こんにちは、不動です。
賃貸で部屋探しをしていると「敷金礼金なし」や「敷金礼金0円物件」というのを見かけます。
敷金礼金とは、
- 敷金…退去時の修繕費用の預け金。未使用分に関しては返金される。
- 礼金…大家さんへのお礼。返金はされない。
というものですが、敷金礼金なしの物件だと部屋を借りる時の初期費用はどうなるのでしょうか?
「もしかしたら初期費用0円で部屋が借りられるの?」という方も実際みえるのですが、残念ながら敷金礼金以外にも初期費用で支払う項目はあります。
では、敷金礼金なしの物件で「初期費用は何にどれくらい必要なのか?」気になるところです。(敷金礼金0円物件が本当に安いかどうか分からないと不安ですよね)
というわけで、今回は敷金礼金なしの物件の初期費用について詳しく解説していきます。
敷金礼金なしの物件は”怪しく”は無いの?
まずは敷金礼金なしの物件が増えている理由について解説しましょう。
実際店頭で商談していても、お客さんから「敷金礼金無しの物件は事故物件とかではないですか?」というものがあります。
ネットを見ると「敷金礼金はかなりヤバイ」という内容のサイトを見ますが、今どき敷金礼金ゼロは普通です。
敷金礼金ゼロにしてるのは前の入居者が亡くなったというような事故物件でもないですし、入居者にトラブルを起こす人が住んでいるからというわけではありませんので安心して下さい。
では、なぜ敷金礼金無しにする物件があるのかというと集客効果を期待しているのです。
賃貸の集客のメインは「今はインターネットが主流」です。
ホームズやスーモで部屋を探す方でも出来るだけ初期費用を抑えたいと、検索のキーワードで「敷金礼金なし」で探す方もみえます。
また「敷金礼金0円の物件特集!」というようにサイト側でも目立つようにしています。
つまり敷金礼金なしでも早く集客できるなら「半年入居者がいないよりも大家さんにとってもメリット大きい」ですし、仲介会社としては敷金礼金が有りでも無しでも仲介手数料は貰えます。
ですから、敷金礼金を無しにして入居の回転率を上げるのが主流になりつつあるのですね。
敷金礼金以外の初期費用について
賃貸で部屋を借りる際に必要な「初期費用」は敷金礼金以外にも以下のものがあります。
- 仲介手数料
- 前家賃
- 鍵交換代
- 保証料
- クリーニング費
- 火災(家財)保険
- オプション
- その他
1つ1つ解説して行きましょう。
仲介手数料
仲介手数料は「仲介会社(不動産屋)に支払う手数料」のことです。
仲介手数料の上限は法律で 「家賃+駐車場代(各1カ月分)×消費税=仲介手数料」 になります。
ただ上記の計算は上限なので、仲介手数料が安い会社もあります。
賃貸では「複数の会社で同じ物件を紹介している」こともあるので、同じ物件であれば仲介手数料の安い会社で契約した方が当然お得です。
仲介手数料が半額の不動産屋はヤバイ?なぜ手数料が半額になるの?
前家賃
家賃は基本的に”先払い”になります。
例えば10月1日から入居する場合、先に10月31日までの家賃を支払っておくのが一般的です。
10月15日から入居の場合は、日割り計算になります。
前家賃には、駐車場代や共益費も含まれます。
家賃は先払いになってるの?退去時の支払いについて詳しく解説!
鍵交換代
鍵交換代は、物件によって有ったり無かったりします。
新しい物件でも、新規で鍵を作成する場合は必要なことが多いです。
鍵交換は、ガイドラインでは貸主負担となっていますが、ガイドラインは法的効力があるわけではないので、鍵交換は交渉は難しいと思います。
保証料
保証料は、保証会社を利用する場合に支払う手数料です。
保証会社とは、入居者が万が一家賃を支払えないような状態に陥った時に、代わりに(一時的に)大家さんに支払いを行ってくれます。
(但し、あくまで立替えですから後で請求されます。)
保証会社を利用する事で、連帯保証人が不要で部屋を借りることが出来たりします。
今は、大手管理の物件だと保証会社必須というのが増えていますが、一般の管理物件で保証会社を使わずに連帯保証人でOKでしたら保証料は無しで済ますことが出来ます。
クリーニング費
敷金ゼロの物件でも「クリーニング費などの名目で退去後の清掃費用を先に貰う」という物件もあります。
こういった項目の場合は敷金のように使わなければ返金されることはなく償却となります。
償却とは、仮に入居期間が半年という短期間でも「クリーニング費は全額使用します」という意味です。(逆に10年でも一緒です)
大手だと大東建託はクリーニング費という名目がありますが、初期費用を抑えたい場合は「後払いプラン」というのもあります。
火災(家財)保険
火災保険は任意ではありますが「加入しないと契約できない」ため必ず加入させられます。
とはいえ悪いものではなく、部屋を借りて万が一火災を起こした場合は大家さんにも賠償責任が発生しますから自分を守るためにも必要な保険です。
ただ仲介会社で勧められる保険は高いことが多いので、最近は自分で加入(ネットで加入できる)を認めている管理会社もあります。
少しで費用を抑えたい場合は、管理会社に確認の家で検討されると良いですね。
賃貸の火災保険に入らないはダメ!でも安く済ませることは出来ますよ
オプション
オプションは以下のような付帯サービスのことです。
- 室内の殺虫殺菌
- 引っ越し
- ネット回線
- 入居サポート
強制では無いのですが「一緒にどうですか?」と勧められます。
賃貸の営業マンである私が言うのもなんですが、オプションサービスは割高であまりメリットもありません。
「いろいろ調べるのが面倒」という方は仲介会社に任せてしまうのもありかもしれませんが、ネットの回線なども家電量販店で加入した方がお得なサービスが付きます。
その他の注意事項
以下初期費用ではありませんが契約時にさらっと説明されて、退去時や更新時に「え?そんな請求があるの?」ということになりがちな項目です。
契約時の注意事項も合わせて確認しておきましょう!
短期解約違約金
敷金礼金0円だと大家さんもあまり短期で解約されると修繕費ばかり掛かって困ってしまいます。
そのため、短期で解約した場合は「1年未満で退去した場合は違約金を払って頂きます」というような特約が付いている場合があります。
あまり長期間住む予定ではない方は要チェックです。
更新料
賃貸は契約を更新する時に更新料(更新手数料)を請求される場合があります。
多くは1年で1万円程度ですが、年払いだとその月は支払う負担も大きくなります。
大事な確認ポイントですね。
敷金礼金なしでも初期費用は意外と掛かる!?
仮に家賃を6万円くらいで設定した場合に「敷金礼金なしで初期費用がどれくらいになるのか?」考えてみましょう。
- 仲介手数料…64,800円 +駐車場があれば
- 前家賃…家賃60,000円+共益費+駐車場
- 鍵交換代…10,000円前後
- 保証料…家賃の60% (保証会社による)
- クリーニング費…43,200円 (物件による)
- 火災保険…年間10,000円程度
- オプション…無し
もちろん内容は物件によって前後しますが、仮に上記であれば、敷金礼金無しの物件でも初期費用は「22万円程度」必要です。
せっかく敷金礼金なしの物件を狙っても初期費用は意外と掛かりますよね。
なにか初期費用を安く抑える方法はないのでしょうか?
前家賃をフリーレントにしてもらう
初期費用を安く抑えたいなら前家賃をフリーレントにしてもらうと大きいです。
フリーレントとは「家賃をサービスしてもらう」ことで、例えば上記のケースであれば前家賃1か月分(6万円)をオマケしてもらうことです。
部屋を申し込む前に「フリーレントにしてもらえるなら申込みしたい」など交渉すると意外と通りやすいので是非トライしてみましょう。
仲介手数料が半額や無料の会社で契約する
仲介手数料も初期費用で占める割合は大きいですが、これも会社によっては半額になったり無料になることがあります。
こちらは以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
賃貸の仲介業者に違いはあるの?条件毎にお勧め業者を紹介するよ!
その他は先述しましたが、
- 火災保険を自分で加入する
- 保証会社を利用せずに連帯保証人にする
- オプションは断る
というのも手です。
ただ場合によっては「管理会社が契約の条件とする」ケースもあるので、まずはフリーレントと仲介手数料を狙っていくのが初期費用を安く抑えるポイントになってきます。
おわりに
いかがでしたか?
今回は「敷金礼金なし」の物件について解説してきました。
敷金礼金なしでも初期費用が0円になるわけではなく、それどころか「意外とお金が必要だな」という印象だったのではないでしょうか?
合わせて初期費用を安く抑えるポイントもご紹介しましたが、それでも初期費用の明細の中には「なにこれ?」というものもあるかもしれません。
そういった場合は恥ずかしがらずに、
- わからないことはしっかりと聞く
- 任意なのか強制なのかはっきりとさせる
ようにしましょう。
基本的に仲介会社も管理会社も商売で、出来る限りたくさん儲けようと考えています。
自分の財布の紐はしっかり締めて部屋探ししましょうね。
以上「敷金礼金なしでも初期費用は必要?安く抑えるポイントも紹介するよ」でした。
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