住まい

瑕疵(かし)とは?具体的に何なのか分かりやすく解説します!

瑕疵とは、キズや欠陥のことを言います。

あまり日常的にキズや欠陥を瑕疵とは言いませんが、不動産業界では一般的に使われています。

法律用語として「本来あるべき機能や性能が備わっていない」ことを表し、例えば住宅を購入して雨漏れしていれば、住宅としての機能が備わってないので瑕疵に当たります。

基本的に瑕疵は「売主が買主に対して瑕疵があることをを通知しない」と損害賠償責任を負います。

そのため、最近の不動産契約では瑕疵にあたりそうなものは「軒並み特約に記載」しているのが現状です。

そこで今回は「どんなものが瑕疵として扱われる可能性があるのか?」詳しく解説していきます。

 

 

改めて「瑕疵」とは何なのか?

不動産業界で言うところの瑕疵とは「建物の不具合・造成不良・設備の故障など」土地や建物に何らかの欠陥があることを言います。

冒頭でもお伝えした「雨漏れ」や「シロアリ被害」なども「住むのに支障がある」ので瑕疵に当たります。

しかし、建物に直接的に問題がなくても、次のようなものも瑕疵として扱われる可能性があるので注意が必要です。

 

騒音・振動・臭気など

騒音や振動、臭気なども、実際に判例で瑕疵として認められているものがあります。

一般的な観点としては、道路・電車・飛行機・工場・店舗などによるものが考えられます。

その他、ゴミ処理場・暴力団事務所・火葬場なども、近隣にあれば嫌悪施設として説明が必要でしょう。

また、公園や学校なども子供の声や行事などでうるさいとクレームになりがちなので、最近では念のため特約に盛り込んでおくケースが多いです。

不動
逆に判例で瑕疵として認められなかった騒音として「トイレの給排水音」がありました。

 

境界の取り決め

境界に関するトラブルは本当に多く、境界について引き継ぎ事項がある場合は注意が必要です。

具体的には、

  • 境界に関する取決め書
  • 隣地との共有塀の有無や管理方法
  • 屋根や庇、フェンス、塀、樹木などの越境

などが多いので必ず調べておきたいポイントです。

 

おやつ
ただ、実務では隣地との境界立会いの際に判明する事も多いです。

例えば、売主が相続で取得した土地で過去に取り決めの有無があったのか不明な場合、契約の際には売主から買主へ取り決め等はないと告げられることが多いです。

しかし、その後いざ測量の隣地立会いを行ったところ「隣地の所有者が境界に関する取り決め書を持参してきた」ということもあります。

また、取り決め書はないが生前の所有者と境界に関して口頭で取り決めがあったなど。

境界に関することは、第三者である隣地所有者が関係してきますので注意が必要です。

また、その取り決めや越境物のせいで建築計画に支障が出る場合は「瑕疵に該当する場合があります」ので、軽く考えてはいけなないのです。

 

近隣トラブルと申し合わせ事項

近隣トラブルも裁判になることが多く、近隣地域(自治会・町内会等)での協定(建築協定その他)や取り決め(ゴミ集積場所・自治会・町内会等)などの引き継ぎから裁判になるケースもありました。

例えば、土地の前にゴミ集積場所が設置されていたことが瑕疵にあたると裁判になったこともあります。(ちなみに上記裁判は否決されました)

不動
瑕疵にあたるかどうかは判断が分かれると事ですが、普段の生活に関わる事柄なので要チェックですね。

 

近隣の建築計画

例えば、ベランダから見える景色が良いことがマンション購入の動機なのに、数年後には目の前に大きなマンションが建ってトラブルになることがあります。

では、このことを説明しなかった不動産会社に損害賠償を請求出来るのかというとケースによります。

ただ、購入者として出来ることは「周りに広い空地や駐車場がないか?」

また、ある際には「用途地域は何か?(何を建てることが出来るのか?」を自分でも調べておくと安心です。

 

 

浸水等の被害

購入予定の土地が浸水の多いエリアかどうか気になる方も多いと思います。

とくに最近では、水害(洪水、雨水、高潮)も多いことから、2020年8月28日「水害(洪水、雨水出水、高潮)ハザードマップにおける宅地建物の位置」が重要事項説明に追加されました。

売買、賃貸に関わらず、今後はハザードマップを用いて説明することになります。

当時は、浸水していたが、今はポンプ場が出来て、排水環境も整備されており、昔みたいに浸水しなくなったというところもあります。

このようなことは、近隣住民の方が詳しいので、不動産業者に聞いてもらうのもアリですね。

 

埋設物

土地の購入で注意したいのが「埋設物」です。

古い建物の基礎や浄化槽及び建築廃材(いわゆる「ガラ」などの残存物)ですが、これらは撤去する費用が関わってきます。

今は不法投棄に関する処罰が厳しくなっている為ありえませんが、昔は土地の中にガラやゴミなどを埋めてしまう事が頻繁にありました。

その為、いざ建物の工事に入ったら「ガラやゴミが土地の中から大量に出てきた」ということが起きるわけです。

おやつ
撤去費用は高額になるケースが多く、何百万になることもあります。

 

というのも、地中から大量にレンガや陶器ガラが出てきた場合「ガラは粉々になっている」ので、土とガラを分けて処分する事が出来ません。

そうなると「土とガラを分けて処分できない」ので、産業廃棄物(ゴミ)として取り扱われるので処分費が高額になります。

瑕疵担保期間は3ヶ月程度で設定されているケースが多いので、建物工事に取り掛かるまでの期間が少し先になる場合は先行して試掘を行う事も一つの手です。

また、隣地の配管が越境しているなど「掘ってみないと分からない」こともあるので難しいポイントです。

 

軟弱地盤

建築にあたって通常よりも強固な基礎が必要である場合は、とくに注意が必要です。

よく地域の名称に「池・沼・川など」が入ると軟弱地盤だと言われますが、最近では地盤を調べるWEBサイトも登場しています。

また、ハウスメーカーさんが決まっているようでしたら、ハウスメーカーさんがお願いする地質調査業者さんがいると思いますので

購入予定の土地周辺で、過去の調査データが無いか聞いてみるのも良いと思います。

データがあるようなら、地盤補強工事の内容・補強費用等がある程度予測が立てられます。

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土壌汚染

以前、工場やガソリンスタンドなどが建っていた土地は「土壌汚染」が気になるところです。

土壌汚染などの瑕疵の有無はもちろん、可能性があるのであれば調査は必須でしょう。

工場やガソリンスタンドの跡地の様な場合、同じような業種の方が検討されている事がほとんどだと思います。

その場合、業種が一緒の為そこまで不安になることは無いと思いますが、問題は「居住用の戸建用地等として購入する場合」です。

工場やガソリンスタンドの場合は面積も大きい為、一般の方がそのまま購入する事は無く分譲されてから購入する事が多いです。

その場合は分譲業者が購入時に土壌汚染調査を実施していることがケースが多いですから、心配なようでしたら保管されている調査結果などを確認してみてください。

 

不動
ただ、クリーニング屋さんの跡地などは面積がそこまで大きくなく、土壌汚染なんて無いと思って一般の方でも購入することがあります。

ですが、クリーニング屋さんも土壌汚染の可能性がある業種になりますので注意してくださいね。

また、土壌汚染による瑕疵は判例でも損害賠償請求が認められるケースも多いので、売主としても過去の利用状況などきちんと伝えておくべきです。

 

 

事件・事故・火災など「心理的瑕疵」

不動産取引で自殺、殺傷事件等の心理的影響があると思われる事実を「心理的瑕疵」といいます。

不動産業者側としては、非常に調査が難しい問題です。

また、心理的瑕疵が分かっている場合は、特約としては、

本件建物内において、○年頃、死亡事件(殺人・自殺)が発生したが、当該建物(賃貸物件)部分は既に「お祓い」をして(その後賃借人も何代か変わって)いるとのことである。

以上の点は「契約不適合」に該当するものではなく、賃借人は賃貸人に契約不適合に関する法的請求をなし得ないものとする。

などの記載があります。

 

おやつ
購入する不動産で事件・事故・火災があったかどうかはもちろんですが、その他に近隣で事件・事故があったかなども大切な情報になります。

地元の不動産業者が仲介に入る場合は、有名な事件は把握してます。ただ、遠方の不動産業者が仲介に入る場合は、把握しきれていないケースもありますので注意が必要です。

最近では、事件があった場所をまとめてあるサイトがあるのでそちらを参考にするのも良いでしょう。

不動産取引は、高額な取引になるケースが多いので、全て不動産業者に任せきるより、ご自身で調べることも大切なことです。

 

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電波障害

中高層の建物を建てる際には受信障害調査を行いますが、仲介業者が受信障害調査まで行うことはありません。

では何を行うかというと、売主に確認して「売主の告知書」として報告します。

 

「売主の告知書」とは?

売主から買主に対して「物件の状況を説明する」ものです。

ここまで説明したものだと、浸水などの被害以外は「どれも重要事項説明書に明記されていない事柄」になります。

しかし、だからといって説明義務は無いのかというとそうでもなく「法47条1号(事実の不告知)に関する重要な事項」と考えられます。

そのため重要事項説明書にない事も、売主に確認してトラブルの無いように作成します。

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告知書は「物件状況確認書」とも言います。

 

 

まとめ

今回は「不動産に関する瑕疵について」お伝えしてきました。

不動産における瑕疵は、土地や建物の瑕疵というだけではなく「その目的を達成出来るのか?」もポイントになっています。

また、いざ裁判になっても必ず可決されるわけではありません。

トラブルに巻き込まれないためにも、自分でも気になることは調べてみたり、不動産購入の動機などはしっかりと業者に伝えるようにしましょう。

以上「瑕疵(かし)とは?具体的に何なのか分かりやすく解説します!」でした。

 


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