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アパートの退去費用が高額!でもこんなケースだと仕方がないかも?

賃貸アパートから退去する際は、お金のことで気になることが色々あります。

なかでもあらかじめ支払っている「敷金」がいくら戻るか否かは気になるところ。

また敷金なしの場合でも、一体どれくらいの費用が請求されるのかドキドキです。

でも、最近は「アパートから退去の際に高額な費用を請求する業者もいる」という認識が広まって、入居者さんも適切な知識を身につけ自己対応するように心がけている方も増えました。

 

しかし、その反面とりあえず反論という方もみえて「さすがにそれは認められません」ということでもクレームを入れられるケースがあります。

現場の意見としては、お互い体力も時間も消耗しますし誰も得なことがありませんから「どうせならしっかりと勉強して欲しい!」と切実に思ったりします。

というわけで今回は「アパートの退去費用で請求される?されない?」をケースごとに分けて解説していきましょう!

 

 

アパートの退去費用!しっかりと請求されるケース

基本的に賃貸借契約は、貸す側と借りる側の合意に基づき簡単に言えば「双方が納得して契約したら自由」というのが原則になっています。

しかし、その結果として退去時のトラブルが多発したことで国土交通省は退去費用の基準として「ガイドライン」を作成しました。

ただし、このガイドラインはあくまで基準であり「法的効力はありません」し、逆にガイドラインは借主に有利なことばかり記載されているわけではありません。

そういった点も考えてみていきましょう、

 

たばこは退去費用で高額請求される!?

ガイドラインでは「クロスは6年で価値が1円になる」とされているので、部屋で喫煙しても大丈夫と思っている方もみえますが、それは違います。

「喫煙に関して取り決めがない」場合でも、たばこのヤニ汚れやにおいなどは「借主の故意・過失、善管注意義務違反」と判断されます。

 

その場合、経年劣化を超えた物件であっても「工事費やクリーニング費用に関しては借主負担が妥当」とガイドラインで示唆されています。

「クロスは6年で経年劣化だから退去費用の請求はされないでしょう!」

というクレームは喫煙の場合は当てはまらないのです。

 

また、当然ですが「喫煙不可」となっているアパートの場合は、より高額な費用負担を請求される可能性があります。

もちろん規約を守らなかったということですし、たばこは壁紙などの色を変色させるだけではなく、部屋全体に臭いをつけてしまい、壁紙などの交換だけでは対応できない場合も多いです。

 

綺麗に掃除しても「クリーニング費用」は請求される!?

「入居して1年程度だし、普段から綺麗に掃除しているし、退去する時にも掃除したし、クリーニング費用なしでいいですよね?」

と言われても、クリーニング費用は基本的に発生します。

ガイドラインでは「日常的に掃除をしていない場合」は、クリーニング費用は必要とされていますが、こちらについては「初めの契約段階」でほとんどの場合は請求されるように契約書に記載されていると思います。

この場合は、いくらガイドラインに記載があっても優先されるのは「契約書」です。

ちなみにアパート退去の際に、ルームクリーニングなどにかかる費用の相場は、家賃にもよりますが「家賃1ヶ月分程度」です。

ただし以下のような場合は、クリーニング費用が割高にを求められる場合もあるでしょう。

 

以下のようなケースは「借主負担」が通常です

本人は普通に生活していただけと思っていても、これらのことは「借主の故意・過失、善管注意義務違反」と判断されます。

  • エアコンの水漏れによる壁の腐食
  • お風呂、トイレ、洗面台の水垢やカビ汚れ
  • 換気扇やガスコンロの油汚れ
  • 冷蔵庫下の錆び跡による床の汚れ
  • 飲み物などをこぼして出来たシミやカビ

 

こういった点が必要以上に汚れていると退去費用が高額になりがちです。

少しでも退去費用を抑えたい方は「日常使用での汚れでしょう」と判断できるくらいまでは、退去立会いの前までに掃除した方が良いですね。

 

 

勘違いしやすい!退去時に請求されないものは?

では次に「退去時に費用請求されそうだけど、じつはされない」ことを解説していきましょう。

「これは請求されても仕方がないか」と勘違いしたままだと、それこそ悪い不動産会社がシメシメと思っているでしょうから気を付けてください。

 

画鋲で壁に穴をあけると修繕費用を請求されるの?

私も不動産業界に入る前は「賃貸物件は壁に画鋲を刺すと退去時にお金がとられる」と思っていましたが、じつはこれはセーフ!

カレンダーなどを設置する際に画鋲で開けた穴も、生活するうえでは必要なものなので、修繕のための費用は敷金から償却できません。

ただし、ドリルで穴をあけるような大きなものは「故意で破損した」と判断され退去時に請求されるでしょう。

 

家具を置いてへこんだり日焼けした跡

家具を置いて床がへこんだり、日焼けで色褪せしたりしたらどうなるのでしょうか?

これについては日常使用で仕方が無いことなので入居者の負担ではありません。

さすがに日焼けさせないとなると一日中カーテンを閉め切っていないダメですからね。

但し、先に解説したように「ジュースをこぼしてシミが出来た」場合は、入居者の負担となります。

 

鍵の交換費用は大家さんが負担!

意外と「さらっ」と請求書に含まれているのが鍵の交換費用です。

もちろん自分で使用して紛失した場合は自己負担となりますが、入居時に預かった鍵をそのまま返却すれば交換費用は「貸主負担」です。

これは入居時の初期費用で紛れ込んでいることもあるので注意してください。

 

退去費用は住んだ年数で変わるの?

アパートの退去時に、敷金から償却されたり請求されたりする費用は、あくまで「故意に破損した」ものに対してのみです。

5年住もうと10年以上住もうと、経年劣化したものは対象外です。

大家からすれば10年以上も住んだのだから、経年劣化した部分の修繕費を払って欲しいと思われますが、これは民法の規定で請求できません。

理由は「賃借人が住んでいようがいまいがアパートの経年劣化は必ず起こる」ことだからです。

 

また退去精算では、やたら「原状回復義務」という言葉が出てきますが、民法では「その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない」と明文化されており、経年劣化は原状回復義務には含まれていません。

もしアパートの退去時に「原状回復義務」という名目で高額な費用を請求されたら、「民法の規定で経年劣化は原状回復義務には含まれない」と教えてあげましょう。

大家の通例がどうであれ、法律上では明文化されていますので心配要りません。

 

 

おわりに

いかがでしたか?

今回は「アパートの退去費用」について解説してきました。

じつはアパートの退去費用で請求される(できる)ものは、じつは大家さんや不動産業者でも分かっていないことが多いです。

とくに古くから営んでいる大家さんや不動産業者は「通例」で考えることが多く「法律は知らないけどこれが通例だから」と本気のトーンで言われることもあります。

 

ですから悪気がなくても結果として高額請求されることもあるので、その点は「自分の身は自分で守る」つもりでしっかりと勉強しておきたいですね。

今回の内容は「よく間違われやすいポイント」なので、是非覚えておいてくださいね。

以上「アパートの退去費用が高額!でもこんなケースは仕方がないよ」でした。

 



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