「人生で利用する一番高額なローンは?」と聞かれたとき、ほとんどの人は「住宅ローン」と答えるでしょう。
そんな住宅ローンを借りると毎年一定額の控除を受けることが可能になり、それを一般的に「住宅ローン控除」と言います。
家を購入すれば固定資産税などの税金も毎年発生するので、こういった控除があるのは助かりますよね。
ですが、そもそも住宅ローンも人生で何度も契約するものではありません。
そのため売買(住宅販売)を行っていると、住宅ローン控除の質問はほとんどのお客様から頂きます。
書類にしても説明にしても税金や法律に関することというのは、本当にわかりにくいものですよね。
というわけで、ここでは出来るだけ簡単に、そしてわかりやすく住宅ローン控除について説明していきます。
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「住宅ローン控除」とは?
住宅ローン控除の正式名称は「住宅借入金等特別控除」です。
しかし、正式名称よりも「住宅ローン控除」や「住宅ローン減税」と呼ばれるのが一般的ですので、ここでは「住宅ローン控除」で統一していきます。
そもそも「住宅ローン控除とは何なのか?」というと住宅ローンを借入れた人の金利負担を軽減するための制度です。
では、どれくらい控除されるかというと基本的には「期間は10年間。年末の住宅ローンの残高もしくは住宅の取得対価のどちらか少ない金額の1%が所得税から控除」されます。
ここで言う「控除」は「必要経費として税金から差し引いて計算する」という意味になります。
また、住宅ローン控除は「税額控除」です。
税額控除とは、生命保険控除などのように所得税を計算する”前”に差し引くのではなく、所得税が計算された”後”に納めすぎた税金が戻ってくるものです。
住宅ローン控除は、ほかに特別な控除などがなければ
- 「所得税-住宅ローン控除=実際に支払う所得税」
- 「1であまった住宅ローン控除枠-翌年の住民税=支払う住民税」
となります。
基本的に1の所得税からの控除となりますが、所得税から控除しても住宅ローン控除の枠があまった場合は翌年の住民税からあまった分控除という形になります。
つまり、住宅ローン控除とは出来るだけわかりやすく簡潔に言うと「10年間、所得税からお金が少し戻ってくる」という制度です。
であれば、住宅ローン控除の申請はしないと損ですよね。
住宅ローン控除の条件
住宅ローン減税の対象となる借り入れには一定の条件があります。
ここでは箇条書きとなりますが、できるだけ簡単にわかりやすく住宅ローン控除の条件を解説します。
対象となるローン
- 物件の購入(中古物件・マンションでも可)および新築に関わる借り入れ
- 特定の増改築(リフォーム)に関わる借り入れ
つまり、新築物件、中古物件(マンションも含む)、リフォームで住宅ローンを組む場合は控除の対象となるわけですね。
ただ、すべてが同じ条件ではありません。
また、上記二点のほかに後述の条件が重なるので、別荘や車庫を作るために借り入れをした場合は対象となりません。
利用に関する条件
- 特別な事情がない限り取得の日から6か月以内に本人が住むこと
- 適用を受ける期間の12月31日まで住むこと
この規定があるので別荘として購入して本人に居住の実態がない、また車庫などでそもそも人が住む前提ではない場合などは対象となりません。
「特別な事情」としては、本人が死亡してしまった場合や火事や災害などに巻き込まれて居住することができなくなってしまった場合などがあげられます。
この場合、それらの「事情」が起こる当日まで居住していることが条件となります。
年収の規定
- 所得額が3000万円以下であること
年収3000万円以上の方は、住宅ローン控除の対象外となります。
税金を多く払っているのに残念ですね。
物件の面積(大きさ)について
- 床面積が50平方メートルで二分の一以上を居住用としている事
マンションなどで家が小さいと対象となりません。
50平方メートルは大体畳30畳、土地として15坪程度ですから都市部の狭小住宅などが大体このサイズです。
また商店街などで見かける「店舗や事務所と自宅を兼用している建物」の場合、居住スペースが二分の一以上あれば控除の対象となります。
また、床面積は基本的に登記簿を基準に図りますが諸々の条件があるのでよく確認しておきましょう。
借り入れの期間と借入金について
- 返済期間が10年以上であること
- 一定の借入金であること
平成29年現在、住宅ローンの控除期間は10年間となっているのでそれ以上の期間に借り入れがあるローンが対象となります。
また「一定の借り入れ」というのは、金融機関や信用機関、また給与所得者であれば使用者からの借り入れなどです。
ですから知人や親族などから借りた場合は対処となりませんし、使用者からの借り入れの場合、無利子や1%以下の低利子の場合住宅ローン控除の対象となりません。
その他の規定
- 利用する年とその前後に年間の5年間の間に居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税などを受けていない事
「居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税など」というのは説明が難しいのですが、不動産を売買して利益を得た場合に発生する控除などが対象となります。
これらの条件は2017年5月現在の規則ですが、今後法改正などによって変わる可能性があります。
ですから実際に住宅ローンを利用する前や借り入れを行う前にはしっかりと国税庁のホームページなどで最新の情報を確認してください。
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住宅ローン控除の控除額
利用すると節税となる住宅ローン控除ですが、自動的に控除されるわけではなく確定申告で申請する必要があります。
サラリーマンの方などは年末調整を行うので普段確定申告を行いませんが、住宅ローン工場の場合は確定申告をする必要があります。
ここでは具体的な控除額の算出方法と申込方法について解説していきます。
どの程度控除されるの?
住宅ローンの控除額は「住宅ローンの年末残高×控除率」で導き出すことができます。
2017年現在一般的な住宅であれば控除率1%となっていますが、この数字は年ごとによって異なるので過去に住宅ローンを組んだ方はまた違う率で計算されます。
この控除額の一般の住宅であれば上限は40万円となっており、また期間は10年間受けることが可能となっています。
ですから実質的な控除額の上限は一般的な住宅であれば400万円となります。
また特例として、
- 長期優良住宅の普及の促進に関する法律
- 都市の低炭素化の普及の促進に関する法律
の二つに定められている家屋は優遇されることになっています。
この場合控除率や控除を受けられる期間は同じですが、控除額が50万円となっているので最高控除額が500万円に増えます。
「住宅ローン控除で税金が戻ってくる」という話について
次に控除の申請について解説しますが、それに関係して「住宅ローン控除で税金が戻ってくる」というよく言われる事について少し解説します。
そもそも「払いすぎた税金が戻ってくる」というのは、会社員の方が自分で確定申告を行わず会社が申告を代行する事で発生します。
会社は自社が支払っている給料から所得税など支払う税金を天引きし、社員の代わりに申告を行い支払います。
その際には配偶者の数などで発生する控除は基本的に計算されていないので「本来支払うべき税金より多く支払っている」という事が発生します。
そこで年末に社員から諸々の必要書類などを集めて税金の調整をします。これを年末調整と呼ぶのですが、ここで払いすぎたことがわかると「税金が戻ってくる」という事になります。
一方で自分で税金の申告を行う自営業者やフリーランスの方は、諸々の計算を自分で税務署に申告して支払うので、基本的に税金が戻ってくることはありません。
給与所得者でも確定申告をしなければならない
住宅ローン控除は基本的に確定申告を行って申請します。
これは給与所得者も自営業者も同じなので、普段確定申告を行わない給与所得者(サラリーマンなどの勤め人)も住宅ローン控除を受けるためには確定申告を行う必要があります。
ただし、二年目以降は双方とも申請の際に必要な書類が簡易化されます。
その一環として、サラリーマンの方は税務署から送られてくる書類を勤務先に提出することで会社が年末調整を行ってくれることになっています。
ここでは一年目に必要な書類を簡易的にですが解説します。
住宅ローン控除に必要な書類
- 金融機関等からの借入金残高証明書(重要)
住宅ローンを借りている金融機関などから送られてくる証明書です。
一般的には向こうから送られてきますが、利用先によってはこちらから申し込む必要があるので確認しましょう。
また郵送で送られてくるので、うっかり失くさないように大切に保管しておきましょう!
- 確定申告書
- 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
税務署などで手に入れることができる確定申告を行うために必要な申込書です。
最近ではインターネットからでも取得できますし、インターネットで制作することも可能となっています。
- 住民票
居住の事実を確認するための物です。
役所で取得することができます
- 源泉徴収票
給与所得者の場合は会社から貰えます。
その他に、住宅ローン控除の条件↓
- 家屋の新築又は取得年月日
- 家屋の取得対価の額
- 家屋の床面積が50平方メートル以上であること。
- 家屋の取得等が特定取得に該当する場合には、その該当する事実
これらに該当することを明らかにする書類として、一般的には
- 登記簿
- 住宅の契約書の写し
の二点を持ってこの書類とします。
登記簿は法務局で取得できますが、登録の際に合わせて司法書士などに取得の依頼しても良いでしょう。
住宅ローン控除に関する確定申告の仕方は税務署などで相談会を開いています。
たくさんの人が利用されるので時間はかかりますが、初心者向けの解説書なども公開されていますし「次はあちらでこの手続きをしてください」というようにわかりやすく説明してくれます。
必要書類が揃えて午前中に行けば、大体その日のうちに完了すると思います。
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おわりに
住宅ローン控除はやってみるとそんなに難しいものではありません。
税務署で行われる相談会に行けば、流れ作業で完了します。
しかし、その中で注意したいのは「きっちりと書類を揃えること」です。
相談会は人がかなり混み合いますから、待ち時間もかなり長いです。
長時間待ってようやく自分の番になったのに、書類が足りなかったらまた後日やり直しとなるので、必要書類はしっかり準備したいですね。
そして、出来れば相談会は午前中に行きましょう。
余裕を持ってお昼ご飯を食べてからなんて思っていると、晩御飯の時間になっても終わらないかもしれませんよ。
以上「住宅ローン控除とは?わかりやすく全体像が把握できる!」でした。
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