家を購入する際は「税金を支払う義務」を負います。
しかも、家の売却であれば譲渡所得税と住民税の2種類なのに、購入の場合は6種類もあるので「こんなに払うのか」とビックリされる方も少なくありません。
- 不動産取得税
- 登録免許税
- 印紙税
- 消費税
- 固定資産税
- 都市計画税
固定資産税と都市計画税は厳密には「不動産の保有に関わる税金」ですが、実務としては購入の際に精算されるので合わせて解説していきます。
現実問題として必要な税金は納めないといけないのですが、内容が分かっていた方が気持ちは随分と楽です。
というわけで、今回は家の購入に関わる税金を順番に見ていきましょう。
不動産取得税について
不動産取得税とは、不動産(土地、建物)の取得したことに対して課税される地方税です。
ここで言う取得とは「売買・交換・新築・贈与・特定遺贈・増築・改築(価値が増加した場合)」で、相続・合併・包括遺贈は含まれません。
税金を納める先は「不動産が所在する都道府県」です。(納税義務者の居住地ではありません)
不動産取得税の納税方法
不動産取得税は、納税通知書が送付されてから納付する「普通徴収」になります。
納税通知書の納付は、所有権移転登記を行ってから半年くらい後になるのが通例です。
また、課税標準(固定資産税評価額)が「土地については10万円未満・建築に関わる家屋については23万円未満(一戸)・その他に関わる家屋については12万円未満(一戸)」であれば、不動産取得税は課税されません。(免税点)
その他、税金が安くなる減税制度もあるので重要度はかなり高いです。
より詳しく知りたい方は、次の記事も合わせてご覧下さい。
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不動産取得税はいつ・いくら納める?軽減制度についても詳しく解説!
不動産取得税とは、土地や住宅などを取得した際に「不動産が所在する都道府県に納める税金(地方税)」です。 具体的には「新築・購入・贈与・交換・増改築(価格が増加する場合)」で、取得時に1度だけ課税されま ...
登録免許税について
登録免許税とは、不動産の登記等を課税客体(課税の対象)とする国税です。
但し、分筆や合筆などの表示の変更登記を除いて、表示の登記には課税されません。
納税義務者は登記を受ける者で、売買に伴う所有権移転登記は「売主と買主が連帯して納付する義務を負う」ことになります。
しかし、実務上は「売買契約の特約で買主の負担となる」ことが一般的です。
登録免許税の納税方法
納税については、登記申請の際に現金もしくは税額証明書の収入印紙を貼付することにより行います。
しかし、実務上は登記を委任する司法書士に「登記料(登録免許税などと司法書士の報酬)」を渡します。
なお、登録免許税の課税の対象はあくまで登記なので、所有権移転があっても登記をしなければ課税はされません。(実務上登記しないことはありませんが)
基本的には司法書士にお任せになりますが、さらに詳しい記事はこちらです。
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登録免許税はいつ払う?軽減税率の適用要件なども詳しく解説!
登録免許税とは、土地建物などの登記を受ける際に課される国税です。 不動産に関わる税金は所得税や固定資産税など種類がいくつかありますが、一般的には「登録免許税がもっとも馴染みの少ない税金」だと思います。 ...
印紙税について
印紙税は、各種契約書や領収書などの作成者に対して課税されます。
売買契約のように2人以上で文書を作成した場合は「連帯して納税する」義務を負うことになりますが、実務上は「契約書を保管する者」が負担することが多いです。
印紙を貼付しないとどうなる?
印紙を貼付していない場合は「印紙税額の実質3倍(未納分とその2倍の合計額)」の過怠税が徴収されます。
消印がされていない場合「額面金額分」の過怠税が徴収されます。
また、仮に印紙を貼付し忘れても契約は有効です。
さらに、契約書を正本・副本・謄本等のように「2通以上作成した場合」など、詳しい内容は以下の記事でどうぞ。
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不動産の印紙税!金額の一覧から貼らなかった時の罰則まで幅広く解説
私たちの日常生活でも「印紙」を貼付する機会はあるので、他の不動産の税金に比べて印紙税は身近かもしれません。 しかし、不動産では「土地を買う」のと「家を建てる」では契約書が異なり、また契約書の内容に応じ ...
消費税について
消費税は、商品の販売やサービスの提供にたいして課される税金です。
当然に不動産取引でも消費税は課税されますが、消費税が掛かる課税取引と「消費税が掛からない非課税取引」があるので注意して下さい。
課税取引 | 非課税取引 |
建物の譲渡 | 土地の譲渡 |
居住用を除く建物の貸付け | 土地の貸付け(但し1ヶ月未満は課税取引) |
仲介手数料 | 居住用建物の貸付け(但し1ヶ月未満は課税取引) |
固定資産税について
固定資産税は、住民に対する行政サービスの対価として「土地、建物、償却資産(事業用機械など)を所有している者」に対して毎年課税されます。
賦課期日(課税される日)は1月1日で、その時点での所有者が1年分を納税する義務を負います。
年度の途中で所有者に変更があった場合でも税金の還付などはありません。(そのため実務では日割り計算で精算されるケースが大半になります)
また、所有者として登記又は登記されているものが死亡している場合は「現に所有している者」が、所在が不明である場合には「使用者」が納税義務を負担することになります。
なお「標準税率は1.4%」ですが、これを基準として市町村が条例で定めます。
固定資産税は毎年課税されるので、ここでしっかり覚えてしまいましょう。
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固定資産税はいつ・いくら納める?減税も分かりやすく解説します!
固定資産税とは、土地や家屋など固定資産を所有していることに対してかかる税金(地方税)です。 不動産の取得時に一度だけ課税される不動産取得税とは違い、固定資産税は取得が行なわれた翌年度から毎年課税されま ...
都市計画税について
都市計画税は、都市計画事業の費用に充当するための目的税です。
そのため、原則として「市街化区域内の土地と建物のみ」が課税対象となります。(但し、条例で定める場合は市街化調整区域でも課税されることもあります)
また、都市計画税の税率は0.3%を基準に市町村で定められ、固定資産税と合わせて徴収されます。
納税方法は、納税通知書が4月頃に送られて「年払い」もしくは「4回払い」で納付します。
都市計画税については、次の記事で詳しくお伝えしています。
住宅ローン控除について
住宅ローン控除とは、個人が返済期間10年以上の住宅ローンを利用して住宅を取得した場合に、一定の要件を満たす時は「各年の所得税額から控除する」ことが出来る制度のことをいいます。
主な要件としては、
- 10年以上のローン期間である(親族からの借り入れは認められない)
- 住宅取得から6ヶ月以内に居住を開始している
- 年間所得が3,000万円以下
- 床面積50㎡以上
などがあります。(他にも適用要件あり)
住宅ローン控除は「税金が安くなる」ことなので、是非こちらの記事もご覧下さい。
まとめ
今回は家を購入する際の税金の種類についてお伝えしてきました。
それぞれ詳しくは別記事をご覧頂ければ思いますが、とくに注意したいのは以下の3つです。
ポイント
- 「不動産取得税」…減税措置を受けるために申請が必要
- 「固定資産税」…評価額に納得出来ない場合は縦覧帳簿を見たりする
- 「住宅ローン減税」…初年度は確定申告が必要
これらは自分で何かしら申請することがあるので、是非別記事も合わせてご覧下さい。
とくに固定資産税は長い付き合いになるので、この機会にきちんと勉強するのも良いですね。
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