場合も保証債務を負うことになります。
保証人と連帯保証人の違いについて
先ほど、賃貸の保証人は連帯保証人が一般的で「債務者(借主)と同じ扱いになる」とお伝えしました。
ですが、保証人と連帯保証人の違いが分かればもっと良く理解できます。
まず、普通保証の保証人には「附従性・随伴性・補充性」の3つの性質があるのに対して、連帯保証人には補充性がありません。
加えて保証人には「分別の利益」があるのに対して、連帯保証人には分別の利益がありません。
付従性(ふじゅうせい)
付従性とは、文字通り「付き従う」ことです。
例えば、付従性には次のようなことがあります。
- 消滅の付従性…賃貸借契約における債務が終了すれば、それに伴い保証債務も終了する
- 成立の付従性…賃貸借契約が取り消されたり無効になれば、保証債務も成立しない
- 内容の付従性…主たる債務の内容より保証債務は重くならない
また、賃貸借契約が合意更新された場合に「保証契約も継続する」ことも付従性になります。
随伴性(ずいはんせい)
随伴性とは、債権者に変更があっても「随い(したがい)伴う(ともなう)」ことで、保証債務は消滅せずに新債権者に移転する性質のことをいいます。
補充性(ほじゅうせい)
補充性とは、借主(主債務者)が債務を履行できない場合に「保証人が代わりに履行する」という性質をいいます。
催告の抗弁権
保証人の場合、まずは主債務者に催促するよう債権者に請求できる権利があります。
これを「催告の抗弁権」といいます。
しかし、連帯保証人には催告の抗弁権が認められていません。
つまり、貸主が連帯保証人に対して未払い賃料を請求してきたら、連帯保証人は応じざるをえません。
検索の抗弁権
保証人の場合、まずは主債務者の財産から執行するよう債権者に請求できる権利があります。
これを「検索の抗弁権」といいます。
しかし、連帯保証人には検索の抗弁権が認められていません。
つまり、貸主がお金を持っているにも関わらず家賃を支払わない場合でも、連帯保証人は貸主からの請求があれば応じなければいけません。
分別の利益
分別の利益とは、保証人が複数人いる場合「保証人の数に応じて分割された部分についてのみ」債務を負担することをいいます。
ようするに「頭割り・割り勘」のことですが、連帯保証人には分別の利益もありません。
つまり、債権者(貸主)は連帯保証人が複数人いる場合「各連帯保証人に対して全額を請求することができる」ということです。
代わりに支払ったお金はどうなるの?
保証人が代わりに支払ったお金については、当然債務者(借主)に請求することが出来ます。
また、保証人が複数人いる場合には、各保証人に対して負担部分の請求が可能です。
この権利を「求償権」といいます。
連帯保証人は保証人に比べて「抗弁権が認められない」ため、その責任は債務者(借主)と同じになります
また賃貸の保証人になると、未払い賃料の支払いだけではなく、原状回復費用なども補償範囲となるのも注意点です。
おわりに
今回は賃貸の連帯保証人について解説してきました。
賃貸で部屋を借りるということは人生でそう何度もあるわけではないですし、また初めて部屋を借りる方だと知らないこともたくさんありますよね。
また賃貸の不動産会社は扱っている物件が一緒ということが多いですが、それでも「良い担当者」で契約しないと、後々契約トラブルなどになっても面倒なので、2,3社地域の不動産屋は回ることをお勧めします。
また、2020年の法改正で少し後半難しい内容だったかもしれませんが、連帯保証人になる人にとっては保証責任が限定されると思って頂ければ良いでしょう。
以上「賃貸の連帯保証人は同居人ではダメ?家族や友人ならどうなの?」でした。
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