マイホームを購入する際は、物件価格以外にも諸費用が掛かります。
物件価格が3,000万円だから3,000万円で購入出来るわけではなく、一般的に「物件価格の8%ほど」が別途諸費用として必要になります。
しかし、そんな諸費用も場合によっては「節約出来る」ものがあります。
また、注意したいのは「意味不明の請求」が紛れ込んでいるかもしれないこと。
そのため、今回は「建売の新築一戸建てを購入する際の諸費用について」詳しくお伝えしていきます。
建売の新築一戸建てを購入するのに必ず必要な諸費用!
まずは新築一戸建て(建売)の諸費用で、どこの仲介業者から購入しても必ず請求される諸費用があります。
順番にみていきましょう。
登記費用
建売を購入する際には、表題登記・所有権移転登記・抵当権設定登記などを行います。
ここではまとめて登記費用としていますが、その内訳は
- 司法書士(土地家屋調査士)手数料
- 登録免許税
になります。
登記費用は、物件価格や住宅ローンの借入額によって変わりますが、仮に3,000万円の新築一戸建てを住宅ローンで購入したのであれば、
- 表題登記…約12万円
- 所有権移転登記…約35万
- 抵当権設定登記…約7万円
税金と司法書士等の手数料を含めて「50~60万円程度」だと思います。(司法書士等の手数料によって前後します)
また、登記費用を安くしたいから「登記を自分で行いたい」という方がみえますが、残念ながらそれは出来ません。
建売の場合は「司法書士等は売主の指定」になることがほとんどです。
登記費用はいつ払うのか?
登記費用はいつ払うのかというと「融資実行直後」になります。
住宅ローンで借入れることも可能なので、現金で準備しないといけないわけではありません。
火災保険料
住宅ローンを契約するのに火災保険の加入は必須条件となります。
火災保険は構造によって保険料が変わりますが、木造軸組工法であれば「火災保険10年+地震保険5年で水災なども補償するプランで25~30万円くらい」です。
また火災保険料を安く抑えたい場合は、契約年数を短くしたり保障内容のプランを下げれば保険料を抑えることは出来ます。
ただ、水災や地震が起こったことを考えるとプランを下げるのは個人的にはお勧めしません。
それよりも同じ保険会社でも加入する代理店によって割引率が違うことがある(団体割引の有無)ので、金融機関や売主から指定がないのであれば「いくつか見積もりを請求する」ことをお勧めします。
火災保険はいつ払うのか?
火災保険は住宅ローンの融資条件になるので「融資実行日までに保険料を支払う」ことになります。
金融機関によっては火災保険の加入も可能なので、その際は融資実行日に契約手続きを行うことで現金の準備は必要ありません。
保証料
保証料とは、住宅ローンを利用する際の「保証会社への手数料」です。
仮に3,000万円の物件であれば「約63万円」になりますが、支払方法には一括前払い(外枠方式)以外にも分割払い(内枠方式)もあります。
また住宅ローンに関しては、保証料単体ではなく金利や団体信用生命保険の保障なども含めて交渉すべきです。
こちらについては少し長くなるので、次の記事をご覧下さい。
-
住宅ローンの保証料を安くする?仲介業者に任せっぱなしは損ですよ!
住宅ローンの諸費用のうち、大きな割合を占めるのが「保証料」です。 例えば、3,000万円を35年借入れした場合の保証料は「約60万円」になります。 保証料の支払い方法は色々ありますが、少しでも安くする ...
続きを見る
保証料はいつ払うのか?
一括前払いで保証料を支払う場合は「融資実行時」になります。
分割払い(内枠方式)であれば、金利に上乗せされるので毎月の返済額と合わせて支払っていくことになります。
銀行手数料
銀行手数料とは、住宅ローンを契約する際に銀行などの金融機関に支払う手数料になります。
一般的には「33,000円か55,000円」が多いです
ちなみに銀行手数料は交渉できません。
どうせ交渉するなら金利を頑張った方が断然お得です。
銀行手数料はいつ払うのか?
銀行手数料の支払いは「融資実行時」になります。
実際は支払うというよりも実行された融資額から差し引かれる形になります。
固定資産税等日割り清算金
固定資産税や都市計画税の日割りは、賦課期日(1月1日)に物件の所有者に年払いで請求されます。
また、固定資産税等の日割り清算金を交渉する方がみえますが「すでに支払っている税金」なので安くはなりません。
清算金はいつ払うのか?
清算金も「融資実行時」に支払います。
固定資産税以外にもマンションであれば管理費や修繕積立金の清算金などありますが、これらは全て融資実行日(決済時)に支払うものになります。
印紙税
印紙は契約書作成時に必要になり、仮に2,000万円の物件であれば
- 不動産売買契約書(減税で10,000円)
- 金銭消費貸借契約書(20,200円)
になります。
印紙代については、住宅ローンの金銭消費貸借契約を電子契約で行えば印紙代を抑えられることもあります。(電子契約が出来る金融機関の場合)
例えば、2,000万円の物件であれば電子契約手数料として5,500円支払いますが、印紙代2万円が不要になるので14,500円お得になります。
ここまでの諸費用の項目は「建売を購入する際に必ず必要なもの」になり、基本的に交渉による節約は出来ません。
それよりも建売購入の諸費用を抑えたいなら、次の2つに注目です!
仲介業者によっては0円になるもの!?
ここからは一般の仲介業者では諸費用に含まれますが、最近は仲介手数料を無料にする業者もあります。
少しでもマイホーム購入費用を節約したい方は必見です。
仲介手数料
400万円以上の物件では、仲介手数料は「(物件価格×3%+6万円)×消費税」が上限と国土交通省で定められております。
新築一戸建ての建売であれば、仲介手数料は約105万円になります。
しかし、売主から手数料が頂ける物件は「仲介手数料0円」にする業者もあります。
仲介手数料はいつ払うのか?
仲介手数料は仲介会社によりますが、
- 契約時に半金、決済時に半金
- 決済時に全額
で、支払うことが一般的です。
融資手続代行費用
融資手続代行費用は、仲介業者が住宅ローンの手続きをサポートすることで請求される費用です。
しかし、法律的な解釈からは「違法か適法か判断が分かれるグレーな請求項目」になります。
法的にグレーだから請求するのかしないのかは仲介業者の腹づもり次第です。
住宅ローンに含めることが出来る諸費用は?
貯金なしだけどマイホームを買いたいと思った時に気になるのは、ここまで紹介した諸費用のうち「いくら現金で準備しないといけないのか?」ということではないでしょうか?
結論から言うと、印紙税以外は登記費用や仲介手数料などは住宅ローンで借りることが出来ます。(印紙税は5,000万円以下の物件であれば売買契約時1万円、金消契約時2万円なので現金で払ってしまいます)
ただ、住宅ローンで借入れは出来ますが「手付金は先に現金で支払う」ことになるので注意が必要です。
また、不動産会社によって「契約時に仲介手数料の半金を支払う」というようなこともあるので注意は必要です。
おおよそ物件価格の8%と言われる諸費用ですが、仲介手数料や融資手続代行費用が0円であれば5%ほどで収まります。
次でお伝えするように、建売は物件価格以外にオプション工事もあります。
諸費用は賢く抑えてマイホームは購入したいですね。
通常は明細に含まれない注意すべき費用!
ここに記載するものは、通常は諸費用明細に含まれません。
ですが、場合によっては支払う必要があるものなので念頭に置いておきましょう。
オプション工事費
建売の新築一戸建てでは「これ付いてないの?」というものがいくつかあります。
例えば、次のようなものはオプション工事として、必要であれば別途依頼しなければなりません。
- カーテンレール
- 照明
- 竿掛け
- テレビアンテナ
- バルコニー屋根
- カーポート
- 外構フェンス
- 網戸
- 雨戸
網戸は1階にあっても2階には付いていないことが多いです。
また最近は「隣との境にフェンスがない」こともあるので、更地から購入する方は事前に確認しておくことをお勧めします。
フラット35を利用する場合は「適合証明書」が必要
適合証明書とは「その住宅が機構の定める技術基準に適合していることを証明する」もので、フラット35を利用する場合に必要になります。
建売の新築一戸建てで「フラット35利用可」と物件資料に記載があれば、適合証明書を取得出来る物件です。
ただ、適合証明書の取得には5~10万円程度の手数料が掛かるので、フラット35を利用する予定なら事前に伝えておきましょう。
建築確認申請手数料など
建築確認とは、建てる家が建築基準法に適合しているか確認検査することです。
家を建てる際には必ず行われることなので「物件価格に含めてしまう」ことが一般的ですが、稀に別途請求されることがあります。
他にも、
- 給排水工事費
- 上下水道分担金
- 地盤調査費
- 外構費
など、ここまでにお伝えした「一般的な建売の諸費用以外」の項目が請求されることがあるので注意しましょう。
ちなみに「請求されたら払わないといけないの?」というと、払わなければ購入出来ません。
マイホーム購入後に必要になる費用
家を買ったら出費は終わりと油断は禁物です。
マイホーム購入後は「引っ越し費用」や「家具家電の購入」が待ち構えています。
しかし、それ以外にも不動産を取得することで発生する税金もあるので注意が必要です。
不動産取得税
不動産取得税は、不動産の所有権を取得した時に課される税金です。
土地や建物、新築と中古住宅でも適用要件が変わりますが、新築一戸建ての場合は以下になります。
- 建物:(固定資産税評価額-控除額)×3%
- 土地:固定資産税評価額×1/2×3%-控除額
建物の控除額は、1,200万円(長期優良住宅は1,300万円)
建売の不動産取得税をシミュレーションしてみる!?
例えば固定資産税評価額を「建物1,100万円(床面積110㎡)」で「土地1,500万円(土地面積130㎡)」として計算すると、
- 建物:(1,100万円-1,200万円)×3%=0円
- 土地:1,500万円×1/2×3%-控除額=0円 <控除額は11.5万円×1/2×200㎡×3%=34.5万円>
となり、不動産取得税は0円になります。
また、固定資産税評価額は建売(一般的な木造)であれば、物件価格の
- 建物部分:建築費用の約40%~60%
- 土地部分:土地の時価の60%~70%
になるため、一般的な建売(建物価格が2,000万円未満)であれば不動産取得税は掛からないことがほとんどです。
固定資産税
物件購入の諸費用に含まれていた「固定資産税の日割り精算分」とは別に、賦課期日(1月1日)に不動産を所有していれば固定資産税の支払いがあります。
例えば、令和2年10月に家を購入した際は「令和2年の固定資産税を日割り精算している」ということで、その翌年の令和3年分は1月1日の所有者に1年間の納税通知書が届きます。(大体5月くらいに郵送されます)
ただ、通常の固定資産税の計算は
- 固定資産税=評価額×1.4%
ですが、令和4年3月31日までに新築された住宅の場合は「3年間は税額が1/2になる軽減措置」があります。
ただ、軽減措置の期間が過ぎれば固定資産税が上がってしまうので注意して下さい。
また、こちらも適用要件があるので、詳しくは管轄の市区町村役場などでご確認下さい。
まとめ
今回は建売を購入するの諸費用についてお伝えしてきました。
購入時の諸費用として通常必要になるものは以下の項目です。
- 登記費用
- 火災保険
- 保証料
- 銀行手数料
- 固定資産税等の日割り清算金
- 印紙税
- 仲介手数料
- 融資手続代行費用(仲介業者による)
ただ、マイホーム購入後や場合によって必要になる費用もあるので注意して下さい。
以上「建売購入に必要な諸費用は?知っていれば節約できる項目もありますよ!」でした。
【 最後にPRです 】
個人でも掲載可能!空き家マッチングサイト
ここ数年「空き家問題」が取り沙汰され、管理の行き届いていない空き家については固定資産税が6倍になるという話も聞きます。
しかし、築年数の経過した空き家や地方にある空き地などは不動産屋も積極的に取り扱ってくれないので「仕方なく放置している」という方もみえると思います。
そんな空き家で頭を悩ましている方にお勧めなのが「空き家コネクト」です。
空き家コネクトは個人・法人問わず「空き家・空き店舗・空き地・山林など」の不動産情報を無料で掲載できるマッチングサービスになります。
「こんなボロボロの空き家は誰もいらない」と諦める前に無料掲載してみましょう!(イエエエイ!を見たと伝えて貰うとトップページにピックアップ物件として紹介して貰えますよ)
おすすめの記事 と スポンサーリンク