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定期建物賃貸借契約とは?中途解約や再契約は可能なのか詳しく解説!

通常、私たちが賃貸住宅を契約する際は「普通建物賃貸借契約」になります。

普通建物賃貸借では契約期間が満了しても借主が望めば更新が認められますが、これと違い契約時点で定めた期間が満了したら契約が終了する「定期建物賃貸借契約」というものもあります。

例えば、家の建て替えなどで短期間だけ賃貸借契約を結びたい時に「定期建物賃貸借」で契約することが多いです。

それだけに馴染みの少ない定期建物賃貸借契約ですが、いざ契約時には「期間を定めるなら期間内の中途解約や期間満了時の再契約は認められないの?」という質問をよく頂きます。

何かしらの事情で中途解約や再契約が必要になることもあるかもしれませんから、やはりそこは気になるポイントだと思います。

また定期建物賃貸借契約は要件も少し変わっているので、ここでは全体的にしっかり解説していきましょう。

 

 

定期建物賃貸借契約とは?じつは3つの要件を満たさないと成立しません!

定められた期間のある建物賃貸借契約を「定期建物賃貸借契約」というわけですが、定期建物賃貸借契約は通常の賃貸借契約と違って以下の3つの要件を満たす必要があります。

  • 期間の定めがあること
  • 書面によって契約すること
  • 契約内容の説明をすること

ちなみに、この3つの要件のいずれかを満たさない場合は「普通建物賃貸借契約」になってしまいます。

 

期間の定めがあること

定期建物賃貸借契約は、契約期間の上限下限の規制はありませんが「期間を定める」必要があります。

この期間の上限下限が無いという点はポイントで、普通建物賃貸借では1年未満の期間を定めた場合は「期間の定めのない賃貸借」となります。

しかし、定期建物賃貸借契約では、例えば3ヶ月間だけというように「1年未満の期間を定めることも可能」です。

 

書面によって契約すること

定期建物賃貸借は、公正証書等の書面によって契約しなければなりません。

公正証書”等”なので、公正証書以外の書面で契約することも可能です。

仮に宅建業者が媒介もしくは代理を行なう場合は、宅建業法37条の契約書とは別に作成して貸主と借主に交付しなければなりません。

 

契約内容の説明をすること

定期建物賃貸借契約を締結するには、その内容の説明もしなければいけません。

もし書面だけ渡して説明しなかった場合は「普通建物賃貸借契約を締結した」ことになります。

また、この説明も宅建業法35条の重要事項説明とは違うので、書面同様に別で定期建物賃貸借に関する説明が必要になります。

不動
つまり、実務上は「期間の定めのある書面を作成して説明する」というわけですね。

 


 

定期建物賃貸借契約は、通常の建物賃貸借契約と違って「3つの要件」を満たさなければなりません。

なぜここまでするのかというと、通常の建物賃貸借契約では仮に2年間で契約を締結しても「借主が借り続けたい言えば更新が認められてしまう」からです。

そのため一定期間だけ貸したい貸主を守るために、きちんと書面や説明をして普通建物賃貸借契約と線引きをしているわけです。

 

 

定期建物賃貸借契約は「中途解約」できるのか?

期間が定められている定期建物賃貸借契約ですが、その契約期間内で中途解約することは可能かというと、こちらは借主に以下の要件があれば可能です。

  • 居住用建物であること
  • 床面積が200メートル未満であること
  • 転勤、 療養、親族の介護などやむを得ない事情があること

仮に契約書に中途解約は認められないなど、借主に不利な条項があっても「無効」です。

上記の要件を満たしていれば、借主が中途解約を申し入れてから1ヶ月後に定期建物賃貸借契約は終了します。

 

契約期間が定められていても「終了通知」は必要!

ちなみに契約期間が定められている定期建物賃貸借契約でも、契約満了日が到来したら自動的に契約は終了するわけではありません。

定期建物賃貸借の契約期間が1年以上である場合、貸主は「期間満了の1年前から6ヶ月前までの間」に契約の終了通知をしなければなりません。

もし通知を忘れてしまった場合は、貸主に通知をした日から6ヶ月後に契約終了となります。

おやつ
つまり、借主はその間は契約期間が過ぎても物件を利用し続けることが可能ということです。

 

定期建物賃貸借契約は「再契約」できるのか?

定期建物賃貸借契約は「期間満了により終了する」ので更新がありません。

ですが、期間が満了した後に借主と貸主が承諾して再契約することは可能です。

ただ、注意したいのは更新では無く「再契約」であるということ。

いくつか注意点があるので確認していきましょう。

 

保証契約も再契約が必要になる!

普通建物賃貸借契約で契約を更新する場合は、保証契約も更新されます。

しかし、定期建物賃貸借契約では「一度契約は終了する」ので、当然に保証契約も終了します。

そのため賃貸借契約を再契約をする際は、改めて保証契約も締結する必要があります。

再契約には仲介手数料も掛かる

初めの定期建物賃貸借契約が終了した後に再契約して同じ建物に住む場合、本来借主は建物の明け渡しや原状回復の義務を負います。

しかし、実際には同じ借主が住むので明け渡しや敷金の返還など行なわないことがほとんどです。

ですが、再契約手続きを行なうため宅建業者を介す場合は、改めて重要事項説明や37条書面(契約書)が必要となり仲介手数料も発生します。

借主からすると同じ物件なので必要ないと思いますが、宅建業法上の義務なので仲介業者としては必ずやらないといけないことのです。

 

 

その他の定期建物賃貸借契約のルール

他にも定期建物賃貸借契約ならではの特別なルールがあるのでお伝えしておきます。

まずは気になる賃料に関することからいきましょう。

 

賃料の増減額請求に関する特約

まず通常の建物賃貸借では「賃料を減額しない特約」が定められていても無効になります。

これは借主に不利な特約だからです。(賃料を増額しない特約は有効)

しかし、定期建物賃貸借契約では「不増額特約・不減額特約どちらも有効」になります。

 

普通建物賃貸借契約から定期建物賃貸借契約への切り替え

定期建物賃貸借契約を再契約する場合は、同じ定期建物賃貸借契約ではなく普通建物賃貸借契約に変えても構いません。

では、普通建物賃貸借契約から定期建物賃貸借契約に切り替えることは可能なのでしょうか?

例えば、今まで普通建物賃貸借契約で契約していたのに、更新時に定期建物賃貸借契約に切り替えるようなケースで考えてみます。

不動
この場合、貸主はメリットが大きいですが「借主にとっては不利」なので切り替えはできません。

 

では、先の再契約のように一度契約を解除したらどうなのでしょうか?

貸主と借主の双方が合意解除しているのですから、原則としては「普通建物賃貸借契約から定期建物賃貸借契約への再契約は可能」です。

しかし、定期建物賃貸借契約が試行される平成12年3月1日より前に締結された居住用建物の普通建物賃貸借契約については「当分の間出来ない」という特別ルールがあります。

当分の間に具体的な年数は定められていないのですが「4年程度」と考えられています。

 

 

まとめ

今回は定期建物賃貸借契約についてお伝えしてきましたが、さいごにポイントのおさらいです。

  • 定期建物賃貸借契約には3つの要件がある
  • 借主からの中途解約には「やむを得ない事情」が必要
  • 再契約は可能!ただし保証契約や仲介手数料などに注意

実際のところ定期建物賃貸借契約は「家の建て替えの間だけ」というような限定された場面でしか需要がありませんが、締結する際はポイントをしっかり確認しておいて下さいね。

とくに再契約は更新料は要らないけど仲介手数料が掛かる点はトラブルになりやすいので注意しましょう。

 



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