あなたは、賃貸契約でもっともトラブルになるタイミングはいつかご存知ですか?
じつは、賃貸で最もトラブルが多いのは「退去精算時」です。
「…なんとなく、そう思っていた」という声が聞こえてきそうですが、先に進みましょう(苦笑)
入居の時に預けていた敷金が退去時のリフォーム修繕費で返金されないどころか、追徴金が20万円、30万円というケースもあり、賃貸で最もトラブルになりやすい所です。
ここでは、部屋探しから退去までの状況に応じて、退去時のトラブルを防ぐために”出来るアドバイス”をお届けします。
賃貸営業マンの経験を活かし、業界のカラクリ(お客さんがよくしている感違い)についても解説していきますので、一読の価値アリです!
借主(入居者)と貸主(大家さん)どちらが負担するものなの?
まず退去時のトラブルになるのは「入居者か大家のどちらが修復するものなのか」が常に争点になります。
このトラブルに巻き込まれないために、面倒くさくてもやはり「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は目を通しておきたいです。
これは「賃貸の退去時のトラブル多すぎだろ!」ということで、入居者の負担、大家さんの負担と線引きしたものです。
目を通した方がいいですよと言っても、「面倒くさいわー」という人の顔が浮かぶので、簡単に分けておきましょう。
入居者の負担になるもの
- タバコのヤニ汚れ
- ねじ穴、釘穴
- 水回りの汚れ・油の汚れ(クリーニング費)
- フローリングの傷、汚れ
- 落書き、ペットによる傷
- その他、入居者の過失による損傷、損耗
大家さん負担になるもの
- クロスの日焼けによる自然損耗
- 専門業者による全体のハウスクリーニング
- 畳の日焼けによる自然損耗、表替え
- 家具の設置によるへこみ、設置跡
- ピン穴(画鋲程度の穴)
- カギ交換
- その他、通常の使用で劣化損耗するもの
というような感じですが、大雑把に言うと「普通に生活しているレベルで発生する損耗は大家さんの負担」で「故意や過失により損傷や損耗は入居者の負担」ということです。
ただ、現状はこのようなガイドラインを設けているにも関わらず、退去時に高額な費用を請求されると言う話も少なくありません。
では一体「何に気を付けて」「どうすれば良いのか?」という現実的な話をして行きましょう。
なぜ高額な費用を請求されるのか?
まず基本的に、高額な費用を請求するのは誰かというと、物件を持っている大家さんかというと、じつはそうではありません。
大家さんの多くは「”管理会社”という物件の修繕や入居者との折衝を行ってくれる会社に委託しているケースがほとんど」です。
個人で物件の管理や入居者との折衝などを行う方も当然みえますが、入居者が家賃を滞納したりすると面倒くさいので、ほとんどの大家さんは管理会社に任せてしまうわけですね。
この管理会社は基本的に不動産屋がやっていて、入居者が退去する際に立ち会うのも基本的には管理会社、もしくは管理会社から委託されているリフォーム業者だったりします。
つまり、高額な費用を請求されるかどうかは、この管理会社次第というわけです。
例えば、単純に管理会社が”ただの不動産”であれば退去した部屋のリフォームやクリーニングは、すべて外注に任せてしまいます。
その場合に掛かる費用に対して、自社の利益をのせて入居者に請求するので、当然一般的なリフォームの値段よりも割高だったりします。
仮にクロス1㎡の貼り替えを下請けに900円でやらせて、入居者には1200円で請求をあげるというような感じですね。
「そりゃ高くなるわ」という話です。
これは黙って管理会社のいいなりの退去費用を払うなんてイヤですよね!
契約書を今すぐ確認!もしかしたら、その契約書の文言は無効かも!?
退去の際に高額な費用を請求される前に、まずは契約書を確認しましょう!
とはいえ、契約書も何やら難しい事が書いてあって、何がなんだかわからないかもしれませんが、ポイントは2つです。
それは「原状回復に関する条項」「特約」です。例えば、
- 退去時のルームクリーニング費用、クロスのへこみ・修繕費用は借主負担とする
というような、退去時の貸主負担分についての記載が書かれています。
賃貸の営業を行っている時は先輩から「とにかく退去時にトラブルにならないように特約をいれておけ!」と教えられました。
契約書に記載しておけば「契約時に記載してありますよね?」で話がつくと。
でも、じつはこの「特約」だと有効ではありません。
この文言が有効となるためには「費用の説明が必要」です。
したり顔で「契約書に記載されていますから」なんて言われても、『消費者契約法』から裁判所は金額の説明がされていない条項は無効としているので、支払わなくても大丈夫です。
但し、「故意過失による傷」や「善管注意義務を怠った汚れ」(「入居者は部屋を綺麗に長持ちするように使ってね」というのが善管注意義務です。義務違反の例として、掃除がまったく出来ていない・畳にジュースこぼして汚した・水回りのカビなど)があった場合は、支払う義務が発生するので注意してください。
さらに気を付けないといけないのは”経年劣化”
一般的に勘違いされている考え方として「長く住めばそれだけ部屋が汚れるから、たくさん退去費用払わないといけないよね」というものです。
これ結構多くの方が勘違いされているのですが、じつは逆です。
本当は長く住んだ方が退去費用は安く済むのです。
長く住めばクロスが汚れたり痛むのは当たり前。
その場合は「経過年数に応じて残った価値」を精算すれば良いのです。
引用元:国土交通省ガイドライン
例えば、(上記の図はガイドラインに記載されているものですが)クロスは新品に交換してから6年で価値が1円に下がります。
つまり、あなたが入居した時にクロスが新品に交換されていたら入居後6年でクロスの価値は1円です。
また、入居の3年前にクロスを新品に貼り替えていたのなら、あたなが入居して3年後にはクロスの価値は1円になるのです。
これは善管注意義務違反があった場合でも適用されるので、仮にクロスに子供が落書きして汚していたとしても、借主負担分というのは限りなく少なくて済みます。
ですから、10年部屋住んだ部屋の退去時に「長く住んでるからクロスも張替えだし退去費用高くつくよ」なんて言われてたら、その会社いろんな意味でヤバイわけです。
退去する時は掃除しないと”善管注意義務”違反!?
部屋を退去する時に多いのが、掃除しないで汚れたまま退去する人。
これが、じつに多いです。
悪い管理会社が「なんとか退去時にお金をとってやろう」とすると、最終的に攻めれる場所は善管注意義務違反になってきます。
- ガスコンロ置き場、換気扇等の油汚れ、すす
- 風呂、トイレ、洗面台の水垢、カビ等
- 戸建賃貸住宅の庭に生い茂った雑草
こういったことも善管注意義務違反となると全額請求される恐れがあるので、退去の際は部屋や水回りも綺麗にして退去するのが望ましいですね。
おわりに
如何でしたでしょうか?
賃貸営業をやっていて思うのは、不動産業者(管理業者)も「よくわかっていない」所が多く、退去時の請求も結構いい加減な所が多いです。
ですから、しっかり自分でもポイントを押さえて退去時に不当な費用の支払いを行わないようにしたいですね。
では押さえておきたいポイントの復習です。
- ガイドラインは目を通す!
- 契約書の確認する!(「特約」「原状回復に関する条項」)
- 経年劣化を考慮する!
- 善管注意義務違反に気を付ける!
この4つを押さえておくことで、不当に高額な退去費用の請求を退ける事が出来ます。
相手は専門だからといって尻込みすることなく、事前に少しだけ自分でも調べてみて「自分のケースの場合はどうだろう」と予習しておけば、案外渡りあえると思いますよ。
ちなみにクロスの補修に掛かる参考費用は、以下の記事で解説しています。
是非、参考にしてください!
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