「住宅ローンは金利の低いところを選びたい!」
そう考えている方は多いと思いますが、では最終的な金利はどうやって決まるかご存じでしょうか?
実際には、次の3つが最終的に適用される金利に大きく影響します。
- どの金利タイプを選ぶか?
- 団体信用生命保険の特約はどれを選ぶか?
- 保証料の支払い方法はどうするか?
そのため、住宅ローンのことが良く分からないという初心者ほど「金利タイプ・団体信用生命保険・保証料」の3つを理解しなければいけません。
決して簡単ではないかもしれませんが「住宅ローンを選ぶ上で凄く重要」なので、ぜひ最期までお付き合い下さい。
まずは「どの金利タイプが自分に合っているか?」を決める!
「住宅ローンのこと全然分かりません!」という初心者が一番に抑えないといけないことは、金利タイプの種類です。
金利タイプには、次の3つがありますが
- 変動金利
- 全期間固定型(固定金利)
- 期間選択型(固定金利)
そして、とくに希望も伝えず不動産屋任せにしていると、最も金利の低い「変動金利」で話が進みます。
「金利が安いなら良いじゃないか」と思うかも知れませんが、メリットだけではなくデメリットもあることを考えなければいけません。
まずは、それぞれの金利タイプの特徴を簡単にお伝えしていきましょう。
変動金利の特徴
変動金利のメリットは、3つの金利タイプの中で「最も金利が低い」という点です。
しかし、変動金利は住宅ローン借入後に「金利が上昇した場合は影響を受ける」というデメリットがあります。
8%で3,000万円を借りた場合の月の返済額は「213,078円」ですから、恐ろしいですよね。
そのため、変動金利には急激に返済額が変わらないように
- 5年ルール(5年間は返済額は変わらない)
- 125%ルール(返済額変更は125%が上限)
がありますが「金利上昇による利息」は発生していることを忘れてはいけません。
また、最近は5年ルールなどを適用しない金融機関もありますので住宅ローン選びの際には注意しましょう。
こんな人は変動金利がおすすめ!
- 繰り上げ返済をして早く完済したい人
- 返済額が増えても大丈夫な人
- 金利上昇リスクを理解した上で、借入時の返済額を抑えたい人
全期間固定型(固定金利)の特徴
固定金利の全期間選択型は「金利上昇リスクを負わない」ことが最大のメリットです。
また、デメリットとしては3種類の金利タイプで「最も金利が高い」という点でしょう。
具体的に令和3年1月時点の変動金利と全期間固定型の金利を比べてみると、愛知県の地方銀行の変動金利で実行される金利は「0.4~0.5%」が多いのに対して、全期間固定型のフラット35で最も金利が安いARUHIでも「1.04%(団信加入)」です。
つまり、少なくても0.5%程の差はあるわけで、それを借入れ35年3,000万円で計算すると
- 月々返済額…6,810円
- 利息総額…2,860,241円
の差があります。
これを金利上昇リスクを負わない保険として高いか安いか考えるわけですね。
こんな人は全期間固定型がおすすめ!
- 一定金額を計画的に返済したい人
- 金利上昇リスクを心配したくない人
- これから養育費など支出が増える人
期間選択型(固定金利)の特徴
固定金利の期間選択型は「3年・5年・7年・10年」と、一定期間だけ金利を固定するタイプで「固定期間が短いほど金利は低い」という特徴があります。
期間固定型を選びたい場合は、先の2つの金利タイプと違って
- 基準金利
- 優遇金利
を理解しておく必要があります。
基準金利とは「ベースになる金利」で、優遇金利は「引き下げる金利」です。
つまり「2.475%(基準金利)-1.8%(優遇金利)=0.675%(実際に適用される金利)」になります。
さらに、金融機関によって経過期間に優遇金利が変わるタイプもあるため「住宅ローン初心者には内容が難しい」金利タイプでもあります。
こんな人は期間選択型がおすすめ!
- 10年後に支出が減る人
- 10年後にまとまったお金が入る予定のある人
- そもそも貯蓄があり10年後に繰り上げ返済を考えている人
ここまで3つの金利タイプについて簡単にお伝えしてきました。
それでも住宅ローン初心者だと読むのも大変だったかもしれません。
しかし、金利タイプを決めないことには「金融機関によって内容が違う」ため選びようがないのです。
団体信用生命保険の「特約内容」と「支払い条件」を確認する!
団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローンの返済期間中に「死亡または高度障害状態となり返済が困難になった場合」に残債を返済するための生命保険です。
一部フラット35など任意のところはありますが、基本的に住宅ローンを契約する際には団信の加入は必須となっています。
その団信ですが、こちらも各金融機関によって違っており、とくに次のものは要チェック!
- 特約内容
- 保険金支払い条件
- 上乗せ金利
実際に「団信で完済されると思っていたのに支払い条件を満たしていなかった」ということはあるので、住宅ローン初心者が絶対に見落としてはいけないポイントです。
団信の特約は金融機関によって違う!
団信の特約は金融機関によって異なり、そして多様化されているので非常に比較がしにくいです。
そのため、まずは団信の特約ってどういうものがあるか見ていきましょう。
まず一般的な団信の特約として、次のようなものがあります。
- ガン保障特約
- 3大疾病保障特約
- 3大疾病保障(介護保障特約付き)
- 8大疾病保障特約
- 全疾病保障特約
- 自然災害補償特約
注意点として「全ての金融機関で同じ特約を付けられるわけではない」ので、どうしても全疾病保障特約を付けたいなら金融機関は限定されます。
ただ、ほとんどの方は「結局どれを選べば良いの?」となると思います。
保険金の支払い条件が金融機関によって異なる!
例えば、どの金融機関にもある「ガン特約付き団信(ガン団信)」ですが、じつは支払い条件は金融機関によって異なります。
- 住宅ローンの残債の全て保険金が支払われる
- 住宅ローンの残債のうち50%だけ保険金が支払われる
同じガン団信でも「住宅ローンが完済される」のと「残債が半分残る」のでは大きく違いますよね。
また、ガン以外の全ての病気に対応してくれる全疾病保障特約ですが、保険金の支払い条件は結構厳しめです。
具体的には病気やけがによって働けない状態が「12ヶ月以上継続する」ことで保険金が支給されます。
上乗せ金利は申込みで変わることもある!?
団信は特約なしであれば金利の上乗せはありませんが、特約をつけた場合は金利が上乗せされます。
この上乗せ金利も各金融機関で異なるので比較検討の材料になります。
しかし、実際にはWEBサイトに記載されている内容が全てではなく「特約の上乗せ金利を引き下げてくれる」こともあります。
これは申込者の属性(年収や勤続年数など)も関係するので一概に言えませんし、金融機関に問い合わせても事前に教えてくれることはありません。
ただ、経験豊富な仲介業者の担当者であれば経験則から教えてくれるかもしれません。
住宅ローン減税が変わるなら団信の特約は付けておくべき!?
今まで住宅ローン減税は「年末の借入残高の1%を所得税と住民税から直接減額する」というものでした。
しかし、2021年度税制改正で検討している住宅ローン減税の見直しで、年末の借入残高の1%もしくは「その年に支払った利息総額のうち少ない方を適用する」に変更することを検討しています。
住宅ローン保証料も金融機関によって大きく違う!?
住宅ローンを契約するのに最も負担割合が大きいのが「保証料」です。
住宅ローン保証料とは、住宅ローンの返済が滞ってしまった場合に「金融機関に代位弁済してくれる保証会社への手数料」になります。
仮に3,000万円を35年間で借りた場合は「約63万円」と結構大きい!
つまり、35年ローンの方は「借入額の2.1%程度」が保証料として計算できます。
保証料には「外枠方式」と「内枠方式」がある!?
そして、この保証料には「外枠方式」と「内枠方式」があります。
- 外枠方式…保証料を一括前払いで支払う
- 内枠方式…金利を上乗せして月々の返済額と一緒に支払う
先の借入額の2.1%程度というのは外枠方式の場合で、内枠方式の場合は0.2%の金利上乗せが多いです。
ちなみに、外枠方式と内枠方式では「どちらが得か?」というと、総支払い額では一括前払いの外枠方式の少なく済みます。
しかし、今はマイホーム購入に関する諸費用をまとめて借りる方も多く、その時に保証料まで借りるのは損です。
どの金融機関でも住宅ローンの金利は内枠方式(上乗せ0.2%)より高いからですからね。
保証料は一括前払いする預貯金の有無でも変わってきますので、住宅ローン選びでは理解しておきたいポイントです。
保証料無料!じつは無料ではありません?
色々な住宅ローンを調べていると「保証料無料」という金融機関を見かけます。
3,000万円の借入れで約63万円の保証料が無料になるならありがたいのですが、多くの場合は代わりに「事務手数料」が掛かります。
保証料を支払う場合の一般的な事務手数料は「55,000円」もしくは「33,000円」ですが、保証料無料の場合は「借入金額の2.2%」という場合もあります。
「保証料が無料でも事務手数料が2.2%なら変わらないじゃないか!」というとまさにその通りですが、場合によっては事務手数料が0.5%ということもあります。
例えば、ARUHIのフラット35は事務手数料2.2%ですが、優良住宅ローンで性能評価住宅の場合は事務手数料0.5%です。
繰り上げ返済の予定にも注意!?
保証会社の手数料になる保証料は基本的に引き下げはありませんが、事務手数料に関しては申込者の属性によって下がる可能性があります。
しかし、保証料を外枠方式で支払い繰上げ返済をすると「返戻(へんれい)」があるのに対して、事務手数料には返戻はありません。
こういった点も保証料については注意です。
その他のポイントは脱初心者をしてから!?
他にも住宅ローン選びのポイントとして、
- 返済方法
- 融資期間
- 銀行融資手数料
- 繰り上げ返済手数料
などがありますが、詰め込みすぎても混乱するので色々調べすぎるのも禁物です。
ただ、もし余裕があるなら「返済方法」は少し念頭に置くと良いでしょう。
元利均等返済と元金均等返済の違い
住宅ローンの返済方法には「元利均等返済」と「元金均等返済」があります。
元利均等返済は「月々の返済額が一定」なのに対して、元金均等返済は「総返済額は少ないが返済開始当初の返済額多い」という特徴があります。
今のような低金利時代は総返済額に大きな差は出ないのですが、金利が上昇すると大きく変わってきます。
仮に35年で3,000万円を借入れた場合、金利が1%であれば総返済額の差は「305,499円」です。
しかし、実際にバブル期で記録した金利8%であれば総返済額の差は「17,392,871円」にもなります。
まとめ
みなさんが住宅ローンで気にされる金利ですが、その金利に大きく関わるのは「金利タイプ・団体信用生命保険・保証料」の3つです。
そのため住宅ローンの選び方は「金利はどこが安いかな?」ではなく、まずは上記3つの内容をしっかりと理解することが大切!
住宅ローン初心者は「目先の金利」に惑わされないようにしましょう。
ただ、ここまで解説してきた内容も「正直難しい」と感じた方はみえると思います。
また、金融機関も申込みをしないと具体的には教えてくれません。
その場合は住宅ローンの申込み経験が豊富な仲介業者に相談することをお勧めします。
以上「住宅ローンの選び方!初心者が絶対に外してはいけない3つのポイント」でした。
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